【市場雑感】終わることなき高速化
http://m.jp.wsj.com/articles/SB10001424052702304204104579378371770483360
HFT(超高頻度取引)がナノセカンド(秒)の世界へと来たようだ。レーザー通信技術を用いてより高速化を図るとのこと。テクノロジーの進歩を利用し、それだけの設備投資を行い利益を上げる。
そういった面だけ見れば彼らは非常に合理的な存在であるといえる。
しかし、その高速化の戦いは終わりがなく、資金力・技術力によって淘汰される世界だ。
もちろん一般の投資家やほとんどの市場参加者は参入できる世界ではない。
以前から言っているように一般の市場参加者に必要なことは彼らと同じ土俵に立って戦うことではなく「原点回帰」だ。
ファンダメンタルズ、バリュエーション、テクニカル、需給…マーケットを取り巻く様々な要素を適切に判断し、相場の流れを取ること。HFTが行う売買のほとんどはそういったものを無視し、一日の間に取引を完結させてしまう。それをノイズと割り切れるようなスパンで相場をとることが出来れば気にもならないだろう。今朝のレーザー通信云々のニュースも「こいつらもよくやるよ。」で済む話になる。
ただし、それでもトレーディングを行う上でのツールとしてアルゴリズム取引やなんらかのシステムツールを道具として使いこなせるようにはなっておくべきだろう。
この限りない高速化で問題なのは、ミリ秒、マイクロ秒、ナノ秒の世界で発注・訂正・取消を膨大な頻度かつ広範囲に同時多発的に行う彼らの取引の違法性を監督・監視するのに十分な体制があるのかどうかだ。
東証で過当な数量の買い注文を指値で入れて、ダークプールやPTSなどで売りを行い、取引所の買い指値を取り消す。これを瞬時に行った場合、日本の取引所や当局は検知し、処罰出来るのだろうか?
同じことを人間がやればすぐに捕まるのにだ。
システムによる取引であれ、人間が手で行う取引であれ、市場は公正なものであって欲しいと思う。テクノロジーの進歩、彼らの終わりなき高速化に市場の監督・監視体制が追いつかないのであれば、やはり一定の規制やルールによる制限は必要なのだと思う。それを怠れば、「HFT=悪」という見方が増えて結果的に健全なHFTまで排除すべきという意見が出てくるだろう(既にそういう意見も少なくないが)。
大量かつ広範囲の発注を行うHFT。そして彼らの取引件数は膨大なものになっている。そしてコロケーション経由での発注シェアと約定シェアの差は信じ難いレベルにある(つまりそれだけ取り消しが多いということ)。人間がこのレベルの取消比率で売買したら…やはりどこかで問題にされるだろう。
HFTが流動性を供給しているといいながらも、彼らのシェアが増える過程では皮肉にも取引所の売買代金は増えることはなかった。売買代金の増加はアベノミクスにより彼らとは異なる資金が流入し、リスクテイカーが増えて市場のボラティリティが上昇したことに起因している。
市場のあるべき姿は?
これからの市場が向かうべき道は?
膨大な資金力を持つ限られた市場参加者のためにあるのではなく、小さな資金しかない個人投資家にとっても魅力的なものであって欲しいと望む。
HFT(超高頻度取引)がナノセカンド(秒)の世界へと来たようだ。レーザー通信技術を用いてより高速化を図るとのこと。テクノロジーの進歩を利用し、それだけの設備投資を行い利益を上げる。
そういった面だけ見れば彼らは非常に合理的な存在であるといえる。
しかし、その高速化の戦いは終わりがなく、資金力・技術力によって淘汰される世界だ。
もちろん一般の投資家やほとんどの市場参加者は参入できる世界ではない。
以前から言っているように一般の市場参加者に必要なことは彼らと同じ土俵に立って戦うことではなく「原点回帰」だ。
ファンダメンタルズ、バリュエーション、テクニカル、需給…マーケットを取り巻く様々な要素を適切に判断し、相場の流れを取ること。HFTが行う売買のほとんどはそういったものを無視し、一日の間に取引を完結させてしまう。それをノイズと割り切れるようなスパンで相場をとることが出来れば気にもならないだろう。今朝のレーザー通信云々のニュースも「こいつらもよくやるよ。」で済む話になる。
ただし、それでもトレーディングを行う上でのツールとしてアルゴリズム取引やなんらかのシステムツールを道具として使いこなせるようにはなっておくべきだろう。
この限りない高速化で問題なのは、ミリ秒、マイクロ秒、ナノ秒の世界で発注・訂正・取消を膨大な頻度かつ広範囲に同時多発的に行う彼らの取引の違法性を監督・監視するのに十分な体制があるのかどうかだ。
東証で過当な数量の買い注文を指値で入れて、ダークプールやPTSなどで売りを行い、取引所の買い指値を取り消す。これを瞬時に行った場合、日本の取引所や当局は検知し、処罰出来るのだろうか?
同じことを人間がやればすぐに捕まるのにだ。
システムによる取引であれ、人間が手で行う取引であれ、市場は公正なものであって欲しいと思う。テクノロジーの進歩、彼らの終わりなき高速化に市場の監督・監視体制が追いつかないのであれば、やはり一定の規制やルールによる制限は必要なのだと思う。それを怠れば、「HFT=悪」という見方が増えて結果的に健全なHFTまで排除すべきという意見が出てくるだろう(既にそういう意見も少なくないが)。
大量かつ広範囲の発注を行うHFT。そして彼らの取引件数は膨大なものになっている。そしてコロケーション経由での発注シェアと約定シェアの差は信じ難いレベルにある(つまりそれだけ取り消しが多いということ)。人間がこのレベルの取消比率で売買したら…やはりどこかで問題にされるだろう。
HFTが流動性を供給しているといいながらも、彼らのシェアが増える過程では皮肉にも取引所の売買代金は増えることはなかった。売買代金の増加はアベノミクスにより彼らとは異なる資金が流入し、リスクテイカーが増えて市場のボラティリティが上昇したことに起因している。
市場のあるべき姿は?
これからの市場が向かうべき道は?
膨大な資金力を持つ限られた市場参加者のためにあるのではなく、小さな資金しかない個人投資家にとっても魅力的なものであって欲しいと望む。