【コラム】フィスコ『週刊展望』今週のワンポイント~オプション取引⑨
フィスコ『週刊展望』今週のワンポイント(2001年)より
オプション リスク・パラメータ
セータ
前にオプションのプレミアムには、本質的価値と時間的価値があることを説明しました。オプションは毎月SQで清算されます。その清算日までの残存期間が長ければ長いほど時間的価値は高まります。単純にいえば、3日で1000円動くよりも、30日で1000円動く方が可能性としては高いですよね。その分、オプションの時間的価値も高い訳です。そしてSQが近づいていくにつれ、その可能性は減っていくため(時間的価値の減少)、プレミアム(価格)も安くなっていき、最終的には本質的価値(コールの場合は現指数-権利行使価格)だけとなり、時間的価値は消滅します。この時間的価値の減少のことをセータと呼びます。この数値は一日経過したときに、プレミアム(価格)がどれだけ減少するのかを示すものです。
ガンマショート(オプションを売る)のポジションにおいては、このセータが味方になります。日数が経過すればするほどプレミアムが下がり、そのポジションは収益を生み出していきます。下のグラフは、指数が11000円の時のアット・ザ・マネーのコールオプションの価格を日数経過に従ってシュミレーションしたものです(ボラティリティは25%と仮定)。残存期間が短くなればなるほど、時間的価値は加速的に減少していきます。

逆にコールオプションを買う場合、この時間的価値の減少に十分注意を払わなければなりません。セータ(プレミアムの減少率)はアット・ザ・マネーの時に最大となり、そして残存期間が少なくなると減少率は増加していきます。こういった特徴を念頭におきながら戦略を練っていく必要があるのです。
オプション戦略の一つの方法として、オプションを売り(ストラングル、ストラドルの売り)、先物を使ってデルタを極力ニュートラルに調整すること(デルタ・ヘッジ)によってリスクをコントロールしながら、時間的価値の減少を収益につなげていく方法があります。
またこの残存期間の差によるセータの落ち方の差を取りにいく方法として、カレンダー・スプレッド(期近売り期先買い)なども考えられます(自分はやったことありませんが)。
このようにオプション戦略において重要なことは、相場の流れを読むことだけではなく、ボラティリティの変化を読むこと、そして時間的価値の減少をどう読むかも重要な要素になっていくのです。リスクパラメータの性質を理解するということです。
より専門的かつ高度なレベルのオプション・プレーヤーはOTC(相対取引)によって1年~2年先のオプションも使って『より立体的』なポジション運用をしている人もいます。
自分にとってはその姿をみて、正直カルチャーショックでした(^^ゞ日系中小証券でそこまでの運用をしている人は皆無ですから。運用の世界の広さを感じた一幕でもあります。
オプション リスク・パラメータ
セータ
前にオプションのプレミアムには、本質的価値と時間的価値があることを説明しました。オプションは毎月SQで清算されます。その清算日までの残存期間が長ければ長いほど時間的価値は高まります。単純にいえば、3日で1000円動くよりも、30日で1000円動く方が可能性としては高いですよね。その分、オプションの時間的価値も高い訳です。そしてSQが近づいていくにつれ、その可能性は減っていくため(時間的価値の減少)、プレミアム(価格)も安くなっていき、最終的には本質的価値(コールの場合は現指数-権利行使価格)だけとなり、時間的価値は消滅します。この時間的価値の減少のことをセータと呼びます。この数値は一日経過したときに、プレミアム(価格)がどれだけ減少するのかを示すものです。
ガンマショート(オプションを売る)のポジションにおいては、このセータが味方になります。日数が経過すればするほどプレミアムが下がり、そのポジションは収益を生み出していきます。下のグラフは、指数が11000円の時のアット・ザ・マネーのコールオプションの価格を日数経過に従ってシュミレーションしたものです(ボラティリティは25%と仮定)。残存期間が短くなればなるほど、時間的価値は加速的に減少していきます。

逆にコールオプションを買う場合、この時間的価値の減少に十分注意を払わなければなりません。セータ(プレミアムの減少率)はアット・ザ・マネーの時に最大となり、そして残存期間が少なくなると減少率は増加していきます。こういった特徴を念頭におきながら戦略を練っていく必要があるのです。
オプション戦略の一つの方法として、オプションを売り(ストラングル、ストラドルの売り)、先物を使ってデルタを極力ニュートラルに調整すること(デルタ・ヘッジ)によってリスクをコントロールしながら、時間的価値の減少を収益につなげていく方法があります。
またこの残存期間の差によるセータの落ち方の差を取りにいく方法として、カレンダー・スプレッド(期近売り期先買い)なども考えられます(自分はやったことありませんが)。
このようにオプション戦略において重要なことは、相場の流れを読むことだけではなく、ボラティリティの変化を読むこと、そして時間的価値の減少をどう読むかも重要な要素になっていくのです。リスクパラメータの性質を理解するということです。
より専門的かつ高度なレベルのオプション・プレーヤーはOTC(相対取引)によって1年~2年先のオプションも使って『より立体的』なポジション運用をしている人もいます。
自分にとってはその姿をみて、正直カルチャーショックでした(^^ゞ日系中小証券でそこまでの運用をしている人は皆無ですから。運用の世界の広さを感じた一幕でもあります。