【相場雑感】クレディスイス経由の先物買いが凄まじい件
今週の1000円を超える急騰劇は正直サプライズだった。
確かにレンジを上抜けた→買いに勢いがつくのは自然なことではあるのだけど…。
一番の理由はその上昇があまりにも偏った買い方によるものだったこと。
ファンダメンタルズに大きな変化があったわけではない。
米国株は確かに堅調。
イエレンFRB副議長も金融緩和政策継続に理解を示したことで金融緩和継続→過剰流動性相場継続というのも理解はできる。
それでも…あまりに急激かつ唐突だった気がする。
その上昇の背景にあったのはクレディスイス証券経由の先物買い。
11月12日以降、大量に先物を買い始めた。
昼も夜も立会外でも…。
11月12日以降の同社経由の手口は
日中売買
日経平均先物 +14719枚
TOPIX先物 +7872枚
夜間取引
日経平均先物 +5101枚
TOPIX先物 +0枚
立会外
日経平均先物 +1830枚
TOPIX先物 +201枚
※ちなみに同社はほとんどミニの売買はしていない。
その合計枚数は実に29723枚もの買い越しとなる。
金額(想定元本)にすればザックリ4000億円前後もの買いだ。
11月14日にはSBI証券の日経平均先物の買い越しと日経レバ(ETF)の大幅買い越しもあったが、今週のこの急騰劇はほとんどクレディスイス証券経由の買いによるものだったといってもいいかもしれない。
今後発表される投資主体別売買動向を見てみる必要はあるが、海外勢の先物買いによって裁定買いが誘発され、指数中心に一気に水準を押し上げていった構図だろう。
信託銀行(年金)などは売り方、個人についてはSBI証券経由の買いなどもあったので買いもあったかもしれないが、現物株はそこまで買ってはいない(もしかすると売り越しの)ような気がする。
実際にマーケットで戦っていても、全体に買いが入っているというよりは先物中心に指数銘柄ばかりが押し上げられていく印象が強く、その歪みをみるとつい売り向かいたくなる場面が多かった。そして買い戻す間もなく踏まされる…。
チャート的には確かにボックスを上抜けてきてはいる。
テクニカル的には買いだろう。
ただ何がこの上昇のきっかけだったのか市場参加者の多くはよく分かっていないのではないだろうか(正直自分も「要因は?」と聞かれたらよく分からない)。
恐らくはバイアンドホールド(買いだけやる手法)の運用者でもない限り、指数の派手な上昇ほどは儲けられなかったように思う。
余談になるが、11月5日以降緩和された信用売りの価格規制。
新規売りで下を叩けるようになった途端のこの上昇。
売りやすくなった分、つい売ってしまって踏まされるなんて羽目になったディーラーも少なくなかった気がする(^_^;)
クレディスイス経由の先物売買はCTAやマクロ系ファンドなどが背景にあるといわれている。
これまでも派手な売買をしてきているが、ここまで極端なのはあまり記憶にない。
同社の売買が来週以降どうなっていくのか?
そして週明け以降、この強さが全体へと広がりを見せていくのか?
この上昇がアベノミクス第2波の始まりなのかどうかはその辺りがポイントになりそうだ。