【ビジネス】チャレンジ
MarketForum Conference 2012まであと二週間になりました。
低迷する証券業界、将来を夢見れなくなっている若手達…。
そんな中で自分達でも何か出来ることをしていこうと話し合い、昨年夏からセミナー活動を始めました。
会場は大阪証券取引所が提供してくれて、講師は我々理事と協力してくれている企業の方々。
MarketForumはディーラーの飲み会が原点です。
最初は30~40名程度だった人数がどんどん増えていき、様々な業界関係者が参加するようになり、そしてその運営を行うためにはスポンサーが必要になり、NPOという法人格を持つに至りました。
そしてそれを実現してきたのは「この業界を良くしていきたい」という至ってシンプルな「思い」です。
自分自身も業界他社の友人達の存在に多くの刺激を受け成長してきました。そしてそれを通じて出会った方々から多くのことを学び、そのつながりが多くのチャンスを与えてくれました。
「そういった機会を若手のみんなにも作ってやりたい。」
そんな単純な考えでここまできたMarketForum。
理事のみんなが力を合わせてここまで来ました。
そして今回のConference。
東京証券取引所の方から会場のご提供を申し出ていただいたとき…
「荷が重いかなぁ…。」
と喜びよりも不安が大きいぐらいでした。
東証ホール。
セミナースペースとしてはかなり広く、時間もかなりの枠をいただきました。
対象をディーラーに絞っていたとはいえ、これまでのセミナーは50名前後。
でもせっかくいただいた機会です。
出来ない…ではなく、何が出来るかを考えよう。
業界振興の為に何が出来るか?
どんなことをすればみんなの励みや力になるか?
今、地場証券の多くが抱える問題(自分自身も苦労しているいくつものこと)を乗り越えていく為のヒントを提案出来ないだろうか?
一つだけハッキリしていること。
我々MarketForumの理事だけでは充実したものにすることは難しい。
毎年10月に開催しているイベントに協力してくださっている企業の方々にお声をかけて助力をお願いしました。
そして一番難しいと思っていたのはテーマとパネリスト。
場中である第一部はこれまでどこかで取り組まなければと思いながら避けてきた問題に取り組むことにしました。
地場証券の多くが淘汰の渦中にあり、運用者達も苦しんでいます。
その中で新しい商品や時間帯、運用手法を確立し、自ら変化させていかなければならない。
しかし、硬直的な管理体制、一部システムに依存しきった状況がそれを妨げています。
それをどうすれば乗り越えていけるのか?
参加者のターゲットも限られるし、テーマとしては面白みに欠ける。また足枷になっている規制などとも向き合わなければいけない問題の為、あまり積極的に踏み込んだ話はしづらい。
でもどこかで誰かがやらなければ。
昨年、後輩ディーラー達から聞いた言葉。
「夜間取引とかPTSとか海外指数先物とか為替とか商品とか…やりたいんですよ。でもウチじゃどうせ出来ないと言われて終わりなんです。」
彼らの為にも各社のマネジメントや管理部門の方々に少しでもヒントを伝え、「出来ない」ではなく「何が出来るか」を考えて欲しい。
そんな思いを抱え、何度か議論には上りながらもやれずにいたこと。
せっかくの機会だし、チャレンジしてみたい。
でもその意義を理解し、力を貸してくれる人達はいるだろうか?
そんな不安を抱えながら協力企業とのミーティングで相談してみました。
快く力を貸してくれる人達がいました。
外資系証券、外資系システム会社、国内系システム会社…。
問題意識を共有し、力を合わせて取り組んでくれることになりました。
そして引け後間もなく始まる第二部。
定時ではないけどディーラーなら参加可能な時間帯(会社によっては許可が必要になるけど)。
このセッションは若手ディーラーのみんなに聞いてほしい。
彼らに伝えたいことって何だろう?
自分に問いかけながら考えました。
彼らが目指すべき存在。
日本人でもメジャーの世界で活躍している運用者(ヘッジファンドのファンドマネージャー)がいます。
そんな人たちに来て話してもらえたら…。
でもさすがにそこまで強いコネクションは持っていない。
大体、凄腕運用者の彼らの多くは投資家から資金を出してもらうために話すことはあっても、人前で話すことを好ましく思わない人たちがほとんど。
さらにMarketForumはNPO法人でお金がない…(^^ゞ
講演料も旅費ですらも払えないような状態で来てもらえるわけがない。
さすがに無理かな…。
でもダメ元で香港でアジア最大級のファンドオブファンズを経営している大先輩に相談してみました。
自分が今の会社に入社したときにたまたま日本に出張に来られていて、サシで転職祝いをしてくれた自分にとって兄貴のような存在。
ダメ元だったのに…
快諾してくれたうえに自ら優秀なヘッジファンドマネージャーに声をかけてくださいました。
『ファンドオブファンズ』投資家から多くの資金を預かり、それを様々なファンド(運用会社)に投資をする会社です。
つまり多くのヘッジファンドを分析し、その運用手法やパフォーマンスを検証し、投資をしている方なので、当然優秀なヘッジファンドをよくご存知だし、そういったヘッジファンドマネージャーを支援もしてこられている方だからこそそれが実現しました。
そこからお二人の日本人ヘッジファンドマネージャーがご参加くださいます。
さらに自分からお願いした商品先物業界を基盤に運用会社を経営されてきた大先輩にもご参加いただきます。
証券市場以上に激変にさらされてきた商品先物市場。
その中でCTAとして戦いぬいてこられたご経験をお話いただければと思っています。
モデレーターは優秀なヘッジファンドマネージャーお二人をご紹介いただいた大先輩にやっていただきます。
自分なんかより遥かにファンドビジネスや運用について深い見識をお持ちの方なので。
そして締めとなる第三部。
今年この業界に大きなダメージを与えたAIJ問題。
多くの運用会社が傷つき、業界の信頼すら傷つけられました。
真剣に運用ビジネスに取り組み、マーケットと向き合い、顧客のために力を尽くしている人たちはいっぱいいます。
そんな人たちも少なからずダメージを受けました。
「ヘッジファンドは信用できない、危ない。」
そんな偏見が生まれ、健全に素晴らしいパフォーマンスを上げていても資金引き揚げに直面した人たちもいるのです。
そんな中で、この春に金融庁が施行した新しい法律「適格投資家向け投資運用業」。
業界活性化のために金融庁の方々がこの数年取り組まれてきた法案です。
実際に金融庁の方々が業界団体や運用会社にヒアリングにいき、意見を聞きながら作り上げていったもの。
一昨年、自分のところにもヒアリングに来ていただきました。
金融庁にも熱意を持って業界を良くしていきたいと願っている人たちがいるのだということを知り、ずいぶんと力を与えていただきました。
そういったことを少しでも多くの方に知って欲しい。
そんな思いから金融庁の方に相談をしてみました。
AIJ問題のために多くの運用会社の検査に追われ、金融庁の方々は連日ほぼ徹夜状態。
そんな多忙な中では難しいかな…と諦めかけていたのですが、紹介したい人がいると。
弁護士の方。
でもお名前は知っている。
この春まで金融庁に出向されていた方で、自分のところにヒアリングにも実際に来られていた方でした。
つまりこの法律の立案に携わられてきたご本人が出てくださるとのこと。
業界活性化のために取り組まれてきたことを伝えていただき、そんな新しい法律もあるのだとご紹介いただきます。
そしてその方に加えて、第二部でご尽力いただいた大先輩。
さらに国内で運用会社を経営され、さらに運用業界で様々な活動を行いご活躍されている方にもご参加いただいて締めのパネル・ディスカッションをやっていただきます。
正直、この話がスタートした時点ではこんなに素晴らしい方々が出てくれるConferenceになるとは想像もできませんでした。
お金をかけず、誰からもお金を取らず、このConferenceの実現に力を与えたのはこの業界をよくしていきたいという『思い』だけです。
「出来ない」ではなく「何が出来るか」を考えてチャレンジしてみて本当によかった。
そして心の底からそれを喜べるようにイベント終了まで頑張ります!
ぜひ多くの人に来て欲しい、聞いて欲しいと思っています。
お時間取れる方、ぜひご参加ください。
お申し込みはマーケットフォーラムのホームページから出来ます。
http://www.marketforum.jp