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【トレード】ヤラレについて考える②

ロスカットって知ってますか?(笑)

この世界にいるなら言葉としては知っていて当たり前の言葉。
でも中にはこいつロスカットって言葉知ってんのかなぁ?と首をかしげたくなるやつがいたりする。

【▲100万の評価損に耐えて、10万円の利益でした】

このトレードをどう思いますか?
『そんな評価損耐えて利益にしたんだからいい根性してる。』

もしそう感じるのなら、それはとても危険なことだと思う。

ポジションとって、エライ値幅引かされて評価損散々耐えておきながら、同値かちょっとの利食い程度ですぐに外してしまう。
結局、評価損に耐えて耐えて辛い思いをして、戻ってきたら早く楽になりたくて降りてしまった。
自分にはそういう風にしか見えない。

『こいつどういうリターンを取りにいって、あんな評価損耐えたんだ?全然、リスクとリターンのバランスが取れてないじゃないか。』

と自分は思う。
初めからそこまで引かされるリスクがあると覚悟した上でのポジションなら、もっと大きなリターンが見込めるから取ったはずのポジションのはず。
初めから10万円儲けるために100万円のリスクを覚悟していた訳ではないはず。

要するに想定外の動きをした時の想像が出来ていないから、ロスカットも決められずにポジションを取り、ただ意地になって突っ張っているだけ。そういうヤツは会社が決めたロスカットなどに達しでもしない限り、自分でブレーキが踏めなくなる。これだけディーラー見てきていると、そういうヤツも何人かいた。

自分でコントロール出来ていないから、会社に決められたロスカットまで簡単にいってしまう。それを勝負とか根性とかいう言葉で正当化してしまう。
ロスカットはここまでヤラレていいという金額ではなく、これ以上はヤラレてはいけないという金額なんだということを何度も言ってきた。そして自分は二十数年のディーラー人生で月間損失限度額に達したことは一度もない。
プロである以上、コントロールを完全に失ってしまうことだけは絶対にやってはいけない(少なくともそういう意識は持っておくべきだ)。

ロスカットは自分を守るためにも必要な手段だ。
どんな人でも必ず間違える時はある。
自分なんてしょっちゅう間違えてた(笑)
たとえ考え方は合っていたとしても、相場は時として合理性を失ったような動きをするときもある。それでも相場が正しくて、自分が間違いであると認めなければならない。
相場に対しては謙虚で在らなければいけない。

なかなか難しいことかもしれないが、出来る限りポジション・テイクの時にロスカットは決めておくこと。見通しが外れた場合に、負けを認めるべきポイントを決めておくことが大事。
それが出来ていれば、そこに達した時点でただそれを実行すればいい。

それが出来ていないと、見通しが外れて評価損が増えていく中で考えていかなければならなくなる。そのプロセスでは焦りや願望が生まれ、冷静な判断が出来なくなる。逡巡したり、躊躇している間に評価損は拡大し、切るに切れなくなる。そして長くて辛い時間を耐えに耐え(もしくは現実から目を背けて現実逃避してしまう)、もし株価が戻って救われたとしても早く楽になりたくて、最初のようなヤレヤレの利食いで終わってしまう。

一つ一つのトレードにおいて、リスクとリターンをしっかりと考えていくこと。200万円のリターンが見込めるなら100万円の評価損を耐える価値はあるかもしれない。
でも10万円のリターンのために100万円のリスクを抱え込んだのなら…それはあまりにも非合理的なトレードでしかない。
何度か相場に救われるかもしれないけれど、そんなトレードしている限り、結局数字は残らないし、どこかで消えていくだけのことになる。

相場に救われるトレードではなく

自分で自分をコントロールし
リスクとリターンをコントロールし
損益ですらコントロールする(思ったように利益を出すという意味ではないですよ)

そのためにもロスカットってとても大事なもの。
この勝負の世界で長く生き残りたいのなら、その大切さは理解しておくべきだろう。



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プロフィール

tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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