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【雑感】コロナ禍の一年を振り返って①

『いつ振りだろう?』
と自分で思うぐらい、久し振りにブログを更新します。
何か伝えたいものやメッセージがあったときに書くぐらいの気まぐれブログなので…。

コロナ禍の一年。
人生が変わってしまったり、未来が閉ざされてしまったと感じてしまうような状況に追い込まれた人も少なからずいたと思います。
自分にとっても、とても苦しく辛く、長い一年でした。

自分が暮らしているシンガポールでは、足元のコロナ感染者は市中感染はほぼゼロが続いています。
一時期、破綻しかけていたドミトリー(外国人労働者が主に暮らす寄宿舎)の感染拡大も抑え込みに成功し、毎日政府からのWhatsAppでの通知に出てくる感染者は、ほぼ全て海外からの渡航者です。水際対策も強固なものがしかれているため、外で買い物したり、食事したりする際に感染への不安を感じることはあまりありません。

TraceTogetherというアプリのインストールを義務付けられており、ショッピングモールや店舗・レストランに入るには、そのアプリを使ってSafeEntryという入退室管理と体温測定をしないと出入りが認められないため、感染経路の把握もしっかりしています。実際に自分が訪れたショッピングモールで感染者が出たという警告通知などもきていました。熱があれば、どこのお店にも入れないので結局発熱があったりすれば外出もしなくなります(自分は幸運なことにこの期間ずっと平熱でしたが)。

Covid-19対策という面では、シンガポールは成功している国と言っていいでしょう。
それもこれも国のリーダーシップと規制・罰則が明確だからでしょう。
不平不満があっても、それは政治にいきますから、民間での認識の相違による揉め事はあまり目にしません。

ここまで成功しているからには、規制や罰則も厳しいものがあります。
自分はサーキット・ブレーカー(CB)になる前の2月下旬から、未だに在宅勤務を継続しています。
オフィスの利用率制限や、チーム分けを行ってビジネスの継続性を担保することなど、政府から明確なガイドラインを示されており、それに従う必要があります。
基本的には、オフィスじゃないと業務が出来ない理由が示せない限りは、在宅勤務をさせなさいというスタンスです。
チーム内のコミュニケーションもオンラインが基本。
かつてあったような雑談や、メシを一緒に食ったり、飲んだり…そんな日常は失われたままです。

レストランも営業時間は22時半まで。
それ以降に営業していたりすると、店舗は営業停止に追い込まれます。
集まっていい人数は5人まで。
それを超えて集まっていると厳しい罰則が待っています。
マスク着用は義務(運動時などの場合を除く)。
こちらも違反すれば罰金です。
規制に違反した人が、ビザはく奪されて帰国せざるをえなかった例もあると聞いています。
カラオケ店や接待を伴う飲食店、(外国人向け)観光ビジネスは完全にクローズ状態。

何度か日本への一時帰国も考えましたが、シンガポールに戻るにあたってはSHN期間(14日間)の問題があります。指定されたSHN施設(政府が確保しているホテル)での滞在が義務付けられており、その費用は一人2000SGDを自己負担する必要もあります。
また一度海外に出てからコロナに感染した場合、その医療費については自己負担になります。おとなしく国内にとどまっていれば、政府がその治療費はカバーしてくれるので、医療費が高額になりがちなこの国においては、それも大きなリスクです。
通常、民間保険会社の保険に加入するのですが、保険の内容によってはパンデミックは適用外という場合もあるので要注意です。骨折一つで数十万円かかりかねないこの国ですから…。

こんな風に日常は大きく変わってしまったままです。
それだけの行動制限と管理体制の下だからこそ、今こうして安心して外出したり、人と会ったりも出来るようになってもいます。

毎日、日本のニュースを見ていて感染者が増え続けていく状況を心配しています。
大切な家族や友人がそこにいますから、他人事ではありません。
前回、家族とあったのは、2月だったかな。
オンラインでしか会話できていません。それでもLINEもZOOMもない時代に起きていたと想像したら、かなりマシですけど。

この一年ほど家に居続けたことはありません。
でもそれを乗り越えることができた理由にもなった嬉しい出来事もありました。

そしてこの一年のマーケット。
スペイン風邪以来の100年振りのパンデミックと、それが市場に与えた大きな歪み。
その中で、すごくうまくいった運用者もいれば、とても苦しんでしまった運用者もいます。
マーケットで起きていたこと、様々なものを見ながら、自分もそれに寄り添い、向き合い、悩みました。日本にいる後輩達や様々な立場の人とも向き合ってきました。
引き籠りなんで、全部オンラインですけど…。
ホント運用者も二極化だったと思います。

自分も含めて経験したことがないような事象(パンデミックとそれが与えた社会変容)の下で、中央銀行の金融政策をはじめ、様々なものが極端な状態になり、見たことがないようなレベルでの歪みを市場にもたらしました。
そのマーケットへの適応ができた人と、従来の考え方や経験に基づくアプローチにこだわってしまった人。そこに大きな差がついてしまったのかなと感じています。

ただ相場の中で、負けること、間違ることは必ずあります。
今年、何度か後輩たちに伝えた言葉。
「負けてもいい。間違えてもいい。ただその負けで運用者としての未来を閉ざすような戦い方だけはするな。」
負け方がどれほど難しく、そして重要であるかが問われた一年でもあったと思います。
もちろん勝っていたり、うまく乗り切っている後輩も少なからずいますが、今年は特に「負け方」が難しい一年だったと感じています。

切り替えさえできれば、こんなに極端に動くマーケットは大きなチャンスにもなったはず。
だからといって、切り替えができなくて、うまく乗れなかったからといって、通常の(我々の経験則の範囲で推し量れた)マーケットで稼ぐ力までが否定されるわけではありません。
大事なことはリングに立ち続けること。
現在のマーケットに合っていない、見えていない、こんなの理解できない、そう感じている時は勝負にこだわらず、ガードを固めて耐える時期も必要。
相場を俯瞰し、冷静に、客観的に見直し、見えていなかったものが見えてくるまで待つことも大事。

そういうときに「損を取り返す」という主観や自分の気持ちだけで向かっていけば、必ず追い込まれてしまう。相場は自分の都合では動いてくれないのだから。
どんなに利益を出しても、どんなに損失を出しても、それは過去に過ぎない。
運用者である以上、現在と未来が大事。
過去を引きずって、現在と未来にバイアスかけてしまったら、それはうまくいかない。

若い運用を志す人たちに、運用者としての未来を創る。
夢を実現できる道筋を創る。
それが自分がこの十年志してきたものです。
現在がどんなに困難でも、これからまだ苦しいことが沢山あったとしても、そう簡単に諦めたり投げ出したりすることは出来ないと思っています。

お金も経験もない若者が運用者として挑戦できる場所としてのディーリング。
そこで運用を経験し、学び、成長するプロセス。
そしてより大きな運用をしたい者は、運用者として投資家の資金を受託し、より大きな世界で戦える場所(ファンド)にいける。

ファンドを作るプロセスは、語学だけではなく、専門的な知識も必要だし、日本法のみならず、IMの所在地(例:シンガポール)の法律や税制、ファンド(例:ケイマン諸島)の所在地の法律や税制を理解しないといけないし、コンプライアンスやAMLについても色々と厳しく求められることが多くあります。もちろん第三者からお金を預かるには、法律に基づいたライセンスや認可が必要にもなります。
成功している個人投資家でも、将来ファンドを立ち上げたいと思う人もいるでしょう。『稼ぐ能力には長けているけれど、そういった面倒なことはちょっと勘弁』。いつかそういう人たちにも道を作っていければいいなと思ったりもしています。

十年前にそれを語っていたとき、自分以外の誰もそれが形になるとは信じていなかったと思います。
それが形にはなっている現在がある。
まだ自分の夢を追いかけている後輩たちが沢山ここに居てくれる以上、それが自分のモチベーションであり、強さにもなります。

「強さ」にも色々とあります。
硬いけれどポキッと折れてしまうような「強さ」ではなく、しなるけれど折れない「強さ」を。
負けることがあってもいい、負けから学び、経験とし、成長し、より強くなればいい。
「この人すごいな」、「この人強いな」、と思う人はみな、挫折を経験し、それと向き合い乗り越えてきた人たち。
苦しい時だからこそ、見えるもの、感じられるものもある。
一つ残らず無駄にせず、未来に繋げていけばいい。
それを出来たとき、運用者としても、人としても、必ず大きく成長する。

それぞれの運用者に夢があり、未来があります。
だからこそ、一つの勝負、一時期の相場で、全てを賭けてしまうような勝負をし、未来を閉ざしかねないような戦い方をしないこと。
マーケット(人生)はまだまだずっと続くのだから。

ここ数か月、何人かの後輩にかけたメッセージです。
プロフィール

tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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