【回想録】新しい道へ…5
日本で他人のお金を預かって運用するということは実にハードルが高い。
『投資家保護』
の名のもとに規制が強く、そしてハードルが高く設定されているためだ。
完全に運用者の自主判断のみで売買を執行したい場合は『投資一任』を取得する必要がある。
しかし、これは認可を得るまでが非常に大変な代物。
専任のコンプライアンス担当者がいること、その他にも人的には7名~8名前後の人員構成が必要と認識されている(少なくとも設立する側の多くがそう認識)。
しかも認可が下りるまで時間がかかる(半年~一年)。
一時期は認可すら取れない…なんて言われていた時期もあるぐらいだ。
もし8人の人員を雇用して、認可取得の申請をして半年待つ(認可が下りるまで運用業務は出来ない)。
1人500万円の給料としても2000万は半年の間に消えていく。
そしてそれなりのスキルを持った人員なら、人件費はもっと高くつく。
そしてファンドのストラクチャリング費用に2000万程度はかかるんじゃないかな。
弁護士費用だの、オフィス、端末などの環境整備だの…etc。
そうやって考えると資本金1億円程度はないととてもじゃないが、維持できない計算になる。
ベンチャー的なファンド設立において、独立系資本では簡単にはいかない理由がそこにある。金融機関の傘下とかなら話は別だが…。
要するにお金と時間がかかり過ぎるのだ。
そして、結果として香港やシンガポールにみんな流れていく。
向こうでファンドやっている友人のほとんどが1人~数名の規模でのヘッジファンドだ。
税金の格差もあるが、それだけで彼らが海外を選んだワケではない。
次に選択肢として考えられるのが『助言』。
こちらは比較的コストも安く、『一任』に比べればハードルは低い。
ただこれはあくまでも『助言』を行うだけというスキーム。
つまり自分が「誰か」に助言をして、発注自体はその「誰か」が行う必要がある。
その誰かは大体の場合、シンガポールか香港にある運用会社。
そこに発注を依頼(助言)して、運用を行わなければならない。
ロング・ショートなど中長期的な運用を行うヘッジファンドならそれでもいい。
しかし、日計り主体の短期運用でそれを行うのはおよそ現実的ではない。
メタビットなど一部のシステムでは『助言機能』なんてものを搭載しているものもあるが、やはり売買執行はスムーズにはいかないし、(短期運用において助言でやっているということ自体が)ちょっとばかりグレーゾーン。
そうなると日本では出来ない。
なんてことになるからみんなヘッジファンド設立を目指す人たちは海外にいってしまう。
しかし、そこでマーケットフォーラムをやっていたことが役に立った。
金融庁の方から金商法63条という法律の存在をアドバイスしてもらったのだ。
そして時を同じくして、PB(プライム・ブローカー)からも同法案を根拠にしたファンド設立が可能ではないかとの提案を受けた。
さっそく投資家と相談して、弁護士に確認・意見書を取り、これで『日本でもやれる』と確信するに至った。
送別会月間だったとき、多くの人たちが
『みんなシンガポールにいっちゃうんだね…』
と残念そうに言っていた。
当局の人も、取引所の人も、運用者も、情報会社の人も…。
自分にも出来るのなら日本でやりたいという思いは強くあった。
でも日本では難しい…という意識が強かったため、ヘッジファンド設立を目指すうえでシンガポールに行くことに違和感はなかった。
日本でならといった仲間たち。
そして日本でも立ち上げられると判断できる材料は揃った。
帰国のときは近づいていた。
『投資家保護』
の名のもとに規制が強く、そしてハードルが高く設定されているためだ。
完全に運用者の自主判断のみで売買を執行したい場合は『投資一任』を取得する必要がある。
しかし、これは認可を得るまでが非常に大変な代物。
専任のコンプライアンス担当者がいること、その他にも人的には7名~8名前後の人員構成が必要と認識されている(少なくとも設立する側の多くがそう認識)。
しかも認可が下りるまで時間がかかる(半年~一年)。
一時期は認可すら取れない…なんて言われていた時期もあるぐらいだ。
もし8人の人員を雇用して、認可取得の申請をして半年待つ(認可が下りるまで運用業務は出来ない)。
1人500万円の給料としても2000万は半年の間に消えていく。
そしてそれなりのスキルを持った人員なら、人件費はもっと高くつく。
そしてファンドのストラクチャリング費用に2000万程度はかかるんじゃないかな。
弁護士費用だの、オフィス、端末などの環境整備だの…etc。
そうやって考えると資本金1億円程度はないととてもじゃないが、維持できない計算になる。
ベンチャー的なファンド設立において、独立系資本では簡単にはいかない理由がそこにある。金融機関の傘下とかなら話は別だが…。
要するにお金と時間がかかり過ぎるのだ。
そして、結果として香港やシンガポールにみんな流れていく。
向こうでファンドやっている友人のほとんどが1人~数名の規模でのヘッジファンドだ。
税金の格差もあるが、それだけで彼らが海外を選んだワケではない。
次に選択肢として考えられるのが『助言』。
こちらは比較的コストも安く、『一任』に比べればハードルは低い。
ただこれはあくまでも『助言』を行うだけというスキーム。
つまり自分が「誰か」に助言をして、発注自体はその「誰か」が行う必要がある。
その誰かは大体の場合、シンガポールか香港にある運用会社。
そこに発注を依頼(助言)して、運用を行わなければならない。
ロング・ショートなど中長期的な運用を行うヘッジファンドならそれでもいい。
しかし、日計り主体の短期運用でそれを行うのはおよそ現実的ではない。
メタビットなど一部のシステムでは『助言機能』なんてものを搭載しているものもあるが、やはり売買執行はスムーズにはいかないし、(短期運用において助言でやっているということ自体が)ちょっとばかりグレーゾーン。
そうなると日本では出来ない。
なんてことになるからみんなヘッジファンド設立を目指す人たちは海外にいってしまう。
しかし、そこでマーケットフォーラムをやっていたことが役に立った。
金融庁の方から金商法63条という法律の存在をアドバイスしてもらったのだ。
そして時を同じくして、PB(プライム・ブローカー)からも同法案を根拠にしたファンド設立が可能ではないかとの提案を受けた。
さっそく投資家と相談して、弁護士に確認・意見書を取り、これで『日本でもやれる』と確信するに至った。
送別会月間だったとき、多くの人たちが
『みんなシンガポールにいっちゃうんだね…』
と残念そうに言っていた。
当局の人も、取引所の人も、運用者も、情報会社の人も…。
自分にも出来るのなら日本でやりたいという思いは強くあった。
でも日本では難しい…という意識が強かったため、ヘッジファンド設立を目指すうえでシンガポールに行くことに違和感はなかった。
日本でならといった仲間たち。
そして日本でも立ち上げられると判断できる材料は揃った。
帰国のときは近づいていた。