【欧米市場動向】2011/11/08
東京市場の下落から米国先物も軟調に推移し、欧州株式市場は前日引け後の米国株上昇を十分に反映できないままのスタートとなった。それでも底堅い動きを示してジリジリと値を上げていった。
イタリア国債が前日に引き続き売りこまれるなど不安定な状況の下、注目された同国予算関連法案は630議席中308の賛成で可決。しかし、棄権が321に上り事実上のベルルスコーニ首相への不信任という状態。水曜日にもLCHがイタリア債について5%のヘアカットを実施するとの観測が流れたが、LCHはそれを否定。
イタリア債はSMPによる買い支えもなく安値引けとなった(利回りは6.7%台乗せ)。欧米株式は同国議決の内容を受けて一時売り込まれる展開となり、欧州株は上げ幅を縮小、独DAXは寄りつき後の安値から+150程度上昇を示していたが、議決後の1時間半でほぼその上昇を失う形となっている(DAX+32.76)。
NYダウもそれを受けて一時マイナス圏へと沈んだものの、欧州引け後には売りこむ動きは沈静化し、さらに伊ベルルスコーニ首相が財政緊縮法案が来週議会で可決され次第辞任する意思を示したとのヘッドラインをきっかけに一気に上昇へと転じた(NYダウ+101.79)。
CME日経平均先物はこれらの動きに連動し、欧州時間に上昇して8700円台を回復、その後イタリア予算関連法案議決をきっかけに反落して8670円まで押し戻された後が、3時過ぎにベルルスコーニ首相辞意が流れて一気に上昇。8760円で取引を終えている(戻り高値は8775円)。
昨日急落となった野村證券のADRは円換算250円(前日比+5円)、銀行株も若干上昇して取引を終えている(前日の下げ幅を考えれば懸念を払しょくできるレベルではないが…)。