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【コラム】フィスコ『週刊展望』今週のワンポイント~オプション取引⑧

フィスコ『週刊展望』今週のワンポイント(2001年)より

オプション リスク・パラメータ

ガンマ

 前回、解説したデルタはアウト・オブ・ザ・マネーであればあるほど0に近づき、アット・ザ・マネーで0.5、そしてイン・ザ・マネーになればなるほど1に近づいていきます。このデルタの変化(傾き)を表すのがガンマです。同じ10000円のコール・オプションでも日経平均株価が9500円の時と、10500円の時とではデルタは全くことなりますし、そのリスクも大きく違ってきます。つまり見た目上デルタがニュートラルであっても、翌日に相場が急落した場合、ガンマによって大きな変化が生じ、大きな損失を生むこともありえるのです。例えば、前に解説したストラドル(ストラングル)の売りなどはコールとプットを同時に売るため、デルタが大きく傾くことはありません。そのデルタだけを見ていれば、日経平均株価が上がろうが、下がろうが、一見あまりリスクはないように見えます。しかし、翌日日経平均株価が急落し、1000円下がったとしたら、そのポジションは多大な損失を生むことになります。その要因となるのがガンマリスクなのです。オプションのリスク・パラメータにおいて最も分かりづらいパラメータかもしれませんが、ガンマはそれほど重要なものだといえます。

 ガンマがマイナスであるとき(ネガティブ・ガンマ)、そのポジションは相場が変動しなかった場合に利益となります。逆にガンマがプラスであるときは相場が大きく変動した場合に利益となるのです。

 では実際にシュミレーションしてみましょう。日経平均株価10000円の時、同権利行使価格のコールとプットを10枚ずつ売ったとします。日経平均株価10000円の時のデルタはほぼゼロです。つまり見た目では相場変動に対してあまりリスクを負っていないように見えます。しかし、日経平均株価が1000円下落したとき、そのデルタは限りなく10に近づき、その想定損失額は700万円にもなります。しかも相場が逆に上昇しても同じなのです。

 相場の方向性(=デルタ)がゼロのはずなのに相場変動で損失が出る。その要因がガンマにあるのです。
 このようにその時のデルタだけでリスクを考えていると非常に危険です。株価変動とともにデルタは変化します。その変化を示すガンマと合わせてポジション運営をしていく必要があるでしょう。

 ガンマの値はアット・ザ・マネー(権利行使価格と日経平均株価が同じ水準)のときに最大値となります。つまり、アウト・オブ・ザ・マネー(権利行使価格の遠いオプション)のときはガンマが小さくても、株価の下落によってそのプットオプションの権利行使価格に近付けば近付くほど、雪だるま式にデルタは傾いていきます。




しがないディーラーのブログ

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OP取引

先日に続いて投稿させていただきます。
新生活の出発で忙しいにもかかわらず、貴殿のOP取引のコラムを読ませていただいております。

Re:OP取引

>奥嶋芳樹さん

ありがとうございます。
プロフィール

tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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