【ビジネス】ダークプールとは?
一時期はHFT。
最近はダークプール(インターナル・クロッシング)。
一部のメディアがスケープゴートにしたがっている。
昨日あまりにも間違えた理解を元に記事が出ていたので自分の知っている範囲のこと、考察を書く。
確かに米国で問題になり、訴訟なども起きた。
見えにくい部分やグレーな部分もある。
日本でも外資系証券の多くがダークプールを持ち、最近では銀行系証券でもシステムベンダーが提供するダークプールを活用し始めたところもある。
ゴールドマンサックスはSigmaX。
クレディスイスならCrossFinder。
モルガンスタンレーならMS Pool。
メリルリンチやUBSも。
さらに最近ではダークプール・アグリゲーターなんてものも出てきている。
そういったものの存在自体にはなんの問題もない。
取引所外取引にはもう一つPTSがある(米国ではATSと呼ばれるのが一般的)。
日本にはChi-XとSBI Japannextの二社のみ(一時はもっとあったのに減少してしまった)。
そして日本での取引所外取引のシェアは残念ながら未発達というべき水準にとどまっている。
本質的には…
それらは市場参加者に利便性を提供し、執行コストの低減(より優位な価格での執行(取引所よりも呼値が小さく手前の価格で約定出来る)、流動性の補完、場口銭がかからないか取引所より安い)を提供するものだ。
ただ市場が複雑化し、高速化してきたことでいくつもの問題が出てきた。
必ずしも顧客の利益につながらない場合が目立つようになった。
取引所より優位な価格で執行できない場合もまれにあるし、そこで約定したために「先回り」されるような場合も出てきた(レイテンシー・アービトラージであってフロント・ランニングではない)。それらはわずかな隙間を超高速な環境を利用して抜け目なく取るHFTなどがその一因とはいえるかもしれない。
だから最近ではクセの悪いHFTの注文は入れないようにしているなんて話もあるぐらいだ。
日本の場合、2010年3月の指針の一部改定以降はダークプールについては基本的にToSTNeTに回送される。少なくとも完全にダークではなく、価格や株数は可視化されている。実態も把握しやすい。
確かに保護されていない面も多いため、裏で何やられてるか分からないと感じることはあるだろう。
米国では訴訟まで起きている。
機関投資家などのフローを利用して利益を得ようとする輩がいたときにそれを発見し、処罰、排除出来るのかどうか?
将来的に問題が起きないとは断言できない。
でも怪しげなものと決めつけて、その存在意義まで否定するのは大間違いだ。
課題とすべきはそれらの運営が健全であり、特定の者ではなく多くの市場参加者にとって有用かつ誠実に運営されているかだ。
HFTもそうだが、よく理解も出来ていないのにプロであるメディアの人間が間違った伝えかたをしてレッテルを貼り、存在自体を否定しようとする。
否定するのならちゃんとした理解のうえで、その問題点や課題を議論すべきだと思う。
最近はダークプール(インターナル・クロッシング)。
一部のメディアがスケープゴートにしたがっている。
昨日あまりにも間違えた理解を元に記事が出ていたので自分の知っている範囲のこと、考察を書く。
確かに米国で問題になり、訴訟なども起きた。
見えにくい部分やグレーな部分もある。
日本でも外資系証券の多くがダークプールを持ち、最近では銀行系証券でもシステムベンダーが提供するダークプールを活用し始めたところもある。
ゴールドマンサックスはSigmaX。
クレディスイスならCrossFinder。
モルガンスタンレーならMS Pool。
メリルリンチやUBSも。
さらに最近ではダークプール・アグリゲーターなんてものも出てきている。
そういったものの存在自体にはなんの問題もない。
取引所外取引にはもう一つPTSがある(米国ではATSと呼ばれるのが一般的)。
日本にはChi-XとSBI Japannextの二社のみ(一時はもっとあったのに減少してしまった)。
そして日本での取引所外取引のシェアは残念ながら未発達というべき水準にとどまっている。
本質的には…
それらは市場参加者に利便性を提供し、執行コストの低減(より優位な価格での執行(取引所よりも呼値が小さく手前の価格で約定出来る)、流動性の補完、場口銭がかからないか取引所より安い)を提供するものだ。
ただ市場が複雑化し、高速化してきたことでいくつもの問題が出てきた。
必ずしも顧客の利益につながらない場合が目立つようになった。
取引所より優位な価格で執行できない場合もまれにあるし、そこで約定したために「先回り」されるような場合も出てきた(レイテンシー・アービトラージであってフロント・ランニングではない)。それらはわずかな隙間を超高速な環境を利用して抜け目なく取るHFTなどがその一因とはいえるかもしれない。
だから最近ではクセの悪いHFTの注文は入れないようにしているなんて話もあるぐらいだ。
日本の場合、2010年3月の指針の一部改定以降はダークプールについては基本的にToSTNeTに回送される。少なくとも完全にダークではなく、価格や株数は可視化されている。実態も把握しやすい。
確かに保護されていない面も多いため、裏で何やられてるか分からないと感じることはあるだろう。
米国では訴訟まで起きている。
機関投資家などのフローを利用して利益を得ようとする輩がいたときにそれを発見し、処罰、排除出来るのかどうか?
将来的に問題が起きないとは断言できない。
でも怪しげなものと決めつけて、その存在意義まで否定するのは大間違いだ。
課題とすべきはそれらの運営が健全であり、特定の者ではなく多くの市場参加者にとって有用かつ誠実に運営されているかだ。
HFTもそうだが、よく理解も出来ていないのにプロであるメディアの人間が間違った伝えかたをしてレッテルを貼り、存在自体を否定しようとする。
否定するのならちゃんとした理解のうえで、その問題点や課題を議論すべきだと思う。