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【マーケット】当局による株式市場への介入と香港の事例

先日の記事をみて、「どんな対応だったんだっけ?」とネットで見つけたレポート。


2001年秋に書かれたもので、ITバブル崩壊後に銀行を中心とした持ち合い株式解消による株価下落・株式市場低迷を解決するために、その持ち合い株の解消の受け皿として作られた
銀行等保有株式取得機構
https://www.bspc.jp/about_us/

のことを対象に考えて書かれたものだけれど、現在の日銀によるETF買いなども「金融当局による株式市場への介入」という面では相通ずるものがある。

日銀によるETF買いは様々な面で株式市場を歪めつつある。
Fリテなどの株価の推移や市場のボラティリティの低下、裁定残の過去にない状況もそれが大きく影響を与えていると自分はみている。
市場参加者の多くは債券市場も株式市場も日銀の動向を気にする状況。
決して健全な状況とはいえない。

中央銀行が直接的(ETFだから間接的?)に株式市場に介入しているにも関わらず、日本株はアンダーパフォーム気味だ。
株価押上げ効果がどこまであるのか?
外国人売りを吸収しているのは確かだけれど、外国人投資家はおそらく日銀が買ってこないマーケットでそこまで売っただろうか?
下げるべきときに下げきらない市場は、ショート勢にとっては期待値の減少につながる。
ファンダメンタルズやバリュエーション、それらの有効性が薄れ、需給要因で株価が歪み続ける。
日銀のETF買いを背景としたETF市場の膨張は必ずしも望ましいものではない。
その7割~8割を日銀が保有している状況は、ETF市場の関係者にとっても思い描いた理想とは違うはずだ。とても健全な発展とはいえない。

日経平均株価の水準が2万円を超えてなお、日銀はETF買いを続けている。
やめるとは言えないのだろうが、どこまでやるのだろうか?
「ETFはいくらでも組成できる」
というような発言を繰り返し見る度、市場の一員としては嫌悪に近い感情を抱いてしまう。
債券と違って償還のない株式(ETF)。

この香港の事例が参考になるのではないか、との意見だったが、どうなんだろう?
そもそもETFを買っているし、規模も大きい。
ディスカウントをすれば、確かに捌けるかもしれないが、その価格差は裁定機会を与えて先物やたの指数関連商品への売りとなり、市場はその分一定の下落を許容せざるをえないだろう。
そもそも既存のETFを第三者に大幅なディスカウント価格で転売するなんてことがどこまで可能なんだろうか?
いくつかの法改正や環境整備も必要になるかもしれない。

でもちょっとしたヒントにはなるのかもしれない。
過去にこういったことがあったのだと知っておくことには意味があるので掲載してみた。


プロフィール

tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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