【マーケット】想像力の大切さ
【想像力】これってとても大切なものだ。
現在、起きていることから将来を予測していくうえではとても大事なもの。
人間の思考や予測には、常にバイアスがかかるものだ。『自分は新型コロナウイルスにはかからない』『自分の国は大丈夫』…。何故か、自分はそのリスクには自分は直面しないと都合の良い方に解釈しがち。『楽観バイアス(認知バイアスの一つ)』というものらしい。
そこにポジション抱えていたら、そりゃ余計にそう考えたくもなるだろう。楽観バイアスは必ず強化されてしまう。どんなに論理的に、客観的に考えているつもりでも。
自分が現役時代、失敗したり、読み誤ったと判断したら、すぐにロスカットし、ポジションを極力フラットにしていたのは、自分の中にあるそういったバイアスを排除するためでもあった。
【楽観バイアス】
https://www.google.com/amp/s/www.weblio.jp/content/amp/%25E6%25A5%25BD%25E8%25A6%25B3%25E3%2583%2590%25E3%2582%25A4%25E3%2582%25A2%25E3%2582%25B9
今回の新型コロナウイルスの感染拡大と、世界のマーケットで起きた大混乱は、それを改めて痛感させられる展開だった。
武漢の人々、中国の人々がパニックを起こし、東京に匹敵する規模の都市が封鎖されても他人事としてしか捉えず、過剰かつ滑稽なまでに感染を恐れる人々をテレビやSNSを通じて見て、それを笑っていた人がどれほど多かったことか。想像力の欠如なのか、楽観バイアスによるものなのか…。
そして現在、そのリスクが自分たちの身にも降りかかってきている。その結果が、このマーケットであり、世界で起きている混乱なのだろう。
ポジションがないからこそ、客観的にも判断できるし、バイアスをより排除しやすいこともある。
このリスクに警鐘を鳴らした人はごく僅かだった。出てくる数値や情報を把握、分析し、予測する。自分はそう心掛けて、最悪を想定していたつもりだった。でも世界の現実は、その予想すら超えている。
自分は、世界の主要国での感染拡大は、中国の武漢以外の主要都市レベルで抑制出来ると期待していた。まさかイタリアを中心とした現在のヨーロッパのような状況を見ることになるとまでは予想できていなかった。
株価についても、その予想の根底が間違っている以上、想定していたよりも厳しいことになっている。
なんだかんだいっても、世界の経済や金融の中心的な存在である米国。この国が欧州のような状況に陥る可能性を考慮し、オリンピックが延期もしくは中止に追い込まれるリスクまで考えれば、『鍋の底はもう一回抜ける』かもしれない。
GPIF、日銀、自社株買い。先週の主要な買い手はこの辺だろう。全体的なリスクオフ、現金化の流れは変わっていない。それがアルファの崩壊や、REITの暴落に現れている。少しは落ち着くかもしれないが、この手の動きは連鎖することには注意が必要だ。
論理的に考えれば、『異常な価格』なんだと思う。数ヶ月、数年というタームで見れば、チャンスなのかもしれない。でも過剰流動性に支えられて生み出されてきたリスクマネーは、現在パニックを起こしている。いち早くリスク資産から逃げ、余力を残している人だけが、そのミスプライスをチャンスにも出来るのだろう。
『想定していなかった状況』に陥ったとき、そのまま取り返そうとバタバタもがくのではなく、いったん冷静さと客観性を取り戻す意味でも引いて待つことも大事だったりする。自分の中にある『バイアス』を除外するためにも。予想外の状況にある時点で、負けを認めるべきなのだから。
『取り返したい』『(予想もしていなかった)損失に感情的になる』『こんな水準で切りたくない』
そういった感情は主観的で自分の都合でしかない。
それがよりダメージを大きくする。
新型コロナウイルスの感染拡大は、欧米でピークに向かいつつある。抑制できているかに見える日本やシンガポールも、まだまだ予断を許さないだろう。特に日本はオリンピック開催がどうなるかによっては、もう一段のダメージを受ける可能性もある。中南米やアフリカでは致死率も高くなりやすいはずだ。マーケットへの影響は欧米がピークアウトしてしまえば落ち着くだろうが。
欧米での感染拡大がピークアウトすれば、マーケットは一定のリバウンド(数十%程度は)はしていくだろう。ただ今回のあまりにも大きく、急激に起きた暴落が、金融市場や経済に与えたダメージは計り知れない。
次の火薬庫に連鎖していくリスク。
リーマンブラザーズはいきなり倒産したわけではない。2007年に起きたサブプライムローン危機、クオンツの混乱とパリバショック、ペアスターンズの破綻、そしてリーマンだった。
中央銀行の政策に依存しきっていた各国政府や中央銀行に、こういった連鎖を止める力があるのかどうか?
償還のないリスク資産を買い入れ続けた日銀は既に多額の評価損失を抱えている。だいぶ前にアベノミクスや黒田日銀の取った政策の評価は十年経たないと適切な評価は出来ないと書いたことがあった。出口までうまく辿り着けるのか疑問だったからだ。そして今また世界の中央銀行の資産は急膨張していこうとしている。
これからの展開、そして中・長期的な予測においては、バイアスをもたずに、客観的に見極めていく必要があるだろう。特に債券市場の動向には注意しておきたい。
現在、起きていることから将来を予測していくうえではとても大事なもの。
人間の思考や予測には、常にバイアスがかかるものだ。『自分は新型コロナウイルスにはかからない』『自分の国は大丈夫』…。何故か、自分はそのリスクには自分は直面しないと都合の良い方に解釈しがち。『楽観バイアス(認知バイアスの一つ)』というものらしい。
そこにポジション抱えていたら、そりゃ余計にそう考えたくもなるだろう。楽観バイアスは必ず強化されてしまう。どんなに論理的に、客観的に考えているつもりでも。
自分が現役時代、失敗したり、読み誤ったと判断したら、すぐにロスカットし、ポジションを極力フラットにしていたのは、自分の中にあるそういったバイアスを排除するためでもあった。
【楽観バイアス】
https://www.google.com/amp/s/www.weblio.jp/content/amp/%25E6%25A5%25BD%25E8%25A6%25B3%25E3%2583%2590%25E3%2582%25A4%25E3%2582%25A2%25E3%2582%25B9
今回の新型コロナウイルスの感染拡大と、世界のマーケットで起きた大混乱は、それを改めて痛感させられる展開だった。
武漢の人々、中国の人々がパニックを起こし、東京に匹敵する規模の都市が封鎖されても他人事としてしか捉えず、過剰かつ滑稽なまでに感染を恐れる人々をテレビやSNSを通じて見て、それを笑っていた人がどれほど多かったことか。想像力の欠如なのか、楽観バイアスによるものなのか…。
そして現在、そのリスクが自分たちの身にも降りかかってきている。その結果が、このマーケットであり、世界で起きている混乱なのだろう。
ポジションがないからこそ、客観的にも判断できるし、バイアスをより排除しやすいこともある。
このリスクに警鐘を鳴らした人はごく僅かだった。出てくる数値や情報を把握、分析し、予測する。自分はそう心掛けて、最悪を想定していたつもりだった。でも世界の現実は、その予想すら超えている。
自分は、世界の主要国での感染拡大は、中国の武漢以外の主要都市レベルで抑制出来ると期待していた。まさかイタリアを中心とした現在のヨーロッパのような状況を見ることになるとまでは予想できていなかった。
株価についても、その予想の根底が間違っている以上、想定していたよりも厳しいことになっている。
なんだかんだいっても、世界の経済や金融の中心的な存在である米国。この国が欧州のような状況に陥る可能性を考慮し、オリンピックが延期もしくは中止に追い込まれるリスクまで考えれば、『鍋の底はもう一回抜ける』かもしれない。
GPIF、日銀、自社株買い。先週の主要な買い手はこの辺だろう。全体的なリスクオフ、現金化の流れは変わっていない。それがアルファの崩壊や、REITの暴落に現れている。少しは落ち着くかもしれないが、この手の動きは連鎖することには注意が必要だ。
論理的に考えれば、『異常な価格』なんだと思う。数ヶ月、数年というタームで見れば、チャンスなのかもしれない。でも過剰流動性に支えられて生み出されてきたリスクマネーは、現在パニックを起こしている。いち早くリスク資産から逃げ、余力を残している人だけが、そのミスプライスをチャンスにも出来るのだろう。
『想定していなかった状況』に陥ったとき、そのまま取り返そうとバタバタもがくのではなく、いったん冷静さと客観性を取り戻す意味でも引いて待つことも大事だったりする。自分の中にある『バイアス』を除外するためにも。予想外の状況にある時点で、負けを認めるべきなのだから。
『取り返したい』『(予想もしていなかった)損失に感情的になる』『こんな水準で切りたくない』
そういった感情は主観的で自分の都合でしかない。
それがよりダメージを大きくする。
新型コロナウイルスの感染拡大は、欧米でピークに向かいつつある。抑制できているかに見える日本やシンガポールも、まだまだ予断を許さないだろう。特に日本はオリンピック開催がどうなるかによっては、もう一段のダメージを受ける可能性もある。中南米やアフリカでは致死率も高くなりやすいはずだ。マーケットへの影響は欧米がピークアウトしてしまえば落ち着くだろうが。
欧米での感染拡大がピークアウトすれば、マーケットは一定のリバウンド(数十%程度は)はしていくだろう。ただ今回のあまりにも大きく、急激に起きた暴落が、金融市場や経済に与えたダメージは計り知れない。
次の火薬庫に連鎖していくリスク。
リーマンブラザーズはいきなり倒産したわけではない。2007年に起きたサブプライムローン危機、クオンツの混乱とパリバショック、ペアスターンズの破綻、そしてリーマンだった。
中央銀行の政策に依存しきっていた各国政府や中央銀行に、こういった連鎖を止める力があるのかどうか?
償還のないリスク資産を買い入れ続けた日銀は既に多額の評価損失を抱えている。だいぶ前にアベノミクスや黒田日銀の取った政策の評価は十年経たないと適切な評価は出来ないと書いたことがあった。出口までうまく辿り着けるのか疑問だったからだ。そして今また世界の中央銀行の資産は急膨張していこうとしている。
これからの展開、そして中・長期的な予測においては、バイアスをもたずに、客観的に見極めていく必要があるだろう。特に債券市場の動向には注意しておきたい。