【ビジネス】誰のための取引時間延長なの?
「東証、「夜間取引」から「夕方取引」へ方向転換か?
http://www.nikkei.com/markets/kabu/marketsnews.aspx?g=DGXLASFL29H9C_29102014000000&dg=1
この記事をみて正直情けなくなりました。
誰のための時間延長論議だったのでしょうか?
本来、こういった市場の制度変更などは「市場参加者」のためであるべきもの。
15時~17時って誰のためなの?
どうせまた香港とかシンガポールとかアジアから日本株やってる人にはメリットがあるとか言うのだろうけど、そもそも一時間の時差がそれほど大きな負担になりますかね?それでこれまで日本株に見向きもしなかった投資家が取引するようになるほどのことでしょうか?
自分もシンガポールで取引していたときは日本時間に合わせて起きて取引するのが日常でした。その頃、どちらかといえば朝一時間遅くして欲しいとは思ったけど、もし大引けを伸ばされて、朝早くから来ているのにただ勤務時間長くされるのは勘弁して欲しいところですね。
どう考えても「アジアからの取引のため」という主張は「取引時間延長」のためのこじつけに聞こえてしまいます。
サラリーマンなどの兼業トレーダーの方が参加しやすい時間帯の夜間取引。
「相場は夜動く」ことが多くなってしまった日本の市場。欧米市場が動く時間帯、海外ニュース、経済統計などの変動に市場参加者が対応出来るようにするための「夜間取引」じゃなかったんですかね?
決算発表が15時に集中しがちな日本企業。それによって株価が海外市場やPTSで夜間に動いてしまう。確かに17時までやればそれは取引機会を市場参加者に与えることにはなるかもしれない。でもそれならそもそも決算発表の時間を流動性のある取引時間中に指導・要請すべきでしょう。
ただ今回の「夕方市場」は取引時間を延ばすという東証側の都合だけで、本当に市場参加者の声を聞いているとは思えなくなる話です。
夕方までザラ場(その日の約定)を続ければ、バックオフィスや決済業務に関わる人達は当然残業。清算機関の処理時刻も夕方にズレ込む。当然、朝から毎日残業させれば労働基準法に引っかかるからシフト制、交代制が必要になる。仲介者である証券会社やバックオフィスベンダーの負担が増えるのは同じことです。
でも仲介業者である証券会社がただ負担が大きいと反対するのもおかしい。
顧客である市場参加者にニーズがあるかどうかでしょう。
市場参加者の声を聞き、そこに向き合って市場運営をしていかなれば証券市場は廃れていってしまう。
「呼値適正化」も一部のバイサイドにはメリットがあったと思いますが、個人投資家、ディーラー、HFTでさえもネガティヴだった。シェアを伸ばしてきたPTSへの対抗策にしか感じられないのです。
取引所は株式会社化されても公の利益を無視してはいけない。
「取引所の都合」が「市場参加者の利益」に優先されてはいけない。
どこか頭だけ理屈だけでアレコレとやっている印象が拭えないのです。
なんのための「取引時間延長なのか?」「誰のための取引時間延長なのか?」。実際に市場参加者の立場に立って考えて欲しいと思います。
そのうえで本当に市場参加者のニーズがそこにあるのなら「夜間取引」やりきればいいのではないでしょうか?そして仲介業者である証券会社は対応したくなければしなければいい。でもそこに市場参加者のニーズがあったなら、対応してくれる証券会社に顧客は口座を移すだけでしょうから。
http://www.nikkei.com/markets/kabu/marketsnews.aspx?g=DGXLASFL29H9C_29102014000000&dg=1
この記事をみて正直情けなくなりました。
誰のための時間延長論議だったのでしょうか?
本来、こういった市場の制度変更などは「市場参加者」のためであるべきもの。
15時~17時って誰のためなの?
どうせまた香港とかシンガポールとかアジアから日本株やってる人にはメリットがあるとか言うのだろうけど、そもそも一時間の時差がそれほど大きな負担になりますかね?それでこれまで日本株に見向きもしなかった投資家が取引するようになるほどのことでしょうか?
自分もシンガポールで取引していたときは日本時間に合わせて起きて取引するのが日常でした。その頃、どちらかといえば朝一時間遅くして欲しいとは思ったけど、もし大引けを伸ばされて、朝早くから来ているのにただ勤務時間長くされるのは勘弁して欲しいところですね。
どう考えても「アジアからの取引のため」という主張は「取引時間延長」のためのこじつけに聞こえてしまいます。
サラリーマンなどの兼業トレーダーの方が参加しやすい時間帯の夜間取引。
「相場は夜動く」ことが多くなってしまった日本の市場。欧米市場が動く時間帯、海外ニュース、経済統計などの変動に市場参加者が対応出来るようにするための「夜間取引」じゃなかったんですかね?
決算発表が15時に集中しがちな日本企業。それによって株価が海外市場やPTSで夜間に動いてしまう。確かに17時までやればそれは取引機会を市場参加者に与えることにはなるかもしれない。でもそれならそもそも決算発表の時間を流動性のある取引時間中に指導・要請すべきでしょう。
ただ今回の「夕方市場」は取引時間を延ばすという東証側の都合だけで、本当に市場参加者の声を聞いているとは思えなくなる話です。
夕方までザラ場(その日の約定)を続ければ、バックオフィスや決済業務に関わる人達は当然残業。清算機関の処理時刻も夕方にズレ込む。当然、朝から毎日残業させれば労働基準法に引っかかるからシフト制、交代制が必要になる。仲介者である証券会社やバックオフィスベンダーの負担が増えるのは同じことです。
でも仲介業者である証券会社がただ負担が大きいと反対するのもおかしい。
顧客である市場参加者にニーズがあるかどうかでしょう。
市場参加者の声を聞き、そこに向き合って市場運営をしていかなれば証券市場は廃れていってしまう。
「呼値適正化」も一部のバイサイドにはメリットがあったと思いますが、個人投資家、ディーラー、HFTでさえもネガティヴだった。シェアを伸ばしてきたPTSへの対抗策にしか感じられないのです。
取引所は株式会社化されても公の利益を無視してはいけない。
「取引所の都合」が「市場参加者の利益」に優先されてはいけない。
どこか頭だけ理屈だけでアレコレとやっている印象が拭えないのです。
なんのための「取引時間延長なのか?」「誰のための取引時間延長なのか?」。実際に市場参加者の立場に立って考えて欲しいと思います。
そのうえで本当に市場参加者のニーズがそこにあるのなら「夜間取引」やりきればいいのではないでしょうか?そして仲介業者である証券会社は対応したくなければしなければいい。でもそこに市場参加者のニーズがあったなら、対応してくれる証券会社に顧客は口座を移すだけでしょうから。