【マーケット】日銀のETF買いについて
日銀のETF保有額が24兆円に上るという話。
東証一部の時価総額が638兆円。TOPIX(東証一部全銘柄)の浮動株比率考慮後の時価総額は395兆円になる。
浮動株比率考慮後の時価総額対比では6.06%もの保有シェアになる。
3月だけで8000億円も買った日銀。4月もすでに3営業日中2営業日買いを入れて1028億円のお買い上げ。
グラフは買い入れ額の累計(保有時価総額はさらに大きく24兆円程度)。
こんな調子で買い続けてたら株式市場壊れるぞ。
浮動株のすべてが日々流通しているわけではないし、こんな調子で買い続けていたら、いずれは株式市場の流動性に影響を与えて、セカンダリーマーケットの売買代金が伸び悩み、無駄にボラティリティが大きくなる。日銀ETF買いのインパクトがより強くなってしまって、相場観もへったくれもなくなりかねない。
「株価を買い支えなければならない」ような水準ではないのだし、どこかで限度をわきまえないと。
債券と違って償還があるわけじゃないし、どうやってそんな巨大なポジションを解消していくのやら、自分ごときでは出口は全く想像もできない。
やっぱり自分の常識からすれば、このETF買いは株式市場への実質的な直接介入だと感じる。だいぶ昔の話だけど、かつて持ち合い解消売りに株式市場が低迷していた時期に「日銀が銀行が保有する持ち合い株を一時的に引き取る」という報道が出たときに株式市場がどう反応し、その後どう動いたか、それを市場参加者がどう評価したか、そういったことを思い起こしたとき、中央銀行が株式市場に介入し続けるこの行為がどれだけ異常なことか…。それが日常となり、市場参加者の多くが日銀が入るかどうかを日々気にしているこの状況。
長い目でみて株式市場のためにはならないと思うんだが…。