【トレード】日計りについて②
前回とはちょっと違う内容です。
これからディーラーとして「日計り」をやっていこうという人に向けて、今でも変わらずに大事なことだと思うことを書いてみます。
「モグラたたきのモグラになった気分」
自分は現役の頃、そんな気分をよく味わっていました(笑)
日計りで、一ヶ月終えるまでの間って結構長いもんです。
その間に何度もリズムを崩しかけたり、落とし穴にはまったり、自分の悪い癖がつい出てしまったり…。
コツコツ丁寧にやっているはずが、たった一つのポカでドツボにハマる。
「コツコツドカン」
ってやつですね(^_^;)
日計りは、トレーディングスパンの長い運用手法に比べて、圧倒的に多くの回数の取引を繰り返します。
本で書いた「基本プロセス」を一ヶ月の間に数えきれないぐらい繰り返すんです。
情報収集・分析・判断にかける時間が少ない中で、決断を何度も何度もしなくてはならない。
だからミスも多くなる。
それこそ「負け方」や「メンタルコントロール」が大事になってくるんです。
新規で買って、それを売る。
一見、それでお終いと思うかもしれません。
でも、ひとつひとつのトレードは、それで完結しているわけじゃなかったりします。
新規で買って、それを投げる(損失で売る)。
「取り返したい」という感情が心の中に沸き起こるでしょう。
それが焦りにつながり、次のトレードに影響してしまう。
ロクに分析もせず、とにかく取り返そうと無駄に手を出す。
新規で買って、それを大きく利食う(大きな利益で売る)。
最高ですよね。
ムッチャ気分がいいはずです。
でもそれが落とし穴。
気が大きくなり、安易にポジションを取ってしまったり、過剰に大きなロットで売買するようになってしまう。
焦りや慢心。
直前のトレードが次のトレードに影響を及ぼすんです。
一つ一つのトレードは別のもののようでも、うまくいかなくなる伏線は、その前のトレードにあったりすることも少なくありません。
短期トレードこそ、メンタル・コントロールが難しく、そこをうまく出来ないと安定したトレードを続けることが難しいものはないかもしれません(システム的なトレードではない限り)。
大きな損失を出して苦しいとき、自分はポジション量を落とし、一歩ずつ取り返すことを心がけていました。
「早く楽になりたい」
と大きなポジションで一発で取り返しにいく…なんてギャンブルだけは自分には許さないようにしていました。
それをやってしまうと、運で救われることはあっても、どこかで退場させられてしまう。
相場は自分の都合では動いてはくれない。「損を取り返したい」というのはあくまでも自分の都合でしかありませんから。
そう自分に言い聞かせて、コツコツ取り返していても、どこかでミスをして、つまらないところでロスが出る。
ちょっと頭を出しかけては、上から思いきり叩かれる。
まさに「モグラたたきのモグラ」です。
すごく苦しいし、辛い。
そして焦りがまた生まれる。
でも焦ったままのトレードをしていたら、たまたま救われることはあっても、いずれどこかでボロが出る。
最後まで自分をコントロールしきらなければならない。
一ヶ月という期間を安定して乗り切ることって、そんなに簡単なことじゃない。
何度もミスをしながら、それでも次のトレードに影響を及ぼさないように自分と向き合い、コントロールしきらなければならない。
そのためにどういう方法を取るかは人それぞれかもしれません。
以前紹介した一日一日のトレードを、引け後にしっかりと振り返って、冷静な状態で、客観的に自分のトレードを見直すプロセスは、翌日にそれを引きずらないためにとても大切なことだったりします。
ディーラーって、一見派手なようでいて、実はそんな地道な努力も大切だったりするもんですよ。