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【相場雑感】今回の下落に思う

昨年末にかけての上昇は投機性の強い資金による極端な歪みを伴った相場という印象だった。
「やり過ぎだ」と感じ、上昇に危うさも感じながらも、そういった買いが途絶えることはなく、NISA買いへとスイッチ。特殊な需給要因とはいえ、「このまま18000円ぐらいまでもっていくのだろうか?」と感じさせられる強さだった。
「どう思います?」
と聞かれると困った。
「彼らがどこまで買い続けるのか次第という印象。ただそこまでもっていってしまったら反動はかなり厳しくなるだろう。」
とコメントしていた。
こうしてみればこんなに呆気ないのか…と思うほど脆い相場。
11月8日から始まった上昇。
なんで買われているのか?
外国人投資家がごく短期間に数兆円という規模で入れた買いが何を根拠にしているのか?
明確な回答が出来た人はあまりいない気がする。
あの頃からFRBの金融緩和縮小の動きは始まっていた。
金融緩和縮小で買いと言われてもピンとこなかった。
その後、外国人投資家の中心的な存在としてブレバンハワードなどのヘッジファンドの名前が挙げられる。パフォーマンスが低迷しており、年末にかけて最後の勝負に出たと。そんなんでこんな大きなリスクを取るのか…!?とちょっと呆れもしたけれど、結果としてはNISA買いに利食いをぶつけていた感じ(NT倍率の急低下が生じた)で一応は成功したのかな?
このときに2万円とか、3万円とか、4万円とか言っていた人達は、そのときの為替や債券がどうなっていると想像していたのだろう?
個人的にはそんな水準まで金融緩和と過剰流動性をベースにしていってしまったらインフレの暴走になり、まさしくバブルの再来になりかねないと感じていた。その後に待っているものは日本人が一番よく知っているはずなのに…。
今回の下落はある意味健全な調整だと思う。あのまま上がってしまうよりは長期的なリスクは軽減される。

金融緩和政策はかつてなら「禁じ手」と言われたことがいくつも実施されている。
日銀による大量の国債購入、株(ETF)買いなどは正常な経済・市場であれば「禁じ手」だったはず。
ただ欧州危機を乗り越えるプロセスで欧米各国が金融緩和を積極化させたため、円高進行と政府債務の膨張にあえぐ日本もその領域へと踏み切った。
一つの選択肢ではあったと思うし、それによって短期的には経済は潤った。円高の是正、一時的な業績の回復、株価上昇など一定の効果はあったといえる。しかし、やらなければならないはずの政策や規制緩和はまだ十分とは言えない。
ここまでやってしまった以上、金融緩和政策の出口戦略は難しいものになる。「イキハヨイヨイカエリハコワイ」だ。日銀の資産圧縮(売却)を受け止められるレベルで経済や市場の足腰が強くならなければ抜け出せないまま日銀の資産膨張は止められなくなる。ETF買いもかつてはいついつまでにいくらまでと上限を決めていたが、今や一年間あたり一兆円をメドにと置き換えられてしまっており、実質的にはその上限は明確にされていない。
金融政策のみで国力が回復出来るものではない。
今こそ日本という国の国力回復、ビジネスの場としての魅力を取り戻すべく強いリーダーシップの下で第三の矢を放って欲しいと思う。

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tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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