【市場雑感】外国人投資家の売り
しかし、ここにきて外国人投資家の売りがどうのという記事が増えてきている。さらにアベノミクスへの期待が後退しているそうだ。
そもそも11月8日の14000円レベルからの急伸劇はかなり投機的な買いだった。報道でも出ていたようにブレバン・ハワードやら何やらかなりアクティブなヘッジファンドの投機性の高い資金による上昇であった可能性が高い。
あの上昇がアベノミクスへの期待の高まりやファンダメンタルズの好転などの裏づけのあるものならともかく、米国で金融緩和縮小が始まったあのタイミングで極端な買いを入れて市場を押し上げた動きにどこか疑問を感じた市場参加者は少なくなかったはずだ。
外国人投資家といっても年金もあればヘッジファンドもある。海外拠点の日本人が運用するファンドだって分類では外国人だ。そしてその資金特性は当然様々。
外国人投資家だって永遠と買い続けるわけではない。
去年一年間で15兆1196億円も買い越した外国人投資家。
今年に入って売り基調が鮮明となり、その金額はすでに1兆円を超える。
日本の株式市場において圧倒的シェアを持つ外国人投資家の動向は市場全体の方向性に高い相関関係がある。
昨年末の上昇はその中でもかなりアクティブな資金によって実現した印象が強く、その投機性の高い動きから早晩剥げ落ちてもしかたないところだろう。
つまり今のところの下落は昨年末の上昇局面でやり過ぎた反動という側面の方が強いと感じられる。
問題は消費増税を控えたこの時期に政治がどこまで本気を示せるのか?
法人税減税を含めたアベノミクス第三の矢。
今こそ政治が実行力を示し、市場にメッセージを伝えなければ『催促相場』になっていくかもしれない。
昨年末の上昇の起点となった14000円台を明確に割り込むような動きになったとき、そのときこそ『アベノミクスへの期待の後退』を意味することになるだろう。