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【ビジネス】ヘッジファンド交流

昨晩はシンガポールで活躍する日本人ヘッジファンドの方々との飲み会でした。

様々なところから来られていて、40人ぐらいいたかな。

そこには20年ぐらい前に机を並べて若手として切磋琢磨していた友人や、現役として思いっきりやっていた時期に机を並べて競い合い、成長してきた友人がいたりしたのも嬉しかったり。

みんな数年~10年以上、自らチャンレンジして道を切り開いてきた人達。

いい刺激になりました。

 

先日、海外のヘッジファンドの人達との交流も刺激になったけど、日本人にもこういう人達が沢山いる。

自分が出来ること、しなきゃいけないと思っているのは、その裾野を広げていくことだろうか。

 

欧米の著名投資家に憧れて、運用者の道を志したとき、日本にはその挑戦の場があまりにも少ない。

未経験で、実績もなく、お金もない。

でも若さと、夢と、やる気がある。

では…と思うと「運用」を最初っから挑戦させてもらえる場所なんてほとんどない。

 

そんな若い世代の人達に、運用者としての道を拓いていくこと。

そしてその成長とともにビジネスを発展させていく。

その先に大きな変化、夢の実現に繋がればいいなと。

仕事には夢や目標って大事だし、そんな人達が増えることこそが日本の運用業界や金融業界の発展にもつながるのだと思う。

 

でも「運用をビジネスとして行う」って、実はかなり地味なところが沢山ある。

法律(日本なら金商法、投信法)、規制、税制…。

申請手続き、届出書類に追われたり…。

投資家対応、資料作り、オペレーション、コンプライアンス…。

 

しかも、海外で運用を行うヘッジファンドになれば、もちろん英語のドキュメンテーションがベースになるし、シンガポールや香港の規制や税制、タックスヘイブンであるケイマン諸島(アジアのファンドはケイマン諸島籍が多いけれど、ルクセンブルグやバミューダ諸島、マン島、バージン諸島…)の規制なんかもちゃんと理解して対応しないといけない。

もちろんそれにはお金もいっぱいかかる。

 

ヘッジファンドを取り巻くビジネスとしては、

・プライム・ブローカー(PB、ヘッジファンドのパートナー的な存在。様々なアドバイスから、レバレッジの提供、貸株の提供など様々)

・カストディアン(ファンド資産の管理)

・法律事務所(設立や法務アドバイスなど)

・アドミニストレータ(第三者としてファンドの成績、時価の計算などを行う)

・トラスティ(信託。第三者として投資家の資産を保全する役割)

・監査法人(ファンドの監査や運用会社の監査)など様々ある。

もちろんそういった人達にサービスを受けるためには、それに見合う費用を支払わなければならない。

 

プロの投資家や大きな資金を預けてくれる富裕層に信頼してもらうためには、そういったパートナーについてもしっかりとしたところと組む必要があったりもして、それがまた安くない…。

でもヘッジファンドのマネージメント・フィー(運用管理報酬)やパフォーマンス・フィー(運用成果報酬)は下がる一方。

 

他人様からお金を預かって運用するということは、実はものすごく多くのことをしっかりとやらないと認められないものだったりする。

ちょっと運用に自信があるからといって、「儲けてあげるよ。」なんて安易な誘いで他人のお金を預かって運用するなんてありえない。

日本なら「投資運用業(一任、助言(助言の場合は最終的な投資判断を行うことは出来ない))」の取得が必須だし、シンガポールなら「FMC、RFMC」などを取得しなければならない。

特に個人投資家向けに販売しようとすると、投資家保護の観点から規制は一気に厳しくなり、その管理や対応にもかなりのコストがかかるし、制約も増えることになる。

 

ヘッジファンドが相場を仕掛けてどうのこうのとか、空売りがどうのこうのとよく言われるけど、日本株ヘッジファンドの多くはロング・ショートだったりする(日本人ではあまりないけど、「グローバル・マクロ戦略」とかだと、そう見える場合もあるかな)。

つまり「売り」ポジションに対する「買い」ポジションが存在しているわけで、相場観で思いっきり売りだけを仕掛けたりっていうことは、まぁほとんどありえない(取引所の開示基準も売りと買いでは違うしね。見えないところも沢山あるはずです)。

βニュートラルとか(基準に基づいて売り買いを均衡させてリスクをコントロールする)、それに近いことを明示しているファンドの方が圧倒的に多いし、投資家もその辺はきっちりと見てくる。

ポートフォリオを売り買いバランスさせて、相場の上げ下げでの影響を抑制しつつ、銘柄ピックアップのスキル(α)によって収益を上げる。

アクティブであっても、ベンチマーク対比でみることが多いロング・オンリー(下げ相場で損が出ても、ベンチマークを上回っていれば優秀)でもなく、ベンチマーク連動型のパッシブ運用でもない。

上げ相場でも、下げ相場でも、常にリターンを目指す運用を求められるのがヘッジファンド。

 

投資家によってもニーズは異なる。

ざっくりとした印象だけど、

日本国内の投資家はリスクを嫌い、低めのリターンでも安定を求める傾向が強い。

欧米の投資家は多少リスクをとっても、より高いリターンを求める傾向が強い。

ファミリーオフィスの資金とファンド・オブ・ファンズ、年金では求めるものも変わってくる。

投資したいと考えられる金額も実に様々。100億以下のヘッジファンドは海外の投資家には、まぁなかなか相手にもしてもらえない。

そんな風に投資家層の違いによっても様々な対応を迫られる。

 

「運用をビジネスとして行う」って実はすっごく面倒くさいことが多くて、大変なんです。

でもしっかりとそういったことをやって初めて投資家からお金を受託する資格を持つことが出来る。

それをしっかりとやってきた人達だからこそ、成功もしているし、見習うべきことも沢山ある。

昨晩の席で、素晴らしい成績を収めているヘッジファンドの方との会話。

 

「ファンド・ビジネスって結構地味で大変なこと多いですよね…。」

 

ホントそう思います…。

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プロフィール

tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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