【欧米市場動向】2011/11/15
欧州は小幅高で始まったものの、イタリア債の利回りが再度7%を超え、スペイン債も売り込まれるという流れを受けて下落に転じ、その後も下げ幅を拡大していった。欧州はギリシャのCDSこそ下落しているものの(元々の水準が既にデフォルト状態を示しているが)、イタリアやスペインを始め欧州多重債務国のCDSは上昇している。背景にはイタリア格下げ(3ノッチ引き下げといううものも出ていた模様)の噂。その欧州も午後にはリバウンドに転じたものの、プラス圏までは回復できてはいない。理由としてはイタリアでモンティ政権が発足し、危機対
応に積極的に取り組むことが期待される…とのコメントが多く聞かれている(が、今回の危機については構造的な問題であり、新政権発足で一気に変わるようなものではない)。
米国市場は小売関連の指標が良好で、エバンズ総裁やウィリアムズ総裁などFEDスピーカーからは追加緩和に対するコメントが発せられている。一時マイナス圏に沈んでいた米国株も、それらを受けて切り返す展開となった。12000ドル割れ目前の水準から12160ドル超まで上昇したNYダウだが、引けにかけては一気に崩れてその上昇幅はわずか△17.18ドルにとどまっている(ナスダックは△28.98高)。ハイテクセクターの堅調が市場を支えた格好だ。
イタリア新政権の発足への期待は確かにあるようだが、進行する債券の下落、格下げ懸念とまだ予断の許さない状況が続きそうだ。