【回想録】壊れていく夢…2
危機を乗り越えてホッと胸をなでおろす間もなく、矢継ぎ早に投資家からの圧力がかけられてきた。
我々が使っていたトレーディング・システムは本来は地場証券向けのシステムで、我々のようなヘッジファンドで使えるものではなかった。
しかし、投資家がトレーディング・システムのビジネスをしていきたいということと、システム会社サイドも地場証券に完全に依存したビジネスモデルを転換する必要があるというニーズが合致し、自分が間を取り持つ形でヘッジファンド(バイサイド)向けシステム開発で合意していた。
基本的に『(価格的に)高い』システム。我々のようなベンチャー的なヘッジファンドが抱えられる代物ではない。
しかし、我々はそのパイロット・ユーザーとして使用および開発協力という役割を担い、そのかわりに最低限の使用料でかまわないという約束を投資家と結んでいた。システム会社からの請求書は投資家サイドでいったん引き受け、その後我々に対して最小限のチャージをするという約束だった。
それなら何とか…ということで自分も引き受けたはずだった。
ある日、トレーディングシステム会社の担当者から突然連絡が入る。
請求書のあて先を変更しろと投資家サイドから要求があったとのことだった。請求書はアクシア(我々の会社)。
何も聞いていなかった。
すぐに投資家に問い合わせる。
『他に客がいないんだから、コストをあなたのところが全部引き受けるのは当たり前でしょう。』
と一方的な話。何の断りもなく過去の分までさかのぼって請求すると言ってきた。
本来なら受け入れ難い話だし、戦うべきところだが、我々は彼に資本の面でも依存していた。いわば彼はオーナー。
結局、資本が減るといっても彼自身の資金であることは事実だし、要するに彼の立場から見れば、どの財布からお金を出すかということにしかならない。
一気に資本金は減っていく。
受け入れるしかなかった…。
我々が使っていたトレーディング・システムは本来は地場証券向けのシステムで、我々のようなヘッジファンドで使えるものではなかった。
しかし、投資家がトレーディング・システムのビジネスをしていきたいということと、システム会社サイドも地場証券に完全に依存したビジネスモデルを転換する必要があるというニーズが合致し、自分が間を取り持つ形でヘッジファンド(バイサイド)向けシステム開発で合意していた。
基本的に『(価格的に)高い』システム。我々のようなベンチャー的なヘッジファンドが抱えられる代物ではない。
しかし、我々はそのパイロット・ユーザーとして使用および開発協力という役割を担い、そのかわりに最低限の使用料でかまわないという約束を投資家と結んでいた。システム会社からの請求書は投資家サイドでいったん引き受け、その後我々に対して最小限のチャージをするという約束だった。
それなら何とか…ということで自分も引き受けたはずだった。
ある日、トレーディングシステム会社の担当者から突然連絡が入る。
請求書のあて先を変更しろと投資家サイドから要求があったとのことだった。請求書はアクシア(我々の会社)。
何も聞いていなかった。
すぐに投資家に問い合わせる。
『他に客がいないんだから、コストをあなたのところが全部引き受けるのは当たり前でしょう。』
と一方的な話。何の断りもなく過去の分までさかのぼって請求すると言ってきた。
本来なら受け入れ難い話だし、戦うべきところだが、我々は彼に資本の面でも依存していた。いわば彼はオーナー。
結局、資本が減るといっても彼自身の資金であることは事実だし、要するに彼の立場から見れば、どの財布からお金を出すかということにしかならない。
一気に資本金は減っていく。
受け入れるしかなかった…。