【トレード】相場はギャンブル?
前にこのブログで
『相場がギャンブルなのではなく、自分自身が相場をギャンブルにしてしまっている』
と書いた。
少し掘り下げてみたいと思う。
確かに相場にもギャンブルにも勝ち負けはある。
そこは共通点だろう。
だからといって自分はそれが同じだとは思わない。
ギャンブルだって様々だ。
より自分でコントロール出来る範囲が多ければ多いほど、それは洞察力、分析力、リスク・コントロール(掛け金の増減)といった巧拙の差が出てくる。要は単なる運任せではなくなるということだ。
相場においては自分でコントロール出来る範囲が非常に多い。いつ買ってもいいし、いつ売ってもいい。金額も自分で決められるし、買わなくたっていい。選択肢も沢山あるし、情報量も非常に多い。
確かに相場でリターンを求める以上、リスクは存在する。だからこそリスク・コントロールというものがとても重要になってくる。
要はそのリスク・コントロールを適切に行わず、夢ばかりを見て、その裏にあるリスクを直視出来ていなかった人が『相場はギャンブルだ』と言っているケースが多いような気がする。
『いくらまで上がりますよー』
『もっと大きく稼げます』
と美味しい話をする人。
『この銘柄はこういうリスクがあるから気をつけて』
『多分、しばらくは強いかもしれないけれど、こういうリスクがあるから気をつけて』
とある意味つまらない話をする人。
前者の人の話の方が興味を引くだろうし、どうせやるなら夢を見たいと思うかもしれない。それが商材屋的な人達の稼ぎの源泉になってなってるのかもしれない。また自分が先に買っておいて、誰か他人を煽ることでより値を上げて売り逃げるなんてヤツもいるかもしれない。一見、美味しい話には裏があるものだ。
後者の方は、『つまらないことをいうなぁ』とか『結論出すのを逃げてる』と感じてしまうかもしれない。でもそこにこそ本質がある。要はどんな人にだって100%相場を当てるなんてことは不可能なのだから。どこかに潜むリスクは必ずある。そこをちゃんと伝えることが大切なんだ。
2005年〜2006年に株ブームが起きた時、沢山の株についての本が書店に並んだ。
『○億円稼いだ』
『100万円を○億円にした』
派手な文句が並んでいた。
それは、嘘ではないかもしれない。
でもその中のどれだけの人が生き残っているか?
それを続けられている人がどれだけいるか?
自分は前日とあるネット証券の経営者の方とご一緒させていただく機会があった。
個人投資家の皆さんに、ちゃんとリスクと向き合ってもらって相場を長く楽しんで欲しいとおっしゃっていた。
そんな姿勢で取り組んでいらっしゃるのであれば、自分が出来ることはなんでもやらせていただきたいとすら感じられた。
人は派手な謳い文句や夢物語、景気のいい話に惹かれがちだ。
そしてお説教的なこと、詰まらない話、真面目な話には目を背けがちだ。
心理や感情としては当たり前のこと。
耳障りのいい話だけを聞いて夢を見ていた方が心地よいに決まっている。
でも…そういうものに流されがちな人はあまり相場には向かないだろう。そういう人の多くが夢ばかりを見て相場をギャンブルにしてしまうからだ。
ディーラーはプロだ。
いい相場だけ儲かればいいというものではない。
どんなに悪い相場でも、難しい相場でも勝ち続けることが仕事だ。
夢ばかりを見ていてはそんなことは出来はしない。
しっかりとそこに潜むリスクと向き合い、リスクから身を守る術を知る必要がある。
ボクシングなんかでも相手が弱ければ(楽な相手なら)大振りでKO狙いでも勝てるかもしれない。つまりバブル相場だ。でも相手が強ければガードを固めて守りながら、ジャブをしっかりと当てて判定勝ちにもっていく巧さも必要だろう(閑散相場)。見ててエキサイティングなのは一発KO狙いの前者だろうけど、勝率が高くより強い選手は後者だろう。多分、他のスポーツでも同じじゃないかな。派手なプレーを観客は喜ぶけれど、求められる勝利のためにはつまらない地味なプレーも必要になる。
本当に勝ち続けられる人、信頼できるコメントを出す人は、決して耳障りのいいことばかりを言いはしないだろう。
派手な売り文句や景気のいい言葉に踊らされたり、夢ばかりを見てしまわないようにして欲しい。
アナリスト、ストラテジスト、相場解説者と言われる人にも、当たった時だけ大騒ぎして、外したことはすっかり忘れてしまうずいぶんと都合のいい人が少なくない。
自分の名前を売ることや目を惹くコメント出すことにばかり注力し、相場の厳しさや怖さを伝えようとする人があまりにも少ない。
相場には必ず『リスク』が存在する。
そのリスクと向き合えたとき、相場はきっとギャンブルとは少し違うのだということを感じられるような気がする。
そういう意味ではこんなクソつまらないことばかり書いてるこのブログ読んでる人は、よほどの変わり者かもしれないですね(笑)
失礼(^_^;)