【マーケット】スポンサード・アクセス?
市場機械化の落とし穴
日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO37554480Y8A101C1EA1000/
この記事を見てふと疑問に思った。
これって『スポンサード・アクセス』なの?
フラッシュ・クラッシュが起きた2009年頃に米国では相当問題視されてきた仕組み。
その辺のシステム周り、それに伴う規制状況って自分もよく理解はしていないけれど、そこが未整備のために発生した問題なら、これは大きな問題だと思う。
『DMA(ダイレクト・マーケット・アクセス)』
という仕組みは一般化されて久しい。
だいぶ昔なら、投資家は証券会社(ブローカー)に電話をかけて、注文を執行してもらっていた。
インフラ、ITの環境が整うにつれて、それがシステム化され、高速化していった。
『DMA端末』
と称される発注端末は今では顧客が手にし、その端末で発注行為を直に行うのが一般的だ。
それが証券会社(ブローカー)のサーバーを経由して、誤発注やコンプライアンス、諸々のチェック・プロセスを経て取引所へと電文が流れる。
広義では、個人投資家が使うネット証券の端末もDMAの一つといっていいだろう。
ただDMAは本来、証券会社(ブローカー)のインフラを経由するものであり、ブローカーの責務でもある取引参加者としてのリスク管理やコンプライアンス管理などを前提としたもの。
一方で、スポンサード・アクセスは、証券会社(ブローカー)のインフラを経由せず、投資家(HFT)が証券会社(ブローカー)から取引コードを借り受けて自身のシステム・インフラによって発注を行う形態。
スポンサード・アクセスは、少しでもレイテンシーを稼ぎたい(※発注速度を速めたい)HFTなどの要請によって増加したものの、ブローカーのシステムを経由しないために、ゲートキーパーとしてのチェック機能が働かず、問題が発生しやすい。かつては禁止すべきという議論も相当高まっていたと記憶している。
※ブローカーのサーバーを経由することでレイテンシーの増加要因となり、発注速度が落ちる。それを嫌うHFTなどは、直接市場に電文を流し、証券会社(ブローカー)にはドロップ・コピーを流すというやり方が多い…のかな?
欧州の規制であるMiFIDⅡでは、そういったサービスを提供するにあたり、証券会社(ブローカー)側の責任を明確にしている。
・顧客の取引に対する適切な監視
・市場の混乱を生じさせるような取引が発生しないようにリスク管理を行うこと
etc...
同規制では、取引所側にもDEA(ダイレクト・エレクトロニック・アクセス、DMAとスポンサード・アクセスを含んだもの)についての管理監督を行う旨、規制をかけている。
この辺、しばらく勉強してなかったから、現在の日本の市場がどういう体制になっているのかイマイチ分からないけれど、スポンサード・アクセスに対してある意味野放し状態になっていたのだとしたら、大きな問題だと思う。
ブローカーであるメリルリンチ証券の、顧客注文の管理監督責任。
規制当局や取引所が適切にDEAを管理監督できていたのか?
イチ投資家の行為によって市場が大きく混乱し、痛手を被った個人投資家も多数いたはず。
しっかりと原因を究明し、問題点と向き合い、規制・管理体制の在り方についてよく考えて欲しいと思う。
ま、自分もこの辺はここ何年も勉強したり、調べたりはしていないものだから、この理解で合ってるかどうかは…(^-^;
逆に詳しい方がいらっしゃったら教えてください。