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【ビジネス】読書

昨日、友人の送別会まで間があったので、丸善に寄ってみた。
なんか時間つぶしに読みたいと思える本がないかな、と思って手に取ったのは

『40代を後悔しない50のリスト』

ちょうどその日、後輩の一人が会社を辞めることになり相談を受けた。
40も近づいている年齢。
力になってやる半面、厳しい現実も伝えざるをえない。

自分がその人生をどう生きるか。
すごく難しい問題だ。
特にディーラーという仕事は…。

20代の頃。
自分は何も持っていない。
失うものなど何もなかった。
ただがむしゃらに頑張り、上を目指すことだけを考えていた。

『もっともっと』

自分が落ちることなんて想像もしなかった。
一日一日、相場で結果を残すことと、相場を学ぶこと、そして少しでも強いディーラーになることだけしか頭になかった。

30になる頃。
ちょうどその頃に師匠や兄貴との決別を経験し、すごくつらかった半面、若手ディーラーというレッテルがはがれ、会社(ディーリング部)の収益の柱として認められはじめた。
プレーヤーとしては一番充実していた時期だと思う。
ポジション枠も増え、自信も芽生えていった。
若手の育成や、やりたいことを積極的にやらせてもらった。
でも裏切りとまでは言わないが、許せない出来事があってその会社を辞めた。

そこからは苦しい思いをいっぱいした。
それまでのようにリスクを取らせてはもらえない。
そんな中で評判だけが先に立ち、過剰な期待、そして悲しいほど制約の多い運用環境の中で結果だけを求められた。
理解してくれる人はちゃんといたけど、背負っている重みは半端なかった。
ある意味では『怖さ』を知った数年だったかもしれない。

そして40になる頃。
自分がこれからをどう生きていくべきか…ようやく少し見えてきた気がする。
プレーヤーとしての自分を追い求めるだけではだめなのだと思う。
自分が築き上げてきたもの、それは知識だったり、経験だったり、人脈であったり…それを利己的な目的に使うのではなく、仲間やチーム、会社、業界のために活かしていかなければならない。

プレイング・マネージャーである以上、かっこ悪いまねはできないから、それなりの結果は残して当たり前。
会社のリスク許容度に合わせた戦いしかできないが、それも含めてコントロールしてみせること。
20年弱という期間をディーラーとして戦い、勝ち続けてきたことを結果で示す必要はある。

もちろんもっとやりたいというプレーヤーとしての欲がないわけではない(それを失ったら終わりだ)。
ただそういった気持ちと、プロとして、そしてマネージャーとしての自分がすべきことは違う。
自分自身をしっかりと抑制しながら、一歩ずつ進んでいく。
自分自身のコントロールも出来ないやつが、マネジメントなど出来るわけはないから。

でも…いちプレーヤーで生きてきた自分が、様々な経験を経てマネジメントに関わる部分を任せてもらえるのは幸せなことだと思う。

多くのディーラー仲間がこの10年間で業界から去っていった。
過去、月間1億円以上の利益を出してきたような連中でさえも。

成功報酬の高さから、みんなこぞって契約ディーラーの道を選んだ。
結果として、プレーヤーとしての結果が出せなくなればそこでお終い。
それはしかたないことだと思う。

40代になってから、定職がない、アルバイト、事務…。
家族がいれば守らなければならない。
そのためには選んでいられない。
多くの友人がそういった挫折をしていった。
過去にどれだけの実績を残していても…。

本来ならば、マネジメントへの移行をしていくべき年齢。
そのときに生活すらままならない状況に陥る。

40前後ってすごく色んな変化がある。
自分の限界を感じる年でもある。
プレーヤーとして、ただ前だけを見ていた20代、30代とは大きく違ってくる。
これからの50になったとき。
いい40代だったと思えるようにいるためにどう生きるべきなのか。
自分もすごく悩んだ。


しかし、契約ディーラーを選んだ仲間たち。
いちプレーヤーとして生きる道を選んだのなら、なぜもっと必死にやらないのだろう?
親しい友人たちだが、そう感じてしまう。

オレたちディーラーにとって、相場は戦場だ。
生きるか死ぬかの戦いをしている場所。

なのに相場のことを知ろうともせず、新聞も読まず、ただゲームの延長線上でしかやらない。
9時にきて3時に帰る。
そしてあとは飲み。
結果が出せているならいい。
でも結果がロクに出ていないのになぜ努力しないのか?

それで10年20年勝ち続けられると思っているのだろうか?
そんな甘い世界ではない。
自分に厳しくなれないのなら、勝負の世界にはいない方がいい。
いずれつらい時が来ることになるから。

時代が変わり、環境は変化する。
システムの高度化・高速化はアルゴリズム・トレーディングの台頭を促し、オレたちが戦う敵は機械になっていった。

市場のすきまはどんどんなくなっている。
弱いヤツからつぶれていく。

いちプレーヤーとして勝ち続けること。
それもプロとして会社に貢献できるだけの利益を残し続けること。
それはロクに努力もしないで出来ることではないと思う。
それが出来るヤツがいるとすれば、ホンの一握りの天才だけだろう。

契約ディーラーは成功報酬は高い。
ただその道を選ぶ以上、覚悟は必要だ。
最近、仲良くさせてもらっている若手のディーラーには、覚悟が出来てるな…と感心させられるヤツも何人もいる。

でも半端な気持ちでやるのなら、やめた方がいい。
これからの時代。
恐らく地場証券のディーリングはさらに縮小していくだろう。
リストラ、部門閉鎖、自主廃業…。

そんな中でいちプレーヤーとして勝ち続けたいのなら、それだけ懸命に努力しなければならない。
ただその努力が報われたとき、大きな成功が待っているのもこの世界だと思う。
そのためにする努力に無駄なことなんてないと思う。
凡人のオレでもここまでこれたんだから。

後輩たちに厳しい先輩と思われても、彼らが選ぶ道の厳しさを伝えなければ。
そして出来るなら、その努力が報われたときの喜びをマネジメントの立場から、共に喜びたいものだ。

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プロフィール

tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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