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【ビジネス】嬉しかったこと

昨日は嬉しいことがありました。

大阪取引所からオプション市場への流動性供給に貢献したということで会社として感謝状をいただきました♪


アローヘッド稼働後、我々ディーラーは絶滅危惧種とされ(それは今でも変わらないけど)、『流動性の供給者としてはHFTさえいれば、ディーラーはもう不要なんじゃないか?』なんてことまで言われた時期がありました。

『そうじゃない。市場への流動性の供給は多様な存在が必要だし、どちらかといえば受動的にしかリスクを取らないマーケットメーカーやHFTばかりでは市場は本当の意味では活性化しない。我々が果たすべき役割はまだあるはず。』

そう主張してきました。


6年前に入社した時のウチはオプションはやってはいたけどごく一部のディーラーのみで、しかも日計りしかできないという状態でした。デリバティブをやってきた自分から見ると『これではデリバティブでまともに収益なんて上げられない。』と感じる状態でした。

スタートはそこから。

それでも管理部門の人達が頑張ってくれて、様々なルールや環境を整備し、オプションを少しでも理解するために勉強会を開き、変えてきてくれました。

そしてオプションを得意とするディーラーがある程度戦える環境が作られていき、人が増えていきました。

ウィークリーオプションなどの新商品に対しても、そのディーラー達が積極的に取り組んでくれた結果、今回の感謝状につながりました。

バックオフィスからディーラーまで、みんなで前向きに取り組んできたことがこうして形として認めていただけたことがとても励みになりました。


流動性の供給者としてのディーラー不要論。

10年は遅れていると感じたデリバティブの運用環境。

そこから始まったこの数年で評価していただけるところまで来れたんだと。


まだ十分ではありません。

米国はもちろんのこと、デリバティブでは韓国の強さが目立つ。

『オプションは危険』という誤解を解き、そのリスクとしっかり向き合いながら、その有効性をもっと活用できるようにしていきたいと思います。

自分もスタートはオプションディーラーでしたからね(^ ^)


今回の感謝状で俺が何かやったかと言われると…頑張ったのはディーラーであり、それが出来る環境を作ったミドル・バックのスタッフたちなんですけどね(^_^;)

なんにせよ嬉しい出来事でした。

【トレード】相場は自分の都合では動かない

『相場は自分の都合では動かない』

当たり前のことだ。
でも毎日のようにトレードしているとつい忘れてしまいがちなこと。

 

『損を取り返したい』
『結果を出したい』
『もっと稼ぎたい』

 

これらは全て自分の都合に過ぎない。

改めて…

『相場は自分の都合では動かない』んだ。

 

でもトレードしているのが人間である以上、そこには感情がある。

トレードしているのがAIやらアルゴやらのシステム的なものならそれは排除できるかもしれないけれど…。

 

気負い、焦り、不安、欲、願望、慢心…様々な感情を抱きながら人は市場と向き合う。
だからこそ『自分自身を客観視する』ことがとても大切になる。

特にトレーディングの期間が短ければ短いほど、自分の状態を客観視し、メンタルコントロールをしっかりと保たなければリズムを崩してガタガタになりがちだ。

もっと長い期間のトレーディングであれば、冷静さを取り戻したり、分析し直す時間も持てる。それを実現するためにはまた別の要素が必要にはなってくるけれど。

 

自分もまだ若手だった頃に忘れられない失敗をしたことがある。

前にもこのブログで書いたことがあるフセイン捕縛の報道が出たときの損失。

その背景には取り返さなければという『焦り』があり、その『焦り』から市場の水準を客観視出来ずに色眼鏡で見てしまった上に、リスクコントロールを見失い、過剰なリスクを取ってしまったという自分自身の問題があった。そしてそこに陥るきっかけはその直前まで好調であったことから生じた『慢心』があった。収益がどんどん伸びていて「負ける気がしない」という慢心からリスクの取り方が雑になった。本来ならもう少し見極めてから入るところを安易に入り、安易だからこそ我慢が効かなくなったりもした。そしてつまらないところで損失を出し、それをまた取り返そうとバタバタし始める。そしてそれが積み重なっていつの間にか『焦り』につながり、大きな損失につながってしまった。

また別に、自分が所属する会社がより大きな会社(十倍ぐらいだったかな?)に吸収合併されることになった。ただディーリングにおいては自分が所属する会社の収益が圧倒的(9割以上)であり、さらに自分はそのチームの中では最年少ながらトップディーラーと言われていた。当然、吸収合併した側の方々は面白くない。「針のむしろ」ともいうべき雰囲気だった。多くの人があの年齢でそんな収入もらってるなんて生意気だとか、失敗すればいいのにと望んでいるような気がしていた。『結果を出さなければ』という『プレッシャー』、『気負い』」が極端に強くなっていた。そのせいもあったのかもしれないが、合併初日に40度近い高熱を出して休まざるをえなくなった。より『プレッシャー』や『気負い』は強くなる。翌日、38度台の熱があるにも関わらず出社し、相場に飛び込んでいった。結果は…散々だった。忘れもしない一日で一千万の損失。相場が終わったとき、自分は机に伏せるようにしてしばらく動けなかった。

どちらも共通していえることは『自分の都合』で相場と向き合っていたということ。

本当に見なければならなかったのは自分の都合ではなく相場だ。

そのときの相場にそういった収益機会があったのかどうか?
明らかにそんな収益機会がないにも関わらず、自分の気持ちだけでトレードし、空回りしていた。

前者のときは自分自身で取引を止め、それまでの2ヶ月分ぐらいの日々のトレードを全て見つめなおしてその要因と向き合い立ち直れた。

後者のときは吸収合併した側の顧問の方がフラッと自分のところに立ち寄って下さり、「やっちまったな。まぁでもディーラーなんてそんなもんだ。お前の実力は知ってるから、焦らずにやれや。」と笑顔で声をかけてくれた。その言葉に救われたんだと思う。


『相場を見る目』と同じぐらい『自分を見る目』は大切だ。
自分がよく『コントロールが大事』という中にはメンタルコントロールなどのセルフコントロールが含まれる。
自分自身を客観視し、どんなに心が熱くなっても頭は冷静に。

フラットな状態で市場と向き合う。

それが出来て初めて実力は発揮できる。

 

『稼ぎたい』『稼がなきゃ』はあくまで自分の都合。

『稼げる相場なのか』どうかをしっかりと見極めていくこと。

 

自分はかなり意思は強い方だと思うし、自己抑制もかなり出来るようになっている方だと思う。

それでも足りなくて、テクニカルなどのツールを使ったり、様々なルールを作ったり、色んな対応方法を考えていた。

そのアプローチは人それぞれでいい。

でも『相場は自分の都合では動かない』ということを忘れてはいけない。
自分たちは相場の中で生かされているにすぎないのだから。

【ビジネス】4月からまた新しい世代が

昨日はこの4月から入社してくる新卒メンバーとの懇親会でした。

現役ディーラーである先輩達と話してもらいながら、いい時間を過ごしてきました。

ただただ楽しみです(^.^)

 

採用面接したときに「いいね!」と思ったから採用したんで当たり前なんだけど、彼らが入社してくるのを心待ちにしていました。

 

次世代を担うディーラー達を育て続けること。

 

契約化が進み、人材が流動化し、引き抜きが横行した2000年代前半(最近また増えてますけどw)。

人を育てるということを怠るようになってしまったこの業界。

市場の変化に対応出来なくなり、活力が失われていった。

 

これから十年先の未来を思い描いたとき、楽しみに感じられない業界ではつまんないよね。

現役で頑張ってくれているディーラー達ももちろん大切。

でもまだ未知数である彼らも大切なんだ。

若い世代のディーラー達にとって、この場所が少しでもその成長のためにいい場所であれるよう、オレは部長として頑張らないといけないね。

信頼して指導を任せられる後輩や部下がいてくれるこの場所ならそれが出来ると信じられる。

 

4月からが楽しみです(^.^)

 

プロフィール

tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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