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【ビジネス】長い一カ月

5月13日に運用開始。
そこからのこの一カ月はとても長い、とても密度の濃い期間でした。

運用者上がりの自分。
地場証券ディーリングの世界で生きてきた自分。
ホント知らないことばっかりw

この一年半で、それなりに多くのことを学び、それなりに話も出来るようになってきたつもりだったけれど、いざ実務となると…話が全然別。

これってどうやって計算すればいいの?

使うシステムも初めてなら、諸々の計算管理も初めて。
地場証券ディーリングや、リスク管理についてはそれなりに勉強してきたつもりだったけれど、ファンドの実務は似て非なるもの。

PBやアドミニストレータなどのビジネスパートナーの皆さんに教えてもらうのはもちろんのこと、投資家の方からも教わることばっかりで…。
考えてみれば、他のファンドも沢山見てきている皆さんの方が圧倒的に見識豊かなのは当たり前ですね(^^;

あっちこっちで教えを請いながら、毎日朝6時~23時ぐらいまで働きづめ。
週末もほぼ一日中仕事。
人手も限られているから、片っ端から言語化できるところはプログラム書いて自動化して。
それが進んできてようやく少し時間的な余裕が作れるようにはなったけれど、今月後半はシンガポールでヘッジファンド絡みのイベントもあり、沢山の方が来星されており、ミーティングも沢山。
CEOであり、CIOでもある以上、自分が全面的に前に出て全て対応していかなければいけない。

今回は某欧州系証券主催のカンファレンスにお声がけいただき、ラウンドテーブルにも初めて参加してきました。
朝からいくつものセッションを繰り返し、次から次へと沢山の投資家相手にプレゼンする。
日本の投資家は少なく、ほとんどが海外の投資家。
そのあたりから問い合わせいただくことも増え、朝起きると海外からメールが届いている。
北米や欧州の投資家。相手の時間とのバランスを考えて、早朝や夕方の電話ミーティング。
その手のミーティングは場数をこなしてきたお陰かな、少しは話すのマシにはなってきた気がする。

主役であるPM(ポートフォリオ・マネージャー)である後輩二人も結構なプレッシャーだったと思うけれど、しっかり地力を見せてくれました。
環境も変わったし、ディーリングをやめる際にポジションを全てクローズして、ブランクもあり、ゼロからポジションを構築しなければいけない。
GW明けからマーケットは大きく崩れ、不安定な市場環境の中でのスタート。
そんな環境下で、ホント大したもんだと思います。
そんな彼らのためにも、もっと頑張らないとね。

長年、運用の世界に身を置き、自身も20数年運用者でもあり、運用部門の責任者としてもこの数年やってきて、沢山の運用者を見てきました。
トップクラスの実績を出す。
そこに至ることが出来る運用者はごく一握り。
ある一時期ガツンと稼げることはあっても、継続的にトップレベルの収益を上げることが出来る人はさらに限られる。
相場と向きあい、自分と向き合い、リスクとリターンとのバランスをしっかりと取り、再現性のある確率での勝負をしっかり出来る。
「ある相場がたまたま自分の運用スタイルに合っていた」ではなく、どんな相場でも一定のリターンを出すには、自分の運用を客観視できる必要がある。
リターンが大きく出た後、そのリターンがどういった要因で生まれたのかをしっかりと見極め、相場の変化に合わせてそこをアジャストしていかないといけない。
博打のようなリスクばっかり取る運用者は当たればデカイのは当たり前。
でもリスクを振り回すのではなく、リスクに見合うそれ以上のリターンをしっかりと上げられるかどうか。
シャープレシオはそれを測る一つの指標ではあるんだろう。
証券ディーラーでは、収益額が圧倒的に意識されるけれど、他人様のお金でリスクを取らせてもらう以上、利回りやシャープレシオという視点は持っておいた方がいい。
どれだけ効率的かつ安定的に、そのリターンを生み出せているのか?
そこがプロの運用者として大事なところなのだから。

投資家にプレゼンをするにあたって、自分は彼ら(PM)の運用を徹底的に分析し、知る努力をしてきた。
自分は彼らの代弁者になってあげなければいけないのだから。
本人以上に彼らの運用の特性を理解し、説明できなければいけない。
知れば知るほど「大したもんだな」と。
彼らがこれからこの舞台でどんな活躍をみせてくれるか楽しみです。
というか、それが何よりのモチベーションだったりします。

でも実際のところは、NAVの計算やら、月次での投資家向けニュースレターやら、自分が追われているのはものすごく実務的なこと。
経験もなく、分からないことだらけの中で、沢山の方に教えてもらいながら一つ一つ。
プロの投資家相手のビジネス。
中途半端は許されない。
まだまだ学ぶことは多いです。

講演やったり、本出したりなんてしていたの誰だっけ?w
同じ運用の世界でも、立場が変わり、相手が変わるとここまで変わるものなのだなと痛感している今日この頃です。
プロの投資家は、しっかりと運用者(運用会社)のDD(デューデリジェンス)をやるし、厳しい質問も沢山受ける。リスクを預ける以上、それは当たり前のこと。その厳しいDDをクリアできるようでなければ、投資家からの信頼は得られない。
日本であれ、香港であれ、シンガポールであれ、ライセンスや登録を受ける運用会社である以上、管理体制やコンプライアンスの遵守、法規制下でのしっかりとした体制作りが求められる。

しかし、ヘッジファンドとして実際にビジネスをやっていくと、ニュースやら記事やらでヘッジファンドに関して市場関係者や解説者と呼ばれる人たちがコメントする内容の浅はかさが気になってしょうがないですね。
噂話や誰かから聞いたようなネタではなく、ちゃんとその業界のことを知ったうえで語って欲しいものですが…。

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プロフィール

tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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