【回想録】崩壊のとき…2
主だったIT関連株の高値は2000年2月。
しかし、日経平均株価の高値20833.21円は4月。
若干のタイムラグがあった。
残り火とでもいうのだろうか。
そこにトドメを刺したのは日経平均株価採用銘柄の大量入れ替えだった。
2000年4月15日(ちなみに土曜日。F社のコラム書いてる最中で「何やってんだよ!」と思った覚えがある)。
日経平均株価を算出している日経新聞社は同指数採用銘柄の大量入れ替えを発表した。
同月24日から225銘柄中の30銘柄を入れ替え、『産業構造の変化に対応する』とのこと。
ITバブルで蚊帳の外に置かれていた重厚長大産業銘柄を排除し、IT関連銘柄を集中的に採用した。
これが市場を一気に壊した。
算出方式が修正単純平均である日経平均株価には『除数』というのがある。
この入れ替えで、その除数が一気に跳ね上がることになった。
基本的に株価の高い銘柄が採用され、株価の安い銘柄が除外される場合、除数は上昇する。そのときの入れ替えは、ムチャクチャ割高な水準まで買われたIT関連株を大量採用し、蚊帳の外(何度もすいません)だった低位株を外す→除数が跳ね上がるという結果につながった。
これがなんで相場を壊したか。
ちょっとややこしいけど、お付き合いください(分かってる人ゴメンナサイ)。
まず『裁定取引』って実際にどんな取引なのかを知る必要がある。
基本的には割高なものを売り、割安なものを買う。
これを同時に執行することで、その歪み(価格差)を利益につなげる取引。
日経平均株価の裁定取引を行う場合、先物が割高で現物が割安なとき、現物株バスケット(225銘柄)の買いとそれに見合う枚数の先物売りを執行する(裁定買い)。逆の場合は現物バスケット売りの先物買い(解消売り)。
では、このとき225現物バスケットに見合う先物の枚数って何枚?
新人の頃は、10枚って漠然と思っていた。
説明面倒くさかったらしくて、そう思ってりゃいいって言われたから(笑)
実はその必要枚数=除数になる。
つまり除数が跳ね上がる=裁定で組んでいる現物ポジションにたいして売らなければならない先物枚数が急増するという結果になった。
記憶をたどると発表時点で10ちょっとぐらいだった除数が、17ちょっとに。そして実際の組み入れ時には20を超えていた。
つまり裁定ポジションに対して売らなければならない先物の枚数は一気に倍増したことになる。そして裁定買い残高は3兆円前後はあったと思う(TOPIX型などもあるから一概にはいえないが、225型でも1兆円以上は軽くあったはず)。
今でも銘柄入れ替えでイベント勝負している人は分かるだろうけど、発表された15日以降、実際に入れ替えを行う24日までの間に225現物バスケットを運用している人たちは入れ替えを進める。
新規採用銘柄を買い進め、除外銘柄を外していく。
最終的に採用される時点の株価(24日の終値)がその平均コストよりも有利な値段で終わってくれれば、裁定業者にとってはその価格差は丸儲け。
つまりすでに割高だったIT関連銘柄をガンガン買い上げ、割安に放置されていた除外銘柄を売っていく。そして最終日に残りの全エネルギーを使って、新規採用銘柄は思いっきり高値で引けさせ、除外銘柄は思いっきり安値で引けさせる。 そして先物を除数が増加した分大量に売る。
しかし、日経平均株価の高値20833.21円は4月。
若干のタイムラグがあった。
残り火とでもいうのだろうか。
そこにトドメを刺したのは日経平均株価採用銘柄の大量入れ替えだった。
2000年4月15日(ちなみに土曜日。F社のコラム書いてる最中で「何やってんだよ!」と思った覚えがある)。
日経平均株価を算出している日経新聞社は同指数採用銘柄の大量入れ替えを発表した。
同月24日から225銘柄中の30銘柄を入れ替え、『産業構造の変化に対応する』とのこと。
ITバブルで蚊帳の外に置かれていた重厚長大産業銘柄を排除し、IT関連銘柄を集中的に採用した。
これが市場を一気に壊した。
算出方式が修正単純平均である日経平均株価には『除数』というのがある。
この入れ替えで、その除数が一気に跳ね上がることになった。
基本的に株価の高い銘柄が採用され、株価の安い銘柄が除外される場合、除数は上昇する。そのときの入れ替えは、ムチャクチャ割高な水準まで買われたIT関連株を大量採用し、蚊帳の外(何度もすいません)だった低位株を外す→除数が跳ね上がるという結果につながった。
これがなんで相場を壊したか。
ちょっとややこしいけど、お付き合いください(分かってる人ゴメンナサイ)。
まず『裁定取引』って実際にどんな取引なのかを知る必要がある。
基本的には割高なものを売り、割安なものを買う。
これを同時に執行することで、その歪み(価格差)を利益につなげる取引。
日経平均株価の裁定取引を行う場合、先物が割高で現物が割安なとき、現物株バスケット(225銘柄)の買いとそれに見合う枚数の先物売りを執行する(裁定買い)。逆の場合は現物バスケット売りの先物買い(解消売り)。
では、このとき225現物バスケットに見合う先物の枚数って何枚?
新人の頃は、10枚って漠然と思っていた。
説明面倒くさかったらしくて、そう思ってりゃいいって言われたから(笑)
実はその必要枚数=除数になる。
つまり除数が跳ね上がる=裁定で組んでいる現物ポジションにたいして売らなければならない先物枚数が急増するという結果になった。
記憶をたどると発表時点で10ちょっとぐらいだった除数が、17ちょっとに。そして実際の組み入れ時には20を超えていた。
つまり裁定ポジションに対して売らなければならない先物の枚数は一気に倍増したことになる。そして裁定買い残高は3兆円前後はあったと思う(TOPIX型などもあるから一概にはいえないが、225型でも1兆円以上は軽くあったはず)。
今でも銘柄入れ替えでイベント勝負している人は分かるだろうけど、発表された15日以降、実際に入れ替えを行う24日までの間に225現物バスケットを運用している人たちは入れ替えを進める。
新規採用銘柄を買い進め、除外銘柄を外していく。
最終的に採用される時点の株価(24日の終値)がその平均コストよりも有利な値段で終わってくれれば、裁定業者にとってはその価格差は丸儲け。
つまりすでに割高だったIT関連銘柄をガンガン買い上げ、割安に放置されていた除外銘柄を売っていく。そして最終日に残りの全エネルギーを使って、新規採用銘柄は思いっきり高値で引けさせ、除外銘柄は思いっきり安値で引けさせる。 そして先物を除数が増加した分大量に売る。
日経平均株価は暴落した。
ちなみに発表された週明け、▲1426.04円安。ITバブル高値20833.21円をつけたわずか3営業日後のことだった。
だって当たり前のこと。
買われる新規採用銘柄は実際に採用される24日まで日経平均株価には反映されない。
一方で採用されている除外銘柄が大量に売られる。そして日経平均株価は意味のない大ダメージをこうむった。
そして24日に入れ替えが実施された。
キチガイみたいに引けにかけて訳のわからんような金額の注文が成り行きで入りまくってマジでビビッた。
裁定業者恐るべし…。
でも新しく組み入れられた銘柄群は、割高だったものが需給要因だけで買い上げられていたんだから、それ以上上がりようがない。
その後も日経平均株価はどんどん下げていった。
TOPIXとの比較で考えると、ザックリ2000円~3000円分は余分に崩れたことになるかな。
皮肉にも日経新聞社が産業構造の変化に対応するとして実施したこの入れ替えが、ITバブル崩壊の糸口になった(ま、時間の問題だったろうけど)。
それまでイケイケドンドンで収益を伸ばし続けてきた自分だったが、そこから地力を試されることになる。
だって当たり前のこと。
買われる新規採用銘柄は実際に採用される24日まで日経平均株価には反映されない。
一方で採用されている除外銘柄が大量に売られる。そして日経平均株価は意味のない大ダメージをこうむった。
そして24日に入れ替えが実施された。
キチガイみたいに引けにかけて訳のわからんような金額の注文が成り行きで入りまくってマジでビビッた。
裁定業者恐るべし…。
でも新しく組み入れられた銘柄群は、割高だったものが需給要因だけで買い上げられていたんだから、それ以上上がりようがない。
その後も日経平均株価はどんどん下げていった。
TOPIXとの比較で考えると、ザックリ2000円~3000円分は余分に崩れたことになるかな。
皮肉にも日経新聞社が産業構造の変化に対応するとして実施したこの入れ替えが、ITバブル崩壊の糸口になった(ま、時間の問題だったろうけど)。
それまでイケイケドンドンで収益を伸ばし続けてきた自分だったが、そこから地力を試されることになる。