FC2ブログ

【ビジネス】残念なこと

自分は今ディーリング部長として様々な取り組みをしている。
その中でも大切に思っているのが人を育てるということ。
お金もなく、経験もない、でも運用の世界を志す若い人材にそのチャンスを作っていきたいという思いがある。
二十数年前の自分がそうだったように。
まだ人数は少ないけれど、入ったばかりの若手の成長も楽しみになってきた。
また拠点の増設も含めてディーリング部門の拡大も進めていることもあり、最近では連日のように履歴書が送られてくる。経験者も未経験者も含めて。

出来るだけ多くの人材にチャンスを作っていきたいと思う。
でも限られたリソースである以上、誰にでもというわけにはいかない。
一人一人の履歴書、そこに書かれている言葉、トラックレコードを真剣に見て、考え、悩む。
一人一人の人生に関わることだから、とことん考える。
信頼できるメンバーの意見も聞きながら偏った判断をしないように心がけながら。
どんなに忙しくても送られてきた履歴書や書類を読むときは集中する。

でも少し残念なことがある。
特に経験者だけど、トラックレコードに「嘘」がある人がいる。
その「嘘」はすぐにばれるよ。
そんな残念な「嘘」はつかないで欲しい。

ディーラーであれ、ファンドマネージャーであれ、「人のお金を預かりリスクをとって運用する仕事」ってそんな甘いもんじゃない。
ディーラーにとって、そのトラックレコードは自分自身が歩いてきた道。
それがどんな結果であっても、失敗も含めてそれが自分自身の努力・力量の結果だ。

そこに「嘘」をつく。
あなたは自分自身を否定しているよ。
そこに「嘘」をつく。
あなたは懸命にこの仕事をしているみんなを馬鹿にしているよ。
そこに「嘘」をつく。
あなたに人のお金を預かる資格はないよ。

どんな成功も、どんな失敗もすべては自分自身が懸命に取り組んだ結果のはず。
そこに嘘だけはつかないで欲しい。
出来ていないことも含めて自分なのだから。
それを認めたうえでチャンスを望むことと、力もないのに嘘をついてチャンスを得ようとすることはあまりにも違う。

人のお金を預かりリスクをとるという仕事。
それだけ責任も大きければ、覚悟も必要だ。
そんなつまらない「嘘」をつくぐらいならこの道は諦めなさい。
そんな「嘘」をつくような人にお金を預けたいと思う人はいないのだから。
そして胸を張って正直にできる仕事をみつけなさい。

自分もこのブログで過去に月間で▲6400万程度の損失を出してきたと何度か書いてきた。
どれだけ利益を上げたかはブログではあんまり書かないけど(笑)
そしてどの会社を受けるときも、投資家と話すときもその全てをさらけ出してきた。
それが自分自身のすべてなのだから。

履歴書を送ってくれる人は真剣なのだと思っている。
だからこそそれを読むこちらも真剣に読もうと思っている。
そこにそんな情けない「嘘」は書かないでほしい。

コメントの投稿

非公開コメント

無題

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
記事楽しみにしてます。

ディーラーの人たちの成績は
だいたいどれぐらいなのでしょうか?
私はFXを主にやっているのですが
どれぐらいのレコードを出せたらば
採用されますか?

Re:無題

>tradeさん

会社にもよりますし、時期によってもだいぶ違いますね。運用資金も個人によってかなり差がありますから。
最低ラインは月100万程度でしょうか。
自分は若手の頃に月1000万稼げればようやく一人前だと言われて育ちましたが、今は月に1000万以上を安定的に稼げる人は少ないと思います。
ピークは2005年前後で月に億以上稼ぐプレーヤーもいましたね。
採用となるとなんとも…。
運用資産規模によっても違いますしね。
個人のときの実績がどれだけ信用してもらえるかという問題もあります。
ディーラーがヘッジファンドにいったときに同じように言われますが。

無題

返信ありがとうございます。
月100万といいますと
月利10%ぐらいですか?

Re:無題

>tradeさん
そこまで利回りは高くないですよ(笑)
もちろん人によりますが。

アメブロって楽しいですよね♪

他の方の記事を見るのは色んな面で勉強になりますよね!?
次の更新も待ってます。
読者申請させて頂いても良いですか?
プロフィール

tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR