【相場雑感】ソブリン・リスク
『ソブリン・リスク』
国家の信任が今大きく揺らいでいる。
ギリシャに端を発したこの問題は、欧州に広がりをみせつつある。
EUが多重債務国を救済する姿勢をしっかりと打ち出したことで、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルといったところのCDSの水準は小康状態に。

ギリシャCDS


アイルランドCDS

ポルトガルCDS
しかし、次の標的とされたのはイタリア、スペイン。
ECBはこれらの国債の買い入れを実施し、債券価格自体は上昇。
国家の信任が今大きく揺らいでいる。
ギリシャに端を発したこの問題は、欧州に広がりをみせつつある。
EUが多重債務国を救済する姿勢をしっかりと打ち出したことで、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルといったところのCDSの水準は小康状態に。

ギリシャCDS


アイルランドCDS

ポルトガルCDS
しかし、次の標的とされたのはイタリア、スペイン。
ECBはこれらの国債の買い入れを実施し、債券価格自体は上昇。

イタリアCDS

スペインCDS
しかし、それで市場は落ち着いたわけではなかった。
ジワジワと上昇を続けているのがEUの中心であるドイツ、フランスのCDS。
多重債務国を救済するコスト・リスクを市場は織り込み始めている。

ドイツCDS

フランスCDS
米国は債務上限引き上げには合意出来たが、S&Pによって最上位格付けから引き下げられてしまった。
何故か、通貨の世界においては日本は『安全』とされて円が買われる状況が続いているが(マネーサプライによる部分が大きいのだろうか、自分は通貨のプロではないので…)、日本こそ財務状況は危機的水準。このままいくと近いうちに1000兆円に乗ってしまいそうな勢い。
対岸の火事ではない。
このまま進めば、いつか日本にもその日は飛び火する。
これまでも危機はいくつもあった。
日本では90年代後半に山一證券や北海道拓殖銀行の破たん。
米国ではリーマン・ショック。
でもそれを乗り越えてきたのは国家が最後の救い手として存在しえたから。
今やその国家の信任が揺らいでいる。
誰がその救い手になれるのだろうか?
今は強いリーダーシップ、そしてゆるぎない協調が必要だ。