【トレード】市場分析について-テクニカル分析①
市場分析については、キリがないほどやるべきことはあります。
そのどれも本来は必要で、でも全てを把握したから確実に勝てるというものでもない。かえって情報過多になり、自分の中で消化できていないとかえって判断ミスにもつながりかねない。
自分のトレード手法によっても市場分析のあるべきアプローチ、優先順位は変わってくる。
ファンダメンタルズ、ミクロ、マクロ、需給(短期・長期)、テクニカル…etc。
その辺をちょっと掘り下げてみたいと思います。
まずポイントになってくるのは、自分のトレーディング・スパン。
日計りなのか、スイングなのか、もっと長期の投資やロング・ショートなのか、どういうリターンを取りにいっているのかなどを整理しましょう。
それによって優先順位が変わってくるからです。
例えば日計りなどの短期ならチャートやテクニカルはより意味を持ちます。
板(注文状況)はかつてに比べるとそこから得られる情報はかなり少なくなり、難解になりました。手口非公開化や呼値適正化、市場の高速化、アルゴによる発注形態の複雑化が板による分析を困難にしました。かつては板の向こうに人の意志や思惑なんかも感じ取れたりしたものですが。
結果として『板読み』に依存していたディーラーの多くは淘汰されていきました。
一方で、チャートやテクニカルはそういったものの影響もあまり受けておらず、未だ『有効』です。ということで、まずはテクニカル分析手法について。
ただテクニカル分析手法は決して『万能』ではないということは頭の隅には置いておいた方がいいでしょう。
テクニカル・オタク的な人は、テクニカルを万能としたり、過信してしまったりしがちです。またあれやこれやと弄り倒したり、オリジナル指標的なものを作ってみたり、複雑化してしまう傾向があります。
まさに若い頃の自分がそうでしたから(笑)
でも色々と調べ倒し、研究してみたことはその後のトレードでとても有効でした。
1990年代。
まだパソコンの処理能力も低く、フロッピーディスクでガチャガチャデータのやり取りをしていた時代です。
若い自分は、情報端末から取れる限りの過去データを取り込み、毎日そのデータをアップデートし、プログラムを書いて、様々なテクニカ分析手法のバックテストや検証を行いました。パラメータのアレンジや、複数のテクニカ分析手法を使ってシグナルを出す仕組みを作ったり…。
先日ご紹介したFISCOの『展望』という週報では、コラムを書く前はテクニカル分析講座の連載をしていたりもしました。
2000年頃から4年半ぐらいかな。ニフティさんの株式サイトでは自分が開発したJAVAベースのチャート・アプレットを使ってもらっていた時期もあります。
だいぶテクニカル・オタクですね(^_^;)
でもそんな自分はテクニカルは多用していたものの、テクニカル通りにやれば儲かるとは考えていませんでした。またテクニカルが未来を予測する魔法の杖とも考えていませんでした。
テクニカルは客観的な分析を行うための一つの『道具』に過ぎないと考えていたのです。
そして道具には用途があり、向き不向きがある。
大切なことは、それぞれの道具を深く理解し、その用途・長所・短所を把握し、それらを適切に使いこなすことにあると思っていました。
市場は様々な要因で変動します。
今回のトランプ・リスクがトランプ・ラリーに変わることを予測なんて出来なかった。ほとんどの人がそうでしょう。テクニカルを使っても同じです(後講釈でシグナル出ていたものをいうのは出来るかもしれませんけど)。
ただそれぞれのテクニカル分析手法は、先人達が研究し、検証してきた成果の一つであり、それなりの根拠があります。そして値動きから計算されるそれらは市場の状況を客観的に推し測るうえで有用な道具になりえます。また見ている人が多いテクニカル分析手法は、そのチャート・ポイントでアクションを起こす人が多くなることもあって、より意味を持つ場合もあります。
次回は自分がどんなテクニカル分析手法を見てきたか、使ってきたかをご紹介します。