【欧米市場動向】2011/12/08
週末にかけて高まっていた期待が一気に剥げ落ちる形となった。
きっかけはECBドラギ総裁がEU首脳会議に参加している政治指導者が責任を負う
べきというスタンスを変えず、財政協定の必要性を訴えECBが国債購入拡大で支
援する可能性を示唆したことはないと発言したこと。メルケル首相もBig-banの
解決策はないと発言。さらにEBAが欧州の銀行は前回推計した以上の資本増強が
必要と指摘。
これらを受けてセンチメントは一気に悪化。週末には何か大きな対策が打ち出さ
れるとの市場に広がっていた安易な期待は大きく後退することとなった。
米国市場は引けにかけてESMが銀行ライセンスを付与されるとのサミットドラフ
トに関するニュースが流れて一時リバウンドするが、その後10分足らずで独はラ
イセンス付与、EFSF/ESMの並行運用、共同債発行のいずれも反対という独高官の
発言が流れて一気に反落。さらに安値を割り込んでの引けとなった。
NYダウは▲198.67ドル安の11997.70ドル。DAXは5874.44(▲120.29)で取引を終
えている。
ユーロ崩壊すら懸念される中で開催されるEUサミットではまだ様々な意見対立が
残されている。その中でどういった道筋が示されていくのか?市場はそれに対し
て期待と不安の中で神経質な動きを続けている。