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【相場雑感】J-GATE

今日から大証J-GATEが稼働する。
今、注文受付開始のところを見ていたが、あっという間に1000枚以上の板が並んだ。寄り付きの概念がなくなり、注文受付と同時に全ての注文が価格優先、時間優先で執行されるように制度変更されたためだ。

さらに昼休みもなくなる。

発注形態もFOK(Fill or Kill…発注数量全てが約定しない場合は全数量を失効させる)やFAK(Fill and Kill…一部約定後に残る未執行分を失効させる)などが加わる。

この辺りは全て海外取引所の仕様を踏襲する形になる。
そしてそういった特殊な発注形態を使うのはほとんどアルゴやHFTの連中だ。

このシステムおよび制度変更は日本市場の特殊な取引慣行が海外勢の参入障壁になっているとの見方から、それを海外に合わせることで海外投資家の参入を狙ったものだ。

昨年のアローヘッドがそうであったように、システムや制度の変更は短期運用者への影響は大きい。

一昔前、手口が非公開になったとき、一番おいしい思いをしたのは地場証券の大口ディーラーだった。
デカイ玉を振り回しても手口がバレないから、提灯がつきやすくなり、より抜きやすくなった。

そしてアローヘッドはシステムのみならず呼値の変更もあって、そういった大口の一カイ二ヤリプレーヤーに大きなダメージを与えた。

ただ一歩引いて考えると、中長期のキャリートレードをしているような運用者にとっては瑣末なことになる。

コンピュータによる市場の支配率が高まる中で、最初はアービトラージ(裁定取引)、そして短期運用にまでその影響力は及び始めている。

2年ぐらい前から『原点回帰』をずっと言い続けているが、運用の根本にかえり『相場を取る』ということが、人間によるトレーディングには求められている。

そういったスパンではそういったシステム変更も、HFTもノイズにしか過ぎない。

地場証券の多くが日計りに徹するようにディーラーを抑制してきた。それがアローヘッド稼働で裏目に出て、結果として一カイ二ヤリ的な運用、小さな運用に特化させてきた証券(ディーリング部)の低迷は著しい。

さて『J-GATE』どうなることやら…。

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プロフィール

tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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