【市場雑感】異常な値動き
昨日、PTS市場で異常な商いが多発した。
誤発注と思われるような値段でアチコチで異常な動きが生じている。
実はここしばらくTOPIX先物の3月限でも同じように枚数は少ないものの異常な値動きがイブニングセッションの板(注文)がほとんどない時間帯に生じていた。
利益供与なのか、それともあえて評価損を抱える形にして税金逃れなのか…様々な憶測を呼んでいるが、こういった商いが生じていることはやはり問題だろう。
参加者がいない、板のない銘柄や市場だからといって何をやっても許されるわけではない。
値幅に対する制限のかけ方や、基準価格から一定以上離れた値段での値つけの在り方などやはりもう少し考えるべきではないだろうか。
場中においても『スパイク』と呼ばれる異常な値動きが生じることがある。
明らかに誤発注としか思えないような売買なのだが、突然とんでもない水準まで売りが出て急落、そして急反発。
これらがホンの一瞬の間に生じてしまう。
かつての市場なら異常な価格までの大口売りが出れば特別気配が出て他の市場参加者の注意を促し、下げ過ぎと思った投資家から買い向かいが入ってくる時間的な猶予があった。
しかし今はミリ秒、マイクロ秒にまで高速化した市場でその異常な値動きを感知し、対応出来るのはHFTを中心としたシステム取引だけだ。
実際にそういったスパイク検知アルゴなども走っている。
ただあまりに高速なため、そこに人間が入る隙間がなく、結果として必要以上にとんでもないミスプライスをつけてしまう場合も多々ある。
ここしばらくTOPIX先物の期先やPTSで起きている異常な商い。
システムに支配された中での異常な値動き。
こういったものに対してもう少し手を売っていかなければ、本当に大きな誤発注が発生したとき市場はパニックに陥る危険もある。
『透明性の確保』
『多様な参加者による価格形成』
取引所やPTSの方々には今一度そういったものの大切さを見直してほしいと思う。