【市場雑感】相場急騰の背景
先週始まった上昇。
14000円割れ目前の水準からあっという間に1400円近くも上昇している。
先週の投資主体売買動向をみてみると外国人投資家の買い越しが一兆円を超えるほどの金額に達していた。
先物でもクレディスイス経由の買いが4000億円前後の規模に達しており、わずか一週間の間に凄まじい規模の海外投資家の買いが入ったことが上昇の背景にあることははっきりとしている。
一方で、これまでではあまり感じることのないほどの歪みが市場には発生している。
今日、東証一部の値上り銘柄数は1200弱にとどまっており、TOPIXの上昇率は1%ちょっと。
時価総額トップのトヨタ自動車の株価はマイナスだった。にも関わらず日経平均株価は2%近くもの上昇率に達している。
NT倍率の上昇(NT倍率=日経平均株価÷TOPIX)。
この上昇局面であまりにも顕著に出ているのがこの動きだ。
日経平均先物主導での上昇。
それが結果として裁定買い(割高な先物売り+割安な現物株買い)を誘発し、裁定買い残は3兆8661億円(前週比4156億円増)に達している。
確かにテクニカル的にはボックスを抜けた以上買いでいいのだろう。
ただ…。
なぜこれほどの買いが突然のように入ってきたのか?
相場上昇のカタリストはいったいなんだったのか?
ファンダメンタルズで大きく変化するようなものがあったとは思えない。
思い当たるとすればイエレンFRB次期議長が金融緩和継続に対して寛容な姿勢を示したということ。
もう一点はGPIFが株式への配分を増やすという姿勢を示したこと。
それぐらいしか正直思いつかない。
この上昇が持続性を持った大きなトレンド波なのか、どこかに大きな落とし穴があるのか、どこか強い違和感を感じながらも気づいてみれば5月につけた高値が迫りつつある。
http://www.nikkei.com/markets/kabu/marketsnews.aspx?g=DGXNASFL210H8_21112013000000