【コラム】フィスコ『展望』(12月3日)
ついに!とうとう!この日がやってきました!
S&P株価指数による11月の世界市場パフォーマンス。国別で我らが日本が1位になったのです!
といっても全世界の株式市場のパフォーマンスは▲2.06%の下落。他が不調だったから…なんて冷めたこと言われてしまうかもしれませんが…(^_^;)
先月の相場を一言で言うなら『アンワインド(Unwind)相場』。アンワインド(Unwind)とは巻き戻すといった意味で、それまでのポジションを解消するときに用いられる言葉です。
つまり今年の日本はダメダメで、海外株と日本株のパフォーマンスはエラク開いていました。大雑把に言うと海外株買い・日本株売りの形になっていたものを巻き戻す動きが出たといえます。為替も継続してきた円高トレンドが円安方向に戻る動きとなり、米国金利なども低下が続いていたものが急速にリバウンドする展開となりました。グローバルな規模でアンワインドの動きが強かったのが11月の相場なのです。
その要因としては季節的要因もあるかもしれません。ヘッジファンドの多くが5月・11月に締めを迎えるところが多く、そういったところが利益確定に動き、アンワインド相場につながった可能性もあります。
12月はどうか?とりあえず急速に上昇しつつありますが、為替も若干円高方向に戻っています。12月入ってすぐの上昇も日本株が特に強いというわけではなく、海外株高につられている面が大きいといえます。ちなみに前月末比で日経平均株価は△2.43%の上昇。NYダウ(米)は△3.24%、DAX(独)は△3.92%(※どちらも木曜日時点)と欧米株式の上昇率の方が高いのです。そういった状況からみて、今月に入ってからの上昇は先月の『アンワインド相場』とはちょっと内容が異なる気がします。
鍵になるのは為替動向。ユーロ円については欧州危機の再燃もあって、再度円高方向にブレてきています。ドル円も84円近辺で上値を抑えられる感じになっており、これらが再度円高に進むようだと海外株高についていけないダメダメな日本株が戻ってきてしまう可能性もあります。
せっかく戻り高値更新している最中だし、あまり悲観的なことを言う気はないのですが、「先月とは違う」ということだけは頭に入れておいた方がよさそうです。
もうひとつ気になることが…。
今月、日経平均株価は前月末比△2.43%とわずか3日で絶好調…のはずなんですが、日中の値幅が寒い状態に。1日69.5円、2日44.51円、3日99.01円と一日も100円超えた日がないのです。しかも先物の寄り付きから引け値でみてみると、1日△50円、2日▲30円、3日▲50円と、寄り付き買って引け勝負で考えると1勝2敗。ザラ場での値動きだけならマイナスという体たらく。『トレンドは夜作られる』というコラムを前に書きました。主体性のない日本株市場。夜間で上げて、ザラ場はこう着。日計り組にはかなりキツイ相場です。
今月入ってからのパターンは引けでロング、翌日朝にドテンショート、引けで再度ドテンロング。というのがベストパターン。つまり上昇トレンドにあるからといって、東京時間でロング勝負してもいいことないのがここ数日の上昇。
正直、この3日間ロクにトレードしてません。ザラ場見ていてもやる気が起きないから。かといって夜やりたいんだけど、12月というこの時期。お付き合いも多く、あまり相場を見ていられない。今月は根気のいる一カ月になりそうです…。