【市場雑感】ギリシャくんには困ったもんだ(^^ゞ
2001年
ギリシャくん 「ねーねー仲間に入れてよー。」
EUグループ 「借金いっぱいあるよーなヤツはオレらの仲間には入れないんだけど。」
ギリシャくん 「そんなにないって。ほら見てみてよ。大丈夫でしょ?」
EUグループ 「そっかー、なら入れてやるよー。」
元々、歴史的な背景、軍事的な問題を抱えていたギリシャは欧州の親分ドイツに可愛がられているEUの仲間でした(1981年からEC加盟国)。ドイツから潜水艦買っていたりね(^^ゞ
でも共通通貨であるユーロ導入においては一定の条件を満たす必要があり、ユーロ発足の1999年1月には間に合わず、2000年にようやく基準を満たして2001年1月からユーロ圏の仲間入りを果たしました。
仲間に入れてもらう基準はこれ
(1)物価:過去1年間、消費者物価上昇率が、消費者物価上昇率の最も低い3か国の平均値を1.5%より多く上回らないこと。
(2)財政:過剰財政赤字状態でないこと。 (財政赤字GDP比3%以下、債務残高GDP比60%以下)
(3)為替:2年間、独自に切り下げを行わずに、深刻な緊張状態を与えることなく欧州通貨制度の為替相場メカニズムの通常の変動幅を尊重すること。
(4)金利:過去1年間、長期金利が消費者物価上昇率の最も低い3か国の平均値を2%より多く上回らないこと。
で、問題なのは(2)の財政赤字GDP比3%以下。
守れなくなっている国は他にもあるにはあったのですが…ギリシャくんには困ったもので。
2009年
ギリシャくん 「ごめん、よく調べてみたらもっといっぱい借金あったみたい…(^^ゞ」
EUグループ 「げっ…何それっ(>_<)」
政権交代によって発覚した事実。
前政権は数字を粉飾し5%程度の赤字と予想していたのが実は12%も赤字があった。
それにより市場は大混乱。
ギリシャの国債は急落し、金利が急上昇。
元々、借金まみれだったギリシャくんは借金返すにもお金を借りないとやっていけない身の上。
でも金利が急激に上昇してしまったもんだから自力で借りることもできなくなり…。
ギリシャくんが破綻すると困るのはギリシャくんを信じてお金を貸していた人たち(各国の銀行など)。
貸した金が返ってこないとなれば巨額損失を計上することになる。
そして欧州の銀行自身も破綻するところが出てくるかもしれない。
一歩間違えれば破綻の連鎖が起きて経済的な大混乱を招く恐れもある。
ということで何とかギリシャくんを救おうとEUは力を尽くします。
リーマン・ショックのダメージ冷めやらぬ経済環境の中で独仏(独メルケル首相、仏サルコジ大統領のコンビを「メルコジ」と呼ぶようになる)がリーダーシップをとり、何とか立ち直らせようとしてきました。
そしてその効果が出始めて市場が落ち着きをみせてきたのが昨年末から今年前半にかけて。
借金の額を減らしてあげたり、借金借り換えをサポートしてあげたり…。
でも当然ながら、これだけ色々と面倒みてやってんだから贅沢はすんなよ…となるわけで、ギリシャは緊縮財政政策を取らざるをえなくなります。
失業率は高止まり、景気がよくなる気配もなく、国民は我慢ばっかりさせられていると不満ばかり…そして迎えた総選挙。
ギリシャくん 「もう我慢するのは嫌だぁーっ。」
となった結果、再度欧州は混乱に陥りつつあるわけです(^^ゞ
そしてギリシャ救済の立役者の一人である仏サルコジ大統領も選挙で負けてしまっており…。
超雑な説明ですが、大まかな流れはこんな感じ(^^ゞ