【雑感】虎年の獅子座さん
今日のブログで虎年の獅子座さんに触れた。
彼についてちょっと質問をいただいた。
だいぶ前にも書いたかもしんないけど、若い世代の方々には馴染みのない人もいるだろうから、ちょっとだけ彼との関わりについて紹介させていただこうと思う。
1990年代。自分がこの世界に入ったばかりの頃。
そして『インターネット』という言葉すら真新しい未知のものに感じられた時代の話だ。
その頃から、虎年の獅子座でブログを書かれていた。某外資系証券のエクイティ部門でもかなりの立場になられた方。当時、その会社から流されていた『東京株式市場最前線』というメールレポートも彼が書いていた。
本当に市場をよく理解されている方で、若い自分にとっては本当に勉強になり、刺激にもなった。沢山の学びを与えてくれた方だった。
そんな彼と初めて会ったのは、有志で立ち上げたMarket Forumの第一回目だった2005年のこと。その頃には一丁前のディーラーにはなっていたはずの自分だけれど、ブログやメールレポートを通じて、一方的に尊敬し、先生と思っていた方と出会えてかなり舞い上がっていたかもしれない。
その場で、『ぜひこの活動を一緒にやってください!』と口説いた(笑)
業界振興、若い世代の人達に様々な人に出会い、広い視野を持って成長して欲しい。
そんな想いで立ち上げたMarket Forum。
そこから沢山の時間を共に過ごした。
初代理事長だった自分がシンガポールに渡ることになり、理事長を続けられなくなった時に後任を引き受けてくれたのも彼だった。
そしてヘッジファンドという未知の世界で不安だった自分に様々なことを教えてくれ、時には寄り添って共に働いてくれさえした。
『先生』と憧れた人。
沢山の学びを与えてくれた人。
出会えた時には既に癌との戦いをしていた。
そんな中でも沢山のことを教えてくれ、力を貸してくれた。時には先生として、時には同志として。
今は既に他界されているけれど、自分にとってはずっと変わらず先生であり、自分の生き方にも影響を与えてくれた人だと思う。
その日は弟さんと見送らせていただいた。
沢山泣いたな。
そんな彼が、当時SNSを毛嫌いしていた自分に、『それだけいろんな経験をし、色んなことを考えて、懸命に取り組んでいるのなら、それを発信していくべきだよ。』と諭してくれた。
ちょうどこのブログを始めたのはその頃。
自分が立ち上げたファンドを一緒にやってもらっていた時の話だ。
著名ブロガーになる気はさらさらなかったので、しょっちゅう更新サボっていたけど、はじめの頃はそれなりに頑張って書いてたんですよ(笑)
先日出版させていただいた本も、株を始めて一年目、二年目ぐらいの人を対象に書かせていただいた。そんな本を書いて欲しいと声をかけてくださった出版社さんに迷惑にならない程度には売れて欲しいとは思うけど、誰か一人でもいいからそれを通じて何か得られるものがあってくれたら、個人的には十分だったりする。
仕事やNPOでお世話になってる会社さんから依頼されてセミナー出たり、付き合いのあるキャスターさんや記者さんに依頼されてたまーにメディアに出ることもあるけど、それはあくまでもそれだけのこと。受けたからには何かちゃんと伝えられるものをとは思うけど、俺は所詮過去のディーラーに過ぎないのだから、伝えられることは限られる。
虎年の獅子座さんの教え。
自分が伝えてあげられるものがあるのなら、ただ伝えていけばいい。
誰か一人でもいい。それを読んで何かを受け取ってくれた人や、この世界に興味を持ってくれた人がいるなら十分だと。
お金のためでもなく、有名になるためでもなく。
本業はあくまで本業としてキッチリやる。
その背中を間近で見せてもらった者の一人として、彼がそうで在ったように、自分もそう在りたいと思う。
ちゃんとバトンを受け取れているかな?
色んなことがあって、何度もやめようと思ったし、昨年からはちょっと更新を控えていたけれど、このブログを見てこの世界に興味を持つ持ってくれたという若い世代の声を聞いて、もうちょっとだけちゃんとやってみようと思う。
何にしても、お金の世界のことだけど、そんな想いを持った人がいたのだということは知っておいて欲しいと思う。
そして誰かが次のバトンを受け取ってくれたら何よりも嬉しい。