【マーケット】相場について(個人的見解)
この厳しい相場環境で戦っている運用者に何をしてあげられるだろうか。
どんなサポートが必要だろうか。
そんなことを日々考えて、思いついたこと、ヒントを得たこと、やれることをやっているんだけど、現場で戦う厳しさを知っているだけに、やれることが少な過ぎる…。
強気相場のけん引役であった米国市場。その米国市場が新型コロナウイルス感染拡大を、(ようやく)我が身に降りかかるリスクとして認識し、織り込んできた。
これからまだ欧米での感染は拡大していく可能性が高いし、アフリカや中南米など医療環境が十分ではない国々への波及も見られ始めている。パンデミックの兆候が示されており、予断を許さない状況であることに変わりはない。
でもこの辺からは、この危機的な状況に対する政策対応を見極めるターンかな。
世界的な国家間の協調。
相当思い切ったことが必要になるだろう。
金融緩和による景気テコ入れは、そもそもマイナス金利にある国が多くある中ではすでに限界に近い。
財政出動・減税…あらゆる手段を各国が協調して行っていかないと効果は限定的だ。
日本は消費税率引き上げて、GDP思いっきり悪化させた後のこの状況だから、余計に質が悪い。
対策として出てくるのが、日銀によるETF買い入れ金額の引き上げって…。出口を模索しなければと思っていたところに、パニック的な下落が発生したから相場を買い支えるというのは、愚策としか感じられない。
ダメージを受ける国民生活や経済活動に対するもっと直接的な刺激策が必要だろう。
超低金利を続けてきてしまったがゆえに、中央銀行が打てる政策余地はあまりにも限られている。
それでも新型コロナウイルス感染拡大へのパニック的な売りは、ブル相場の中心的な存在であった米国市場が陥落したことで、短期的な底打ちも近いだろう。
ただその後、どこまでリバウンドが出来るのか?
政策対応余地があまりに少ない現状において、完全なブル相場への回帰は容易なことではないだろう。
そして原油市場の急落も合わせて、ほぼ全ての資産クラスで生じたマーケットの萎縮と激変によって、本格的な資金収縮の動きが生じるようだと、もう一つの爆弾であるCLOなどに点火してしまう危険もある。
中央銀行がリスクの取り手となり、金利をマイナスにまで低下させて過剰流動性を生み出してきた状況が、リスクに鈍感な状態を作っていた。そんな中でCLOのリスクなども以前から指摘されていたことでもある(昨年10月のBloombergのk時)。
https://www.bloomberg.co.jp/…/art…/2019-10-25/PZTSZH6JTSE801
新型コロナウイルス感染拡大に伴う下落局面は、感染拡大自体が織り込まれていけば徐々に落ち着きを取り戻していくだろう。
長い戦いにはなるだろうけれど、終わりがない戦いではないのだから。それを示すかのように、発端となった中国の感染者数の拡大はピークアウトしつつある。
ただ今回のマーケットの激変が、水面下で様々なところにダメージを与えた。これから数か月、半年、一年…まだまだ相場全体としては楽観はできない状況が続くだろう。
あくまでも個人的な見解です。