【トレード】時代の変化
2010年1月4日にアローヘッドが稼働しました。
そこから日本の株式市場の景色は大きく変わっていきます。
HFT(超高頻度取引)と呼ばれる市場参加者の台頭。
そしてより高速な取引環境を提供するサービスであるコロケーションやブロキシミティの拡大。
それまでの国内証券取引所のシステムは酷いものでした。すぐに固まるし、遅延もしょっちゅう。
大証のシステムは一昔前(機械受注統計が14時発表だった頃)、注文が殺到するとすぐに固まって遅延。自分の注文が約定しているのか?取消が出来ているのか?すら分からない状態が数分続くこともありました。東証TOPIX先物は15時ちょうどに数百枚の注文をわざと1枚に分割して発注し、意図的に遅延を引き起こしているヤツもいたぐらいです。
そんな鈍臭い取引システムではどんなに高速なインフラや処理速度を持つサーバー、ルーターを持っていても無用の長物。実はその鈍臭い取引システムがHFTの参入障壁になっていたのです。
それがアローヘッド、J-GATEの稼働により様変わりします。取引所サーバーの処理能力が飛躍的に向上し、ようやく参入環境が整った日本の証券市場にHFTが一気に入り込んできたのです。
そしてその環境変化は板を目視かつ手動で日計り、板張りをするデイ・トレーダーや証券ディーラー達を直撃しました。
今までは取れていた指値を取れなくなり、高速に変化する板についていけなくなる。そして収益は著しく悪化していったのです。
地場証券のマネジメントもディーラーも多くはアローヘッドやHFTを批難しました。そのせいで儲からなくなったと。そしてその変化を悪と決めつけたのです。
自分はなんとなく幕末の日本を見ているような気がしていました。
「尊王攘夷」を合言葉に外国人を排除しようとするチョンマゲに刀を差した侍達。
そのせいで儲からなくなったという言葉にどこか違和感を感じていたのです。
米国でHFTのシェアが最大だった年っていつか知ってますか?
2009年です。
アローヘッドが稼働する前の年なんです。
2000年代後半に欧米市場で起きていることを知る努力をしていれば、アローヘッド稼働でどんな変化が市場に生じるかは容易に理解できたはずなんです。
その市場の変化にどう立ち向かっていけばいいのか?
地場証券のディーラーとマネジメントが共に考え、そのための努力や取り組みが出来ていた会社はごくわずかです。
アローヘッド以前と変わらずマネジメントは日計りを求め、オーバーナイト・ポジションに制約をかけ続けた。月100万とか200万とか稼げればいい、でもマイナスを出すなと制約をかける。その中でディーラーが取れる選択肢は恐ろしく少ない。結果として市場の変化に適応出来ず、多くの中小証券のディーリング部門が閉鎖や撤退、縮小に追い込まれました。
アローヘッドが稼働し、取引所の執行能力が向上することは「いいこと」です。注文が殺到する度に固まるシステムよりずーっとマシですよね(笑)
テクノロジーの進歩を否定し、それについていけないからといってそれを否定していたのでは思考停止です。
HFTはそのテクノロジーの最先端を走っています。そこに知識や技術、資金を投じています。
本来、それらは悪ではありません。
ただ一部にその環境優位性を悪用しようとするものや価格の透明性を損なうもの、売買のロジックが悪質なものが存在している可能性は高いでしょう。
問題はそれらの全容を把握し、一般の投資家と同じように監督・監視出来る体制がこの国に存在しないということなのです。
また話がそれてしまいましたが…(^_^;)
その環境変化を否定して、そのせいで儲からなくなったといっている限り、我々は絶滅危惧種です。
その変化の中で機能する運用ストラテジー(戦略)を再構築し、勝ち抜くことこそが我々が目指すべきものなのだと思います。そのためにマネジメントはディーラー達への制約を可能な限り排除し、ディーラー一人ひとりが勝つための取り組みを柔軟に出来る環境を作る。そしてディーラー達自身が勝ち抜くための努力をしていくこと。
自分達の世代、環境優位性を持っていたのは我々ディーラーでした。
市場にはいくつもの歪みや隙間があり、収益機会も沢山ありました。ある意味勝てて当然だったかもしれません。
今の時代に勝てているディーラー達は大したものだと思います。
環境が劣後していても勝つことが出来る。そんな後輩達を誇らしくも思います。
彼らと共に考え、新しい時代に勝ち抜ける戦い方を見つけ出していくこと。
マネジメントとディーラーが一丸となることが最初の一歩です。ただ「管理」のためだけのマネジメントではこれからの時代に立ち向かっていくことはできないでしょう。
「これからの運用がどうあるべきなのか?」を共に学び、研究し、考え、戦い抜くことが今必要なのだと思うのです。
そこから日本の株式市場の景色は大きく変わっていきます。
HFT(超高頻度取引)と呼ばれる市場参加者の台頭。
そしてより高速な取引環境を提供するサービスであるコロケーションやブロキシミティの拡大。
それまでの国内証券取引所のシステムは酷いものでした。すぐに固まるし、遅延もしょっちゅう。
大証のシステムは一昔前(機械受注統計が14時発表だった頃)、注文が殺到するとすぐに固まって遅延。自分の注文が約定しているのか?取消が出来ているのか?すら分からない状態が数分続くこともありました。東証TOPIX先物は15時ちょうどに数百枚の注文をわざと1枚に分割して発注し、意図的に遅延を引き起こしているヤツもいたぐらいです。
そんな鈍臭い取引システムではどんなに高速なインフラや処理速度を持つサーバー、ルーターを持っていても無用の長物。実はその鈍臭い取引システムがHFTの参入障壁になっていたのです。
それがアローヘッド、J-GATEの稼働により様変わりします。取引所サーバーの処理能力が飛躍的に向上し、ようやく参入環境が整った日本の証券市場にHFTが一気に入り込んできたのです。
そしてその環境変化は板を目視かつ手動で日計り、板張りをするデイ・トレーダーや証券ディーラー達を直撃しました。
今までは取れていた指値を取れなくなり、高速に変化する板についていけなくなる。そして収益は著しく悪化していったのです。
地場証券のマネジメントもディーラーも多くはアローヘッドやHFTを批難しました。そのせいで儲からなくなったと。そしてその変化を悪と決めつけたのです。
自分はなんとなく幕末の日本を見ているような気がしていました。
「尊王攘夷」を合言葉に外国人を排除しようとするチョンマゲに刀を差した侍達。
そのせいで儲からなくなったという言葉にどこか違和感を感じていたのです。
米国でHFTのシェアが最大だった年っていつか知ってますか?
2009年です。
アローヘッドが稼働する前の年なんです。
2000年代後半に欧米市場で起きていることを知る努力をしていれば、アローヘッド稼働でどんな変化が市場に生じるかは容易に理解できたはずなんです。
その市場の変化にどう立ち向かっていけばいいのか?
地場証券のディーラーとマネジメントが共に考え、そのための努力や取り組みが出来ていた会社はごくわずかです。
アローヘッド以前と変わらずマネジメントは日計りを求め、オーバーナイト・ポジションに制約をかけ続けた。月100万とか200万とか稼げればいい、でもマイナスを出すなと制約をかける。その中でディーラーが取れる選択肢は恐ろしく少ない。結果として市場の変化に適応出来ず、多くの中小証券のディーリング部門が閉鎖や撤退、縮小に追い込まれました。
アローヘッドが稼働し、取引所の執行能力が向上することは「いいこと」です。注文が殺到する度に固まるシステムよりずーっとマシですよね(笑)
テクノロジーの進歩を否定し、それについていけないからといってそれを否定していたのでは思考停止です。
HFTはそのテクノロジーの最先端を走っています。そこに知識や技術、資金を投じています。
本来、それらは悪ではありません。
ただ一部にその環境優位性を悪用しようとするものや価格の透明性を損なうもの、売買のロジックが悪質なものが存在している可能性は高いでしょう。
問題はそれらの全容を把握し、一般の投資家と同じように監督・監視出来る体制がこの国に存在しないということなのです。
また話がそれてしまいましたが…(^_^;)
その環境変化を否定して、そのせいで儲からなくなったといっている限り、我々は絶滅危惧種です。
その変化の中で機能する運用ストラテジー(戦略)を再構築し、勝ち抜くことこそが我々が目指すべきものなのだと思います。そのためにマネジメントはディーラー達への制約を可能な限り排除し、ディーラー一人ひとりが勝つための取り組みを柔軟に出来る環境を作る。そしてディーラー達自身が勝ち抜くための努力をしていくこと。
自分達の世代、環境優位性を持っていたのは我々ディーラーでした。
市場にはいくつもの歪みや隙間があり、収益機会も沢山ありました。ある意味勝てて当然だったかもしれません。
今の時代に勝てているディーラー達は大したものだと思います。
環境が劣後していても勝つことが出来る。そんな後輩達を誇らしくも思います。
彼らと共に考え、新しい時代に勝ち抜ける戦い方を見つけ出していくこと。
マネジメントとディーラーが一丸となることが最初の一歩です。ただ「管理」のためだけのマネジメントではこれからの時代に立ち向かっていくことはできないでしょう。
「これからの運用がどうあるべきなのか?」を共に学び、研究し、考え、戦い抜くことが今必要なのだと思うのです。