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【ビジネス】ディーラーという仕事の変遷⑨

先日、『まだ地場証券のディーリングって残ってるとこあるんだ?』と言われたことを書いた。

ちゃんと頑張ってるところはまだいくつもある。

ここまで書いてきたように様々な要因で確かに絶滅危惧種と揶揄されるような時期もあったし、業界としては未だに決していい状況にあるとはいえない。

でも未来を切り拓こうと懸命に頑張っているディーラー達も沢山いるし、中には運用者としてとても高いポテンシャルを持ったやつもいる。
そして自分は今、マネジメントとして彼らと共に戦っている。

以前、
『ディーリング部長になった。』
と言ったら、
『管理になっちゃったんですね。』
と言われたことがある。

いつからだろうね、そんな風になってしまったのは。
部長は『管理』が仕事なんじゃない。
『管理』も仕事だけれど、もっと沢山のやるべき事がある。
最前線で戦っているディーラー達のために汗をかき、必死に考え、その道を切り拓いてやる。
ディーラー達を守るためには『管理』も大切だ。
市場や会社のルールを守らせ、コンプライアンスを守らせること。それは彼らを守るために必要なことだ。つまらないことで未来が閉ざされることのないように。でもそれだけでは足りない。
未来の絵を描き、彼らがそこに夢を持てるようにしていくこと。
それこそがマネジメントのやるべき仕事なんだと思っている。

これまでのような変遷を予測し、対応していける環境を作ること。それが十分ではなかったのは確かだ。
でもこれからの変遷を予測し、対応していける環境を作り、より可能性を広げていくことは出来るかもしれない。
それが自分のようなマネジメントが担うべき責任だと思う。

おそらくこれから十年先、『地場証券のディーリング』というものは残っていないかもしれない。それは消えていくというのではなく、形を変えてその存在を示していくことになるだろう。

トランプ氏が次期大統領になることで多少流れが変わる可能性はあるが、ドットフランク法、ボルカールールの影響でグローバルに展開する金融機関は自己勘定取引(プロップ・トレーディング)がほとんど出来なくなっている。
アクティブな運用の世界にチャレンジ出来る場所はこの国ではごく限られる。
この場所を守り抜き、夢を追える場所にすることが、未来の運用者達のためにも必要なんだと思う。

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プロフィール

tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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