【相場雑感】第三の矢はの催促
参院選後、日経平均株価が調整色を強めている。
自民党圧勝で終えた参院選。
しかし、勝ったはずの自民党政権・安倍内閣の支持率は参院選後に低下した。
勝利の背景も自民党への期待よりも野党がだらしないからという見方・報道も多い。
5月23日からの急落は「理想買い」による短期的なバブル相場の崩落だった。「アベノミクス」という言葉が一人歩きし、日経平均株価の目標も2万円やらバブル超えやら…煽るようなコメントが出回り、市場参加者は「リスク」を軽視した。
投資信託が募集停止になるほど過剰なお金が市場に流入していたのが象徴的だった。
当然、一度歯車が逆に回り始めればその反動は大きくなる。
その急落は正直想像以上だった。
しかし、そのパニック的な投げ売りも終わり、参院選を前に相場は再度上昇を始めた。
ただ市場のエネルギー自体はその前の上昇に比べればかなり低下したまま。特に先物は顕著に板(注文状況)が薄くなっていた。
売る人が売ってしまったから戻りに入り、参院選での自民党圧勝への期待から買われた…ということになるのだろう。
そして参院選後。
相場はまた調整色を強めている。
安倍内閣への支持率低下。
安倍総理の言う「第三の矢」への催促。
消費税率引き上げが迫る中で、実効性のある規制緩和と経済活性化策が打ち出せるのかどうか?
金融緩和頼みの過剰流動性を背景とした資産インフレ策だけでは市場は満足しないだろう。
以前書いたように、「理想買い」が終わった後に来る「現実買い」の局面はそれほどバブル的なものにはならず、儲けづらい上昇になるはずだ。
第三の矢が中途半端なものに留まれば、その上昇すら幻に終わるかもしれない。
ここからこそが安倍総理のリーダーシップが試される局面だろう。