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【トレード】運用に求められるものって?

ここしばらく様々な投資家とお話する機会があった。
欧米、香港、日本…。
運用会社のステータス的に適格投資家(機関投資家)ばかりだけれど。

様々な質問を受ける。
特に難しいのは収益の源泉(アルファ)がどこにあるのかということ。

機関投資家であれば、担当されている方はそれぞれの社内で承認を得る必要もある。
そのためにも納得してもらえるだけの、論理的な説明が必要になるのだけれど…これが難しい。
『「リサーチ」が出来ないのに儲かるのはおかしい。』
とまで言われる方もいた。

そんなこと言われてもねぇ。
実際、あいつら結果出し続けているわけだし…(^^;

そこで自分に求められるのが、彼らの運用の特性を理解し、どこまで論理的にその運用を説明ができるのかどうか。
下手すれば、本人以上に的確に『言葉にできる』必要がある。
(自分が好きなアーティストの曲に『言葉にできない』ってタイトルの曲があるけど、そういうわけにはいかないんだよね(^^;)

だからこのところずっと『運用』に求められるものがなんなのかを考え続けてきた。
自分自身、20年以上の運用経験があり、それなりの実績も残してきた。
そして沢山の後輩達もみてきた。
先輩としても、指導者としても、管理者としても…。
全部で100人は軽く超えるだろう。
それでもやっぱりそんな簡単に方程式に当てはめることなんてできはしない。

運用手法も様々なら、運用期間も様々だし、なんといっても運用者も様々だ。
自分はそもそも運用の仕事って、『個性』が大事だと思っている。
方程式や、パターン化されたやり方は、一時的には通用しても、いずれ大衆化されると機能しなくなる。
変化し続ける市場環境にどう合わせていくか。
運用自体も時に変質を求められることもある。
市場に対して柔軟であることも時として必要だ。

さっきまで『買い』だと言っていたやつが、平気で『売る』。
『節操がない』ぐらいでちょうどいいときもある。

なぜって相場って簡単に見誤るから。
『間違った』
と思ったら、こだわることなく切り替える割り切りも必要だったりする。

さっき挙げた「リサーチ」によるアルファは説明がつきやすいのは確かだ。
より深く企業を知ったり、企業経営者と話すことで、その考え方や方針などをより的確に捉え、業界への深い知識と組み合わせて将来を予測する確度が上げられる。
それは間違いない。

でもそれが出来ないから儲けられない?
それが出来るから儲かる?

どちらも違う。
それならアナリストは全部当たって、個人投資家は勝てないという話にすらなりかねない。
実際には大外れしているアナリストだって少なくないし、個人投資家でも素晴らしい運用者は沢山いる。

『じゃあ何が必要なんだろう?』

ずっと自問自答しているのがここ数ヶ月。
運用会社としての登録が完了し、急速に投資家と話す機会も増えてきて、本当に暇さえあれば考え続けてる。
ごちゃごちゃしてきた自分の頭を整理しがてら、このブログで文章にまとめてみようかなと。

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 「リサーチ能力」とはクチ八丁に優れているけれど、相場上手であるかはわかりませんね。
 最終投資家が求めているのは安心感を与えてくれる口上なのかもしれません。
 そう考えると相場技術を高めることに虚しさを感じてしまいます。
プロフィール

tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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