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【ライフ】いい夜

今夜はコンドミニアムにみんなで集まってチーム飲み。
屋上のスペースを借りきって気持ちのいい時間を過ごしてきました(^ ^)


平日の仕事終わりにこんな時間を過ごせるのもシンガポールならではかな(^ ^)



【ライフ】Team Day(写真アップ)

毎朝のように出勤時に立ち寄るスタバ。

店員さんが、とってもフレンドリーでオーダー内容もすっかり覚えてくれている。

Officeでネスプレッソで美味しいコーヒー淹れられるし、それでいいんじゃないかと思いながらも、そんなコミュニケーションも嬉しかったりでつい立ち寄ってしまう。

 

今日はTeam Day(今、勝手にそう呼んだ)。

特にそういう日を決めているわけではないけれど、月に一回ランチを共にしている。

いつも掃除に来てくれているおばちゃん(関西だとそっちの方が愛着あんだよね?)が、料理をしてきてくれて、ミーティングルームでみんなで食べる。

それがまたムッチャ美味しい♪

いつの間にやら、ローカルのスタッフが発案してくれて、そんな流れが出来上がっていたらしい。

日本だと、そんなことやろうぜって人なかなかいないし、ローカルのスタッフの存在がいい雰囲気を作ってくれています。

多様な人が増えていくことでカルチャーに変化を与えてくれる。

嬉しいことですね。




シンガポールの家庭の味♪

 

今日はたまたまタイミングが合って、夜はウチのコンドミニアムでみんなでホームパーティ。

丸一日、チームのみんなと過ごします。

 

独りシンガポールライフ状態の、退屈しがちなおっちゃんには、とってもありがたい一日になりそうです(笑)

【トレード】知識の大切さ

マーケット相手の仕事。

勝つか負けるか。
確かにギャンブルに通じるものが沢山ある。
でも運用を仕事でやる以上、ただのギャンブルじゃいけない。
しっかりとした根拠を持ち、適切なアプローチを取り、コントロールされた「運用」でなければいけない。
最終的に一定期間でみれば、勝ち続ける必要があるのだから。
そしてそれを実現出来ている人は少なからずいる。
相場での取引をギャンブルにするか、運用にするかはその人自身の取り組み方次第。
 
本ではメンタル・コントロールを中心に伝えたけれど、「知識」もとっても大切なものだ。
 
マーケットで生じている値動きから、何が起き、どうしてそういう動きになっているのかを理解するためには、知識が必要だ。
 
例えばMSCIのリバランスが、直近で注目されている。その動きを理解するためには、MSCIがどういう指数で、計算方法がどうで、現在の採用銘柄が何で、今回の動きでいつ頃から、それぞれにどんな影響が起こりえるのか?そしてMSCI連動型で運用している市場参加者がどういうところで、どういった規模であるのか、そして彼らがリバランスを実施するのにどういった執行プロセスを経るのか?そしてそれを元にどういったアプローチで収益化するか?
 
外資系や、大手、銀行系証券あたりの優秀な人が分析したレポートは出ていたりするだろうけど、自分でそれらを計算できて、想定し、戦略を組み立てられた方がいい。他人が試算できるものなら、ちゃんと知識を身につければ出来るはずのことなんだから。
 
そういったことが顕著に出たのが、2000年4月に起きた「日経平均採用銘柄の大量入れ替え」だろう。市場はとんでもないことになったけれど、知識を持ち、それなりに想定や準備が出来ていれば、それは大きなチャンスになった。それが全く分かっていない人にとっては「一体何が起こっているんだ?」と、パニクりながら、値動きに振らされて終わってしまうことになる。
 
市場はどんなに歪んでいても、それが絶対的な正になる。
その歪んでいる理由(合理的な投資行動を取らない巨大な市場参加者による需給的な歪みが多い気がするけど)が見えれば、それはチャンスにもなるし、その歪みにどこまで耐えればいいのかを考えることも出来るかもしれない。
知識がなければ、その歪みの理由も、影響の度合いも見えてはこない。
 
運用手法だって、様々な道がある。そしてそれをこなすためにも知識が必要だ。
 
自分のスタートはオプション・ディーラーだった。
そこから現物株をやり、裁定取引や個別株絡みのヘッジトレード、システマティックな運用もし、最後の方は先物中心のデリバティブ運用に変えていった。
 
ITバブルの頃は先物は先物、現物は現物と結構分かれているところが多かったけれど、明らかに現物の方がチャンスがあると思ったから、そっちを中心にやらせてもらった。だって光通信もソフトバンクも採用されていない日経平均株価を原資産とした先物をやっていたって、ITバブルからは蚊帳の外にしかならない(その両銘柄が指数構成銘柄に含まれていたTOPIXはまだマシだった)。
その後、ITバブルが崩壊して、悪名高い「アップティック・ルール」が作られてからは先物中心に戻った。だって下がると思っているのに、タイミングが重要な短期売買で売りたいときに売れない、相場感通りに戦えないなんて不公平な土俵で勝負するのは嫌だったから。
 
マーケットへのアプローチや戦い方は一つじゃない。
一つのやり方を身につけたり、極めたりしちゃうと、新しい運用を試したり、思いきって根っこから変えるのって簡単じゃないし、勇気もいる。特に一年契約で仕事していると相当な覚悟がいる(それを見守ってやるマネジメントがいりゃあいいだけなんだけど)。
 
若い頃に指導してもらった厳しい上司のお陰で、自分は沢山のことを学び、デリバティブから個別株まで、株という世界の中だけでしかないけれど、様々なアプローチをさせてもらえた。
でもそれを全てこなすのも知識がなければ話にならない。
 
最近では、株価指数の計算ですら、自分では出来ない人が圧倒的に多いだろう。少なくともどういう計算式で、どういった銘柄の構成比率が高くて、どういった市場参加者がそれに連動する運用をしているのか、ぐらいは知っておいた方がいい。
特にこれだけ連日のように日銀が指数連動型のETFを買ってくるような時代。
それがマーケットにどれだけの影響を与えているのか、個々の銘柄の流動性や需給にどれだけ影響を与えているのか、自分で判断出来た方がいい。
 
それが「いつかそのとき」に大きな収益機会を捉える力になることもある。
MSCIのこともあったので、ここではインデックス絡みの話で紹介したけれど、アプローチの仕方によっては、個別企業のファンダメンタルズや業界知識などもとても大切だ。
 
どんなことでも知らないままでいるより、知る努力を続けて、多くのことを判断できる力を身につける。
最前線で戦っているのに、コメンテーターやレポート、誰かの相場観に依存している限り、一歩後手に回ってしまう。
 
何か理解できない動きをマーケットが示したときこそ、「なんで?」という気持ちを大切にして、その要因を徹底的に調べてみる。もちろん納得できる答えが見つからないかもしれないけれど、その繰り返しの中で、いつかそれも理解できるようになるかもしれない。
 
知識が武器になることは沢山ある。
 
人より多くのチャンスに気づいたり
値動きの背景をより理解できたり
市場の変化への対応力が上がったり
アプローチや戦い方の選択肢が増えたり
自分の不安と向き合う強さにもなる(裏付けがあるから)
 
個別株やっていたって、オプションの知識があれば「個別株オプション」を活かすことも出来るかもしれない。
1990年代までは、(自分自身でも)CBやワラントと個別株を組み合わせたボラティリティ・トレードなんかもやっていた。
 
若いうちは、学ぶべきことは限りなく沢山あるよ。
毎日が同じルーティーンで終わってしまって、新しく得るものがなければなかなか成長もしていかない。
ただチャート見て、明日の戦略考えて終わりではなく、明日の自分が一つ成長できるように、毎日、毎週、毎月、毎年、どんなタームでもいいから、何か課題を見つけて勉強してみるといい。
 
自分は
「色んなことを知っていますね。」
と仕事をしていても、周囲から感心してもらうことが多い方だと思う。
HFTでもないくせに、HFTについてCNBCの番組でお話させてもらったりもした(笑)
なんでかって?
マーケットの向こうで戦っている相手であるHFTを知る努力をしていたから。
取引所の知人に頼んで、HFTの人たちとの飲み会開いてもらって色々と聞いてみたり、HFT大手のアジアヘッドを紹介してもらって意見交換させてもらったり、色んなレポートや欧米での動向分析をして、これからどうなるのか、彼らがどんなことをやっているのか知識を得ようとしていたから。ただ理解もせずに悪とレッテルを貼るのではなく、彼らの優位性がどこにあり、彼らが悪と言われる要因や問題点を知ろうとしていたから。
 
2000年代前半では「アルゴリズム取引」で同じようなことをした。外資系証券の友人たちに頼み込んで、7社ぐらい回らせてもらったかな。アルゴの開発チームの人とミーティングさせてもらったり、レクチャー受けたり。戦っている相手を知ること。それも大事な知識だと思っていたから。
 
そんな自分でも、今は知らないことばかりの世界で情けないほどに苦労している。
色んな場所で、(相手が年下であろうがなんだろうが)色んな方に教えを請い、本や資料を読み漁り、勉強中だ。
最近はマーケット関連よりも、自分の立場や仕事柄、各国の法律や規制や税金とか、ビジネス周りが圧倒的に多いけど(^^;
 
いい年こいて、恥ずかしいぐらい色んな場所で「すいません、今の単語知らないので教えてください。」と食いついてる(笑)
でも恥はそのときだけのこと。
知らないことを知ることが出来る方が何十倍も価値がある。
自分がこれから担う責任を考えたとき、「そのとき」には自分はその道のプロとして胸を張れるように成長していなければならないのだから。
 
学びのプロセスは苦しいし、疲れるけれど、それは成長しようとしている証でもある。
 
多分に主観の混ざった知識や、恣意的なバイアスのかかった知識、いかにもすごい手法的な売り文句に飾られた安直な知識ではなく、「ただの知識」こそ大事にして欲しい。
その「ただの知識」という情報を元に判断を下すことこそが、運用者としての「自分自身の存在意義」になる。
ましてや相場を張るプロを目指すなら、誰かのコメントに振り回されるのではなく、誰かに聞かれるぐらいになってみせて欲しいと思う。
 
若いうちは時間もエネルギーも吸収力も全然あるんだからさ。
この年になって、知らないことばかりの世界でヒーヒー言ってるおっちゃんよりは間違いなく…ね(笑)

【ビジネス】懐かしい時間

今夜はシンガポールでヘッジファンドをやっている旧知の友人との飲みでした。

まだお互いに二十代の「若手」「ペーペー」だった頃、机を並べて厳しい上司の指導の下で一緒にしごかれていた仲(^^;

その頃からの元同僚、友人とこうして今でも飲み交わせる。
しかもシンガポールで。
懐かしい空気感が蘇り、楽しく過ごせる時間。

先日、香港で飲んだ共通の友人から、CNBCに出演したときに自分が話していたことが、彼が昔よく話していたことに似ていると言われたことを思い出しました。
共通の師匠から学んだからかな。

シンガポール、香港で頑張っている友人や後輩がまだ何人もいる。
彼らはみな、チャレンジ精神があり、前向きで、努力家で、自分達で道を切り拓いてきた人ばかりだ。
このマーケット相手の勝ち負けのある厳しい世界で、今もこうして会って語り合えることって、とても幸せなことだと思う。
そして今でも一線で活躍している彼らの存在がいい刺激を与えてくれる。
そんなつながりに感謝した夜でした。

【ビジネス】シンガポールの休日

今日はシンガポールの休日。

でも日本は通常営業。

 

こういう日は、オフィスビルの空調が止まるんです。

会社によってはオフィス独自の空調に百万単位でお金をかけて入れているところもあるようですが…ウチは残念ながら(T_T)

 

ということでボワーッとした暑さを感じながら、仕事とお勉強をしています。

ちょっと根詰めていたら眠くなってきたので、気分転換(^_^;)

 

テーブルファン買っておいてよかった…。

 

【トレード】一言物申す

運用の世界で成長し、成功し、長く生き残る運用者になりたいのであれば、「運」だけではどうにもならない。

たまたまいい相場で稼げた人が、数年後には消えているなんてことも沢山見てきた。

相場のおかげで稼げたのと、自分の運用者としての力量を履き違えてしまうとそうなる。

一方で、難しい相場をしっかり乗り越えてきた人は長く続けている人も少なくない。

 

相場は色んな表情を見せる。

 

静かな凪のような時もあれば

嵐のように乱暴な時もある

 

稼ぎやすいマーケットもあれば

稼ぎにくいマーケットもある

 

あるストラテジーが機能する相場もあれば

それが機能しなくなる相場もある

 

様々な相場環境や相場の変化を乗り越えていかなければいけない。

 

どんなに成功した運用者であっても、十年先、二十年先も稼ぎ続けられるかどうかは「?」だ。

自分も二十数年運用をしてきたけれど、今ではその実績も所詮は過去のもの。

自分は現役を離れ、選手から監督(もしくはGM?)のような立場に変わった。

それは自分の経験を活かして、後輩達のために道を切り拓いたり、彼らがのびのびと運用できる環境を作ってあげる側にいた方が「役に立てる」と自分で思ったから。

それは一方で、運用者として、過去の自分の最高益を超える自信や、それを実現するために様々なものを切り捨てても運用に集中する覚悟がなかったからかもしれない。

中途半端に運用にしがみつくぐらいなら、少しでも会社や周囲の人々、業界にとって役に立てる自分であるべきだと思って現役を離れる決断をした。

そしてそれに後悔はない。

 

給料をもらうってことは、人(会社)の役に立ってはじめて正当化される。

ディーラーという仕事を続けるならば、一定以上の収益を上げ続けなければいけない。

そしてそれを続けるためには、常に自分をブラッシュアップしていく必要があるし、マーケットの変化に適応させていく必要がある。

多くの人が過去の成功体験を引きずり、自分を変化させることが難しくなって、気がついてみたら過去のようには稼げなくなる。

自分だってその一人だと思う。

 

「過去に月に億単位の収益を上げた」

そんなの何人もいたしね。

それこそ自分たちの世代は月に1千万上げてようやく一人前と言ってもらえた世代なんだから。

確かにそれなりの位置にまでいったかもしれないけど、常に自分よりすごい運用者を見てきた。

どちらかというと上しか見ないで自分にプレッシャーかけ続けてきた。

それに現役世代が今のマーケット環境、リスク許容度の中で月に数千万稼いでいる方がよっぽどすごいと思う。

 

本の話が来たとき、正直最初は断ろうと思った。

過去の運用者が何か書いたところで…と思ったりもしたから。

マーケット環境は変わったし、当時使えた手法やらを語ってみたところで、今のマーケットでどんだけ通用するもんだかって自分で思っていたし(笑)

でも変わらないものもある。

特に「入社一年目、二年目のような若い世代に伝えたいこと」を書いてくれと言われた一言が腰の重い自分をその気にさせてくれた。

基本的なことや、大事にしてほしいこと、マーケットと向き合っているうちに疎かにしがちなことって、やっぱり昔と変わらないものもあるから。

 

そんなおじさんが、そんな世代にちょっと一言物申したい(笑)

 

勝負の世界で稼げるようになりたいと思って、きっとこの世界に挑戦してきたんだろ?

でもな、実績も知識も経験も、全てが足りていない状況で簡単に稼げるようになるほどこの世界は甘くないよ。

だから必死にならなきゃ。

 

結果も出せていない。

努力も中途半端。

それでも給料もらって、リスクも取らせてもらって、損も出してる。

それっていつまでも続けられるもんじゃないし、そんなつまんない状態をいつまでも続けたくもないだろ?

 

稼げるようになるために何が足りないのか?

それは自分自身の中にあるよ。

それを必死に探して、足りないものを身に着け、成長し、経験しながら強くなる。

相場と真摯に向きあい、必死に全力で取り組み続けてはじめて見えてくるものがある。

 

相場は恐ろしいほどに平等だよ。

エリートであろうが、そうでなかろうが、平等だ(人為的な不公平はちょっとあるけど(笑))。

どんなにいい大学出ていようが、それでなんとかなるもんじゃない。

一方で、エリートでもなく、単なる落ちこぼれだった自分がそれなりのディーラーになれた。

それはこの仕事が大好きで、マーケットが大好きで、だから懸命に真摯に向きあい続けてこれたから。

 

昔と違って、この仕事を望んでも、そのチャンスをつかみ取れる人は少ない。

ディーラーという職種自体が大幅にシュリンクしているんだから。

クビになってもどっかが拾ってくれた時代とは違う。

生き残り、成功を勝ち取らなければ次はないと思った方がいい。

せっかく望んで掴んだチャンス。

半端なマネだけはすんなよ。

結果としてダメでもいい。

マイナスで終わったとしても、それが自分なりに必死にやりきったと胸を張れる形であるなら、それでいいよ。

全員が勝てるようになる仕事ではないから。

どんなに懸命になったとしても、結果が出るかどうかは分からない。

でも、どんなに可能性があったとしても、それを活かすために懸命になれなきゃ、その可能性は最大化できない。

自分の未来のために、全力を尽くしてほしい。

その可能性をどぶに捨てるような時間の過ごし方はしないでほしい。

そしてこの道を諦める時がきても、つまらない後悔だけはしてほしくない。

 

うまくいかないことを人のせいや環境のせい、市場のせいにしても、それは何の意味も持たない。

同じ環境でも結果を出している人が他に何人もいるなら、そんな言い訳は自分を貶めるだけだ。

自分よりうまくいっている人を妬んだりしている暇があったら、それを素直に認めて敬意を払ったうえで学び、自分の成長の糧にした方がよっぽど意味がある。

 

怒ってくれる先輩がいるなら、それはありがたいこと。

まだその可能性を諦めてないからこそ怒ってくれる。

もうこいつ無理だなと思ったら、きっと誰もかまってすらくれなくなる。

だってみんなそれぞれが必死に相場と向き合い、戦っているんだから。


とにかく悔いを残さないように。

限りのある残された時間を全力で相場と向き合って欲しい。

そしてその苦境を乗り越えて、結果を出せるようになってからが、ようやくスタートライン。

運用者として、その道を歩き続ける限り、常に自分と向き合い、相場と向き合い、ブラッシュアップし続けていかなければならないのだから。

 

 

あ、一言どころじゃなかったな(^^;

【ビジネス】人とのつながり

今週は飲みが続いています。

 

普段はあまり飲みに出歩く方でもないんですが(最近は…)、先月の東京出張以来、週末を除きほぼ誰かと飲んでる(^_^;)

しかも、最近は初めてお会いする方も沢山。

昨晩も数名の飲みではありましたが、すごく楽しく、またエキサイティングな出会いがありました。

 

ディーラー畑をずっと歩いてきた。

普通なら自分の世界で終わってしまってもおかしくはない仕事。

マーケットが相手の仕事だし、会社との関係、同僚との関係ぐらいが良好であれば、それでいいとも思える仕事。

 

でもマーケットフォーラムとか、業界交流や振興を目的としたNPOを有志と立ち上げたり、色んなことをやってきた。

そのおかげで取引所やベンダーさん、当局など、様々な立場の方とのつながりが出来た。

 

「そういえばなんでそんなことやろうと思ったんだろう?」

ふと思う。

 

根底にあるのは、自分が若手の頃に沢山苦しい思いをしたからかもしれない。

それなりに努力もし、結果も残していても、まだ枠も小さく、実績も十分ではなかった自分。

上司の思惑や都合に振り回されて、自分の未来を左右されかけたことが何度もあった。

そして山一ショック。系列地場だった自分が所属していた会社。存続が危ぶまれる瞬間があった。

そのときはまだチームの中では若造で、下から数えた方が早い自分。

「○○さんの部下、○○さんの後輩」

でしかなかった。

ポジション枠も小さく、利回りは上がっていたとしても、利益額でばかり評価されるこの業界では自身の実績だけで転職なんてできるのかどうか?

1990年代はそんな苦労も沢山してきた。

 

でも、そういった経験がその後の自分の行動につながったのかもしれない。

「業界でトップクラスの実力と実績を身につける」
「自分自身のネットワークや人とのつながりを作っていく」
それを強く意識したのが20歳代後半の頃だったろうか。

そして「ディーラーズ・ミーティング」と称した飲み会を開くようになった。
それがマーケットフォーラムの前身となる飲み会にもなった。

30歳前後である程度の実績を持ち、その会社でトップと評価されるようになった頃。
でもそこは決して強いディーリング部ではなかった。
その中でどんなに評価されたとしても、ディーラーズ・ミーティングを通じて知り合った他社のディーラー達にはもっとすごい人たちが何人もいた。
「井の中の蛙」にはなりたくない。
積極的に、自分よりすごいと思う人と付き合い、そういった人たちから刺激やプレッシャーを沢山もらって、もっと自分を高めていきたい。

それが二度目の転職の動機にもなった。
そんな風に感じられたのも、そういった交流を持てていたから。
自分がディーラーとして成長できたのも、そういった縁が自分に様々なものを与えてくれたからだと思う。

それがいつしか自分の後輩たちや若い世代に、人との繋がりを広げてもらい、視野を広げてもらいたいという思いに変化していった。若い時期に多くのものを見て、様々な立場にいる人と触れて、より大きな視点で成長して欲しいと考えるようになった。

自分の立場や年齢の変化によるものなんだろう。


少なからずその考え方は受け入れてもらえないこともあった。

そういう場を設けることが、人材の流動化につながるとして、他の会社の人間と関わらせないという方針を打ち出す会社もあったし、批判もされた。

 

でも若い人材を狭い世界に閉じ込めてしまうことは、彼らの持つ可能性を奪ってしまうことにもなりかねないと思う。

若い自分が、外部との人との繋がりから沢山のものを得られたように、そういった繋がりが彼らの成長につながることが必ずあるはずだと思うから。

日本に閉じ込めるのではなく、積極的に世界を見て、広い視野で沢山の刺激を受けながら成長したら、きっとまだまだ日本人の可能性って沢山あると思うから。

最近は、また新しい分野の人たちとの繋がりがどんどん増えている。

30歳前後の頃、色んな人に会ってネットワークを広げていった頃に負けないぐらいの勢いで、また別の世界の人たちとの交流が増えている。


昨晩も刺激をもらえるような素晴らしい出会いがあった。

人との繋がりで傷ついたりすることもあるけれど、それでも誠実に向き合っていれば、ちゃんと信頼できる人がこうやって一人また一人と増えていく。

それが自分の財産にもなるし、成長の糧にもなる。

「しがないディーラー」に過ぎない自分だけど、こんな風に沢山の人に出会えていることに感謝ですね。

【趣味】ダイビング

たまには固い話は抜きで趣味のことでも(^ ^)
まぁマーケットや運用に興味があって読んでくれている人達にとっては、どうでもいいって話なんでしょうが(^^;

まぁメンタル・コントロールの一つとしてこういう気分転換も大事ってことでお付き合いください(笑)


今の会社に入ったのが2011年の震災直後。
それまで趣味らしい趣味もなく、仕事とマーケット一色だった自分。
色々とあって少しはライフワークバランスというか、自分の時間を大事にしようと思い、それまで興味があってもやらずにきてしまったものをリストアップしてみました。


そこで最初に上がったのが「スキューバ・ダイビング」。
入社して最初の夏休みに、とりあえずライセンスを取ろうと思いつき、一人サイパンへ。


まぁすっかりハマりましたね(^^;
そこから一時は毎月のように行ってました(笑)
少なくとも三連休は全て。


そこでもっと綺麗に海の中の写真を撮れるようになりたいと思い、カメラを購入。
写真を撮るようになりました。
海の中の写真ってムッチャ難しい。
普通に撮れば全部真っ青になってしまう(青かぶり)。
ガイドの友人に教えてもらったり、独学で勉強したりしながら少しずつ。


色の出し方、光のコントロール、絞りやシャッタースピード、露出、黒抜き、レタッチ…etc。
学ぶことは沢山。
でも少しずついい画が撮れるようになると嬉しくて♪


気がついてみたら、サイパンのマリアナ・ブルーの綺麗な海でごっついカメラ器材抱えて被写体追っかけてばかり(笑)
写真やらない人から見ると滑稽なんです(^^;


サイパンで最高の海に出会い、写真を始めた。
そこでまた3人のプロ・フォトグラファーに出会い、友人になった。
彼らから沢山のことを教えてもらいました。

ちなみにこれだけ伊豆で撮った一枚。
寒い海でしか出会えない愛しのダンゴウオ♪

彼らは教えてくれるだけではなく、様々な機会も与えてくれました。
風景の撮り方、人物の撮り方…etc。

今の会社に入る前は「趣味はなんですか?」と聞かれると、「うーん、仕事?マーケット?」という状態だった人間が、今なら「ダイビングと写真です。」と即答出来るようになりました。最近は忙しくてちょっと出来ていないけれど(^^;

でもこういう趣味や時間を持てたことで、精神的には少しゆとりを持てるようになったのは確かな気がします。


ここ数年、大好きなサイパンが受難の時期を迎えています。台風(米軍が救援・支援に出動するぐらい大変な状況になった)、日本人観光客の減少、唯一の直行便がなくなるなど。何人もの現地の友人がサイパンから離れていってしまって心配でした。
でもLCCが飛ぶ動きも出ているようで、少しホッとしています(シンガポールからだとどっちにしても直行はないけど)。
年に一度は行きたい場所。
人も海も最高で、自分にとってはダイビングと写真という大切な趣味を教えてくれた場所。
また盛り上がってくれることを願っています。


【ビジネス】お勉強

テレビに出て「能書き」たれたり
本なんか出してみたり
それなりの責任を負う立場で仕事をしているのに…

最近は
知らないことばかり
足りないことばかり
日々勉強に追われています。

今日も苦手な英語でのミーティングが二件。
思ったように言葉が出てこない自分に苛立ちながら。

法律・レギュレーション・税制…。
しかも日本だけでは済まない。
難しい本を読みかけては眠気と戦ったり、頭から煙が出てきそうな気分になりながら、懸命に勉強中です。

これまでは自分の知識や経験の範囲で引っ張ってこれた。
ここからは今までの領域とは全く違う知識や能力が求められてくる。
正直、自分にどこまで出来るのだろうか?
自問自答している自分がいたりもする。

でもやりきってモノに出来れば、自分自身がまた一つ成長出来る。
やるしかないし、やってみせるしかない。

落ちこぼれだった自分が
プログラミングを覚えたり
中学校の参考書買ってきて数学勉強し直したり
オプション取引をそれなりにこなせるようになったり
ディーラーとしてそれなりに成長してきたプロセスも同じ。

苦痛を感じているってことは
自分のキャパシティを超えたことをやろうとしているから
それが知識となり、経験となった先に成長がある。

自分の限界は自分で決めるものじゃなく
思い知らされてはじめて分かるものだから。

オッサンなりに頑張りどころ。

【マーケット】外資系証券のポジション

先日、某ネット証券さん主催の個人投資家向けセミナーでお話する機会をいただいた。

たまたま本が出て、

たまたま東京にいたので、

せっかくだからといただいた機会だったんだけど。

 

色んな質問をいただいた中で、「某外資系証券の売りポジションは、あるメディアとつるんだ仕掛け的な売りポジションではないか?」といった趣旨のご質問をいただいた。

先物ではまだ手口が見えるので、それが様々な憶測や誤解を招いていることが多いようなので、業界関係者なら分かりきったことかもしれないけれど、ちょっと書いてみようと思う。

 

日系証券会社(特に中小地場証券)では、自己売買部門のことを「ディーリング」、その業務を行う人のことを「ディーラー」と呼ぶ。

外資系証券会社や大手・銀行系証券会社では「プロップ・トレーディング」、その業務を行う人のことを「プロップ・トレーダー」と呼ぶ。

どちらもやることは基本的に同じ。会社の資金を使って、マーケットでリスクを取り、収益を上げることが仕事の内容になる。「自分の判断で相場張って儲けなさい」っていうお仕事。規模は正直全然違うけれど。2000年代、外資系でも活発にプロップによる取引が行われていた頃、彼らと話していると運用額の違いには圧倒されたものだ。一方で、「成功報酬率の高さ」では我々中小地場証券が圧倒していたけど(笑)

※外資系プロップのほとんどは自分が知る限り一桁台。中小地場証券は40%程度になっていた。

 

かつてはそれぞれの会社で自己取引は活発に行われていた。

外資系証券のプロップ・トレーダー出身の人が、ヘッジファンドを立ち上げる動きなんかも活発にあった。

※当時、「トゥー・トゥエンティ(マネジメントフィー2%、パフォーマンスフィー20%)」であったヘッジファンドの成功報酬率は、外資系プロップにとっては魅力的であり、大きな運用額を回すことに長けている彼らは投資家のニーズにもマッチした。一方で、中小地場証券ディーラーにとっては、そんな大きな運用額を回した経験もないし、報酬率も大幅に下がるため、ごく一部の人(地場の枠では収まりきらなくなったような人)しかチャレンジしなかった。

 

2008年。

リーマン・ショックが起きる。

色んな大手外資系金融機関が危機に陥った。

AIGは政府管理下に置かれ、メリルリンチもバンク・オブ・アメリカに救済的な買収を受ける(現在はBank of America Merrill Lynch)。

モルガンスタンレーでさえ、三菱UFJ銀行からの支援・出資を仰ぐ事態に陥った(現在、モルガンスタンレーMUFG証券、三菱UFJモルガンスタンレー証券などとややこしくなった経緯)。

 

並みいる国際的な大手金融機関が危機に陥ったことから、金融機関への規制強化の動きが強まった。

そしてドット・フランク法(ボルカールール)が制定される。

https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ho/volcker.html

 

この「銀行が自らの資金(自己勘定)で自社の運用資産の効率を図るためにリスクを取って、金融商品を購入・売却また取得・処分をする事を禁止する。」規制によって、外資系証券や国際的な業務を行う金融機関は、自己勘定による取引を大きく制限されることとなった。

結果、外資系証券ではほぼすべてで「プロップ・トレーディング」は廃止されるか、ヘッジファンド化して外部化されていく。

 

現在、少なくとも表向きは「プロップ」はほぼゼロという状況になっており、「ファシリテーション・トレーディング」がほとんどという状況になっている。

ちなみにファシリテーション・トレーディングとは、顧客のために行う取引を意味する。

 

なので外資系証券の先物の売り手口が目立ったとしても、その会社が自己勘定で投機的目的を持ってポジションを取っていることはまずありえない。

その裏にいる顧客(ヘッジファンドやCTA、または機関投資家)が実際のポジションの主であると考えるべきだ。

確か2013年末だったと思うけど、株価が大きく上げていったときにブレバンハワードとか、グロ-バルな巨大ファンドの動きが注目されたこともあった。まぁ運用資産額が兆円規模になるグローバル・マクロ・ファンドが本気で動けば、マーケットにはかなり大きな影響が出ることは当たり前といえば当たり前のことなんだけれど。

ただその顧客も複数の証券会社をブローカーとして使い分けている場合が多く、昔と違って手口が読みづらくなっていることも知っておいた方がいい。「手口」が持つ意味はかつてに比べればだいぶ小さくなってきている。

一方で、
経験も、お金もない若い世代が運用の世界にチャレンジしたいと思っても、昔と違ってそれをやらせてくれる場所(自己売買部門)が極端に少なくなっているのが現状だ。

運用者の平均年齢も上がる一方だったと思う。

本来ならば、ドット・フランク法の影響を受けないような我々中小地場証券といったところが、そういった役割を担ってもいいはずなのだけれど、残念ながら我々の業界も大幅にシュリンクし続けてきたのが2010年以降の流れだ。

投資家のお金を預かっているファンドでは、なかなか未経験者に経験としてリスクを取らせることは困難だ。

個人が運用の世界で目指すものは、「個人投資家として成功すること」が主となってしまっている。

自分としては、なんとかその流れに抗い、若い世代がプロの運用者として育つ環境を作ること、そしてその未来を切り拓くことに取り組んでいきたいと思っている。
新しい世代の運用者達が次々と生まれ、いずれ世界で通用するような運用者が日本から生まれたら、それはとてもエキサイティングなことだと思う。

自分にはその畑を耕すことぐらいしかしてやれないけれど。

 

ちょっと話が逸れちゃったけど、自己売買部門の取引はそういった状況にある。

だから米系大手証券の売り手口が目立ったからといって、その証券会社が自己ポジションで売り仕掛けているわけじゃないんです。

プロフィール

tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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