【雑感】運用者の道
運用を仕事にする人にも色々とある。
その道は様々。
これまでもこのブログでは何度か綴ってきたこと。
自分のお金で勝負をしていく個人投資家。
他人のお金で運用を生業とする運用者。
本来であれば、他人のお金を預かり、リスクを取る運用者こそプロであって欲しいと思う。
そうでなければならないとも思う。
この世界を志してくれる若者は、業界にとっての宝物だと思う。
そんな彼らが一人でも多く成長し、夢を実現していくことが組織にとっても、業界にとっても未来につながっていくはずだから。
それを願い、そのためにいろんな取り組みをしてきた。
そしてそれはこれからも変わらない。
でもその夢を実現できる人はごくわずかだ。
夢ばっかり見ていて、足元の努力が全く足りていない人。
努力出来ていても方向性が間違っている人。
気持ちは前に向いているけれど、相場とちゃんと向き合えず、自分の都合で勝負してしまう人。
ある程度成功したところで慢心や油断してしまい、ハードワークできなくなってしまう人。
これだけ膨大な市場参加者の中で、勝つ側にまわり、そこに居続けようとするのはそんなに簡単なことじゃない。
勝てることはあっても、それを持続させることがどれほど難しいことなのか。
いろんなところで見かける「○○億円稼いだ」とか、「○万円を○億円にした」とか。
それは一つの事実かもしれないけれど、それを続けられる人はきっと未だに現役だと思う。
もちろんそれは自分自身にも言えること。
その経験の中から今でも伝えられることがあるなら伝えようと思う。
でも一番学びになるのは「相場」そのもの。
相場とどれだけ真摯に向き合い、自分自身と正面から向き合い、乗り越えていくかどうか。
過去の人間ではなく、これからの人間で在りたいのなら、相場と向き合う姿勢だけは失ってはいけない。
今の時代、運用の仕事にチャレンジ出来る場所はものすごく少なくなっている。
そんな中でそのチャンスを手にしたことはすごいことだ。
それを活かせるかどうかは自分次第。
初心者にとって、一ヶ月を通してプラスで終わることがどれだけ難しいことか。
たった一つのトレード。
額が大きくなれば、損益のブレも大きくなり、時としてコントロールを失ってしまうこともあるだろう。
でもそれに挑み続けなければ成長はできない。
かといって、実力以上に過大なリスクを取り始めると、致命的な怪我をしてしまって、あっという間に追い込まれてしまう。
自分もスタートはたった一枚の先物だった(ラージだけど)。
そこからはじめてワンショット数百枚のトレードを当たり前のようにこなすようになった。
それまで十年ぐらいはかかったけれど。
若い頃に自分の課題としていたのは120%。
今の自分が楽と感じられる枠の中で勝負をしていたら成長はない。
かといって過度なリスクを取れば致命傷を負いかねない。
転んでも起き上がり、取り返せるレベルで。
でも自分にストレスがかかり続けるレベルで。
時間もかかったし、何度も転んだし、苦しみもした。
でもその都度取り返してリターンにつなげてきた。
だからクビになった会社は一つもないし、月間ロスカットも一度もつけたことはなかった。
何度転んだとしても、自分自身を見失ったり、コントロール不能なレベルのリスクを取らず、一歩ずつ成長していったからこそなのだと思う。
自分を知り。
相場を知る。
怖さを知り。
勇気を持つ。
言葉で書くのは簡単だけれど、実際にそれをやるのは無茶苦茶難しい。
チャレンジしたけれど、挫折していく者もいる。
これからチャレンジする者もいる。
もし「運用者」になりたいと思うのなら、プロとして胸を張れる存在であって欲しい。
誰かのコメントや思考で相場を張るのではなく、自分自身で相場を見て、考えて、決断できるようにあって欲しい。
人のお金でただリスクを振り回すのではなく、リスクとリターンをしっかり見極め、コントロールされた勝負をできるようにあって欲しい。
大きな勝負をするだけがすごい運用者ではないよ。
勝負すべきときに勝負をし、守るべきときは守り、最終的により安定的に利益を積み上げてこそすごい運用者になれる。
自分という運用者を信頼し、リスクを預けてくれる会社や経営、上司、投資家。
一人前の運用者として認められたいのなら、その信頼に応えられる自分で在って欲しい。
そしてもし挫折してしまっても、胸を張って去れる自分で在って欲しい。
せっかく掴んだチャンスを半端して終わって、悔やんだり、うまくいかなかったことを周囲や環境のせいにしたりせずに。
本気でやりきれたうえでダメだったのなら、それでいいじゃないかと思う。
この仕事でうまくいかなかったからといって、全てが否定されるわけじゃない。
自分はこれまで、若い運用者達とその卵達が未来を夢見て挑戦できる場所を作ろうと取り組んできた。
そして現在、その未来をさらに切り拓こうとして取り組んでいる。
それもこれも信頼してくれる経営者と出会えたからやらせてもらえていること。
信じてくれる友人や仲間たちがいてくれたから出来ていること。
そこで明日を夢見て頑張るみんなを心から応援しているし、その成功を願ってもいる。
少しずつそばにはいられなくなり、離れていこうとしているけれど、関わった後輩や部下、一人ひとりのことを見守っていきたいと思ってる。
そしてまたどこかで道が交わることを願ってもいる。
うーん、結局何を書きたいんだかよく分からなくなっちゃったな(笑)
色んなことがあって、思うところが色々とあって、ついダラダラと書いちゃいました。