【マーケット】何事もほどほどに…
先日、ファンド関係者と飲んでいて何度も聞いたこと。
「日本の株式市場がどんどん小さくなっている感じがある。湖だったものが池になったような…。」
まぁそう感じてもおかしくはないだろうな。
日銀の過剰な介入が招いた市場参加者が体感している実情なんだろう。
マクロ系のデカイところが動いただけで、過剰反応してしまうような市場の厚みのなさ。
株価変動の要因が、本当にファンダメンタルズに裏付けられたものとは言えない感覚。
需給要因のみで、不安定に乱高下しやすくなっている市場。
確かにボラティリティがあることは、収益機会にもつながるけれど、その変動の根拠があまりにも薄弱なものであれば、リスクとリターンとが見合わなくなる。
本来ならば、短期的にこれだけ値動きがあれば、短期運用者にとってはチャンスになるはずなんだけど、値動き自体があまりにも軽薄な印象があって、リスクばかり感じてしまう運用者も少なくないと思う。
「こんな市場じゃやってられない。」
という言葉もずいぶん聞くことが増えた気がする。
市場の価格形成能力や価格発見機能を歪めてしまったことは自覚しておいて欲しいものだ。
それが市場参加者の減少を招き、市場としての魅力を失わせる原因にもなりかねない。
経済をコントロールすることの道具として市場を使う。
ある程度ならばそれもいいだろうけれど、過度な市場への関与は市場の本質を歪め、魅力を失わせることにもなりかねない。
何事もほどほどに…。