【トレード】向き合うべきもの②
自分は過去に月間損失で▲6400万円程度の損を二度ほど出したことがある(そのときの月間損失限度額は7000万円だったのでちゃんとブレーキはかけましたよ(^_^;))。
不思議と儲かったときのことよりヤラれたときのことの方がしっかりと覚えているものだ。だからつい負けたときのことばかり書いたり話したりすることが多い。
でもこう見えてちゃんと儲かってたんですよ(笑)
ま、儲けるのが仕事である以上、勝つのは当たり前のことで取り立てて記憶に残すようなものでもなかったのかもしれない。最大利益をワントレードで出したのとかはさすがに覚えてるけど…ポジション取ってケツ入れるまでずっと漫画読んでたとか(笑)
数あるヤラレの中で自分の記憶に最も強く残されているのはその▲6400万円もヤラレたときのことではなく、その半分程度のヤラレを出したときのことだ。
2003年12月。
その月は月初から調子が悪かった。
どこかリズムがかみ合わない。
いらないところで手が出てしまう。
引きつけが甘いというか、いつもならもう少し見極めて判断するところなのに、ちょっといけそうと思っただけで安易に手を出してしまう。
そしてロットも少し大きめ。
最初は『アレ?』という程度の感覚だった。
でもかみ合わないままズルズルとヤラレが増えていく。
ちょっと取り返してはガツンとヤラレる。
気づいてみれば▲1000万を超えていた。
『まぁ前月まで結構数字取れているし、この程度はね…。』
自分に対して言い聞かせるように
『切り替えろ、切り替えろ』
と頭の中で何度も繰り返していた。
それでもリズムは戻ってこない。
というよりも手を止められない。
マーケットとうまく向き合えていないにも関わらず手を出し続けていた。
そして月間の累積損失が▲1800万に達し、焦りは強くなる一方だった。
その当時与えられていた月間損失限度額は4000万円。
『まだ余裕がある。取り返せる。』
焦る自分に言い聞かせるようにしていたとき…
『サダム・フセイン捕縛』
というニューステロップが流れた。
『勝負どころだ!』
と一瞬で判断し手が動き始める。
先物をガッツリ買い、その当時出来高もありベータ値も高かった銀行株を複数銘柄まとめて買いにいく。
ほぼフルポジション。
そして相場は見込み通りに急速に値を上げていく。
みるみるうちに評価益が増えていく。
その日の引け前には▲1800万円超の損失が気づいてみれば▲300万円ぐらいまで減っていた。
『ヨッシャ!』
心の中でガッツポーズをしていた。
大引けにかけてどう行動するか。
『いくっきゃないだろ!』
先物はある程度の利益確定をし、ポジションをオーバーナイト枠の範囲まで調整はしたものの、許可されている範囲ではフルポジションを買い持ちのままその日の相場を終えた。
もちろんこんな金額をオーバーナイトすることはそれほどなかった。
しかも一方向に。
ドキドキしていた。
緊張感、不安、プレッシャー…。
『今夜は眠れないかな』
自宅に帰り欧州株の動きを見て、米国株の寄り付きを見る。
寄り付いた後、みるみるうちに米国株も急騰していく。
『勝った!』
これで明日は損失を全部取返してプラスに浮上できる。
明日はいい日になるだろう。
そして自分は疲れからかそのままデスクによりかかるように眠りについた。