【マーケット】説明責任
「東証よりも同値か、好条件で取引出来ます。」
「東証よりもコミッションが安いです。」
以前、提案を受けた話。
美味しい話には裏がある。
美味しい話には裏がある。
違和感を感じた自分はその仕組みについて図解して説明を受けた。
自分はその裏まで聞いて「ありえない」と一蹴した。
先方の話では「法的には問題ない」そうだったが…。
証券会社や市場運営者は、第三者に顧客の注文内容や売買執行の意図を漏らすべきではない。
フロントランニングの温床になりかねないから。
社内ですら、ウォールを厳格に作り、顧客の売買情報と自己売買の部門との情報は遮断しなければならないのだから。
でも実際には…?
ある機関投資家がまとまった玉を捌きたいとき、流動性が十分になければ、ブローカーが「○○という銘柄、何万株ほど売りたしです。」なんて話が来たりもする。
この場合、確かに第三者が他者の注文内容や意図を知ることになる。
同じじゃないか?
という人もいるかもしれない。
でも違う。
この場合は、発注者が事前に第三者にその情報を開示することを了承している。
原則として「相手を探して欲しい」というリクエストの下で行われているはずだ。
自分の注文がどのように扱われるのかを理解したうえで仲介者(証券会社・ブローカー)に発注する。
今回の個人投資家で沸き起こっているSORに対する非難や、手数料無料など格安なコストで取り引きできる裏にある仕組みや問題(PFOFの詳しい問題は自分も日経新聞や、詳しい方の解説で知った)。
ここにその前提がないことが問題なのだと思う。
そのSORを使うと、自分の注文がどのように扱われ、そこにはどんなメリットとリスクがあるのか?
その確認やリスク開示を十分にせずに、執行コストの低減(手数料の安さやより有利な価格での約定)だけを前面に出して、顧客の注文情報を取り扱う姿勢に問題があるように思う。
またそれを選択するかしないかの判断を顧客側が十分に出来ない状態にしていたり、誘導しようとする姿勢にも問題があるのだろう。
そこにはまず注文の受託者としての説明責任があると思う。
それらを了解したうえで、そのメリットを好み、選択するのはそれぞれの発注者自身の判断なのだろう。
以前、その話を持ってきてくれた方は、今にして思えば、まだ事前に全てを説明してくれるだけ誠実だったのだなと思う。
PFOFについてのwiki(日本語はなし)
https://en.m.wikipedia.org/wiki/Payment_for_order_flow?wprov=sfla1
https://en.m.wikipedia.org/wiki/Payment_for_order_flow?wprov=sfla1