【マーケット】SQ今昔物語①
今日はメジャーSQでしたね。
3ヶ月に一度のお祭りっちゃあお祭りですが…現在と昔とでは色々と変化していたりもします。
SQの昔話などしながら、派生の基本的なことをちょっとだけ書いてみます。
自分が入社したのは1990年代前半。
新入社員で配属されたのがいきなり先物オプション課というデリバティブのチームでした。
基本的に自分はオプションのディーラーをやれと言われて取り組んでいたのですが、そのチームでは裁定取引(先物と原資産、例えば日経平均先物と日経平均採用銘柄の現物バスケットのサヤ取り)を行っていて、それもよく手伝っていました。
当時はまだシステム銘柄と立会場銘柄とに分かれていて、システムに流せる銘柄と場立ちが駆け回って注文入れないといけない銘柄があったりしました。今、考えるとすごいアナログな時代です。
日経平均採用銘柄(日経225と言われるように225銘柄)のバスケットを一括発注する。今でこそ一瞬ですけど、当時は超どんくさい(笑)
チーフ(もしくは裁定取引担当者)が一瞬のチャンスを逃さないようにマーケット見ながらここというところで『Go』と声を発する。
アシスタントがEnterキー押下して、セットされている8インチのフロッピーディスク(黒い薄っぺらいケースに入ってる)が動き始めて、ガチャッガチャッと注文が流れていく。
そして約定も(今思えば)どんくさく返ってくる。それをアシスタントがExcelかLotus123のスプレッドシートに手入力していって指数としていくらで仕上がったのかを確認する。
裁定取引に使っているシステムも各社各様で、この会社は後ろから入れてくる(多かったのは1301から順番に9000番台に向けて流されていたけど、その逆に入れてくる)とか、それを目視で追えちゃった時代でした。しかも板(注文状況を示す画面)を叩くと手口がリアルタイムに見れたので、○○証券が買ってきた、売ってきたなんてのも分かりました。それを毎日追っていると各社の担当者のクセとかタイミングもなんとなく分かるようになってきたりしたものです。
裁定買いが入った瞬間にチーフから「今買ったのどこ?」と聞かれてすかさず答えられないとムッチャ怒られましたね(^^;
その時代は毎日手口を集計し、各社のポジション状況を分析する。
先物、オプション、そしてプログラム売買報告書(これは今でも取引所が公開しています)。
http://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/program/index.html
そして各社のポジション状況からSQに向けてその動向を探る。
引け後に毎日FAXで送られてくる手口情報を先物もオプションも手入力していたのを覚えています。大変でした…。
その時代は外資系や大手証券だけではなく、地場証券でも結構裁定取引やっていました。
80年代後半に先物という商品が導入され(1987年株先50(1992年に休止)、1988年9月日経平均先物、TOPIX先物)、ソロモン・ブラザーズが荒稼ぎした時代がありました(その頃はまだ自分は学生)。
それを見て『裁定取引ってそんなにおいしいのか!?』と日系各社も積極的に裁定取引を始めた。
当時は相当おいしかったらしいですよ。
聞いた話ですが、裁定買い(日経平均先物売り、同現物バスケット買い)入れたら数百円(最大では800円以上も)開いていたこともあったらしいです。
3ヶ月毎のメジャーSQでは必ず同じ値段に集約されるはずなのにそんなに値段がかい離する。そりゃおいしいですよね。普通に相場張って数百円抜くのは結構リスクも我慢も時間も必要です。それを売り買い同時に入れて出来上がり待てば抜けるんですから。
当時の相場解説者曰く…『先高感から先物が高い』だったそうです(笑)
先物の計算式、理論価格やらを全然理解している人が少なかった時代。
そんな時代に自分はこの世界に飛び込み、そのど真ん中ともいうべき部署に配属されたのです。