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【マーケット】トランプ相場の理想と現実

『現実』に直面したトランプ相場。

大統領選以降、『トランプリスク』から『トランプラリー』へと一変した相場展開だった。

ただその上昇相場はある意味『理想』だけで買えた。
トランプ大統領の持つリスクや怖さには目をつぶっていた部分がある。
どんなに暴言吐いたとしても、ビジネスマンだし、ある程度のモラルやバランス感覚は保ってくれるだろう…なんて楽観的な意見もみられた。

でも蓋を開けてみたら、エライことになってる。
政治を行うための基盤作りも不十分なまま、大統領令を出しまくって、多くの混乱を招き、今回の入国制限では様々な企業や人からの反発も受けた。

大統領に就任するまでは『理想』で買えた。
大統領に就任してからは『現実』に直面する。

相場は上がると思っていたけど、『現実』に直面した今の相場は簡単にはいかない。

トランプ氏については、米国民が選んだ以上は特にアレコレ言う気もなかったけれど、ここまで乱暴なやり方するようだと、あまりに危険な人が世界最強の軍隊や経済力を持つ国の大統領になってしまったんだなと危機感を持たざるをえない。

ある程度、強引な決断や行動をしなければならないこともある。
でもこれほどの反発を招くのは、対話や説明というプロセスを軽視し過ぎているから。
そこに反省がない限り、これからもっと大きな問題に直面していくだろう。
今回の入国制限で様々な大企業の経営者や司法が反対を示したことを真摯に受け止めて欲しいと願う。

【ビジネス】他人のお金を預かるということ

前にもちょっと書いたことがあるんだけど…

 

個人投資家やってて、『自己資金飛ばしちゃって勝負できなくなったからディーラーやりたい』って言われても採用なんて出来ないよ。

 

自己資金でやる分にはどんなリスクの取り方しようが自己責任でやりゃあいい。そのツケは自分に返ってくるのだから。
でも会社のお金を預かるディーラーや投資家の資金を預かるファンドマネージャーといったプロの運用者になろうとするならば、そんな考え方や意識でいられたら困る。

 

(専業)個人投資家でいるということは、履歴書では「無職」になる。運用の自由度は高いし、収益に対する税金のみで済む分、手取りも多くなるかもしれないけれど、自己資金を飛ばしてしまえばそこで終わってしまう。そのリスクを前提で続けるべきだし、運用におけるリスクもそれを踏まえて行うべきだ。
 実際に個人投資家でもリスペクトすべき運用者も沢山知っているし、彼らはその「リスク」と向き合い、立派に市場で生き残って成功している。それが出来なかった人が自己資金を飛ばしてしまう。そんな人が他人のお金を預かるプロになりたいと言っても通る話ではないということは理解して欲しい。

 

他人のお金を預かり、リスクを取る仕事である以上、プロの運用者としての矜持を持っていて欲しいと思う。その仕事をあまり軽く見ないで欲しい。結果を残せない人がいつまでもしがみついていていい世界じゃない。他人のお金でギャンブルやるようなヤツも困る。

 

自分なりに成功してみせたから、もっと大きな運用がしたいからチャンスをくれっていうのなら素晴らしいことだと思うけど、失敗しちゃったから他人のお金でやらせてくれってのはあまりにも筋が違うし、そう考えている時点で勝負の世界からは離れて堅実な生き方をした方がいいと思う。

 

厳しいようだけど、それはこの世界で生き抜いていくための条件なのだから。

【マーケット】祝!NYダウ2万ドル突破!

NYダウが2万ドルを突破してきましたね(^.^)
 
一方で、トランプリスクがトランプラリーになり、いよいよトランプ大統領が就任となってからは少しばかり現実が見え始めてきた気もします。
 
『アメリカ第一』を掲げるトランプ大統領。
米国株が上昇するのはまぁ当然といえば当然なのかもしれません。
あんまり極端なやり方するとかえって米国企業の競争力を削ぎかねない気もしないでもないですけど…(^_^;)
今のところはとにかく米国を良くするということを主眼に置いていますから株価が上がるのもまぁ頷けます。
 
一方で、なんでもかんでも基本的には米国追従の日本。
トランプラリーもここまではイケイケドンドン。
一度逆にふるい落とし入れた分、カウンターが決まった反動も大きかったですしね(笑)
ただここにきてちょっと様子が…。
上がりはするんだけど、どこか上値も重い感じも。
日本企業にとってトランプ大統領が決してプラスではないということにようやく市場も気づき始めた…?
というよりは、当初の相場の転換が極端過ぎて、大きな資金を動かすところはとりあえずポートフォリオを立て直すのに追われていた感もあります。
その修正が一巡し、ここからはその後を見通しての運用がようやく冷静にできる状況になってきたってとこなのかもしれません。
「理想買い」の局面から「現実買い」の局面へ。
日本市場も連れ高はするでしょうが、ここからの上昇はそんなに容易ではなくなるのかもしれませんね。
 
ちなみにこのチャートはトランプ大統領勝利の直前からのNYダウと日経平均株価を比較したもの。トランプラリーの間はNYダウ以上に上昇し、迫る場面もあったものの、直近高値をつけて以降はおいていかれがちになっている日経平均株価がみてとれます。下段が価格差。
 
そしてもっと気になるのが次のチャート。
 
同じものを日経平均株価をドルベースにして、比較しやすいように100をかけたものです。
ドルベースでみたときの日経平均株価の上昇って…うーん…。
外国人投資家からみた日本株のパフォーマンスは全然ダメですね。
もしかするとそれが現実なのかもしれません。
この上昇の間に103円→117円まで一気に円安が進んだドル円相場。
見方を変えると為替の変動がここまでの株価上昇の要因としては非常に大きかった。
米国株が上昇すれば日本株にも上昇バイアスはかかるでしょうが、為替が同じようにいくかどうか?
今後のマーケットを見極めていくうえで、為替の動きにはしっかりと着目しておいた方がよさそうですね。
 

【マーケット】理想と現実

前回『理想買いと現実買い』で書いた。

タイトルは似ているけれど…ちょっと違うテーマで。

 

理想(似て非なるものだとは思っているけれど、夢や目標と言い換えてもいい)はほとんどの人が持っている。

それが生きていくうえで、仕事をしていくうえでのモチベーションになっていたりもする。

自分自身、そういったものを常に持ち続けているタイプだと思う。

若い頃はディーラー(運用者)としての目標であったりしたし、40歳過ぎたあたりからはまた別の目標を持っていたりする。
ただその理想ばかりを追い続けて、足元の現実が見えていないと多くのものが叶えられない『夢』に終わり、形にすることは出来ずに終わる。

一方で、現実に囚われて『どうせ難しいから』『こんなもんでしょ』と自分の未来の可能性を追えなくなってしまうのももったいないと思う。

 

『理想』を持つことは自分自身を向上させていくうえでも大切なもの。

『現実』を知ることはそれに対して足りないものを自覚し、改善させていくためにも大切なもの。

いわば『現実』が出発点となり、『理想』が将来の目標地点となる。

 

そのバランスが適切にコントロールされていないが故に失敗する人も沢山見てきたし、可能性をつぶしてしまっている人も沢山みてきた。

プレーヤー(ディーラー)であれば、現在の自分の力量、能力など様々なものを自覚し、そのうえで未来の目標に向けて何をすべきか、何ができるかを考えて日々積み重ねていく。
マネジメントであれば、現在の組織の力量、リソースなど様々なものを客観的に分析し、そのうえで未来の目標に向けて足りないものをどう埋めていくかを考え、様々な手を打っていく。一足飛びにそこまでいきたいと思うことも少なくはないが、どんなに小さいことでもスタッフの経験値を引き上げていくことや、能力向上、人材獲得など様々な面でそれが求められてくる。

未来を考えずに現実に囚われて動かないことは楽だけれど将来の淘汰にさらされるリスクになる。何もしないことがリスクであるという認識が出来ているマネジメントは思いのほか少ないものだ。

でも未来ばかり見て現実を見ずに飛躍したことばかりをやっていればどこかで破たんする。

 

組織も個人もそれは同じだ。

ふと最近そんなことを改めて感じる機会が続いたので…。

 

さて2月10日(金)のMarketForum大阪ですが、定員がいよいよ近づきつつあるようです。
特に今回は個人投資家の皆さんにも沢山参加いただきたいと思っています。

ぜひご参加ください。
http://marketforum.jp/index.php/about/mfosaka2017_info/
 

【マーケット】理想買いと現実買い

トランプ氏の会見。
『リスク』の部分が表面化してきたかな。

『トランプ・リスク』から『トランプ・ラリー』へ。
おかしな話ではあるけど、相場はそれほど合理的には動かないときもある。

これまでは『理想』で買えた。
でも実際に大統領になろうというこの一月以降は『現実』を見なければいけなくなる。

相場は理想買いの局面が一番上がるし、強い。
そして現実買いの局面になるとそれほどでもなかったりする。
理想であれこれと勝手に想像膨らませている分にはイケイケドンドンでいけちゃう。

ITバブルなんて典型的。
『インターネット』という言葉がつけば、なんでもかんでもインターネット関連銘柄(笑)
とりあえず飛びついておけば上がった時期がある。
それを本当に実業として収益に結び付けられるかどうかなんて後回し。
そのフェーズが終わると、収益性などを評価されなければ買われないという当たり前の状態になり淘汰も進んだ。

トランプ・リスクを散々言っておいて、手のひら返して『これからは米国が良くなるから』とただ盲目的に言っているような人には要注意。

実際に大統領に就任すれば必ずボロが出る。
様々なリスクも表面化する。
だからといって暴落する訳ではないけど。
トランプ次期大統領という存在が何を生み出し、何を失わせていくのか。
大きな変化の中で受ける影響を見極めていく必要がある。

あのやり方は他国からの反発を生み、世界のリーダーとして尊敬されてきた米国の立場を変えていくだろう。自国優先といえば国民受けはいいが、利己的・排他的な政治は他国やグローバル企業との間に様々な軋轢を生む。
人が一人では生きていけないように、国も他国との関わりの中で存在している。
グローバル化、ボーダーレス化がここまで進んでいる時代ではなおさらのことだ。
ヒト・モノ・カネが国という枠組みを越えて活動することが当たり前になった現代。
その反動が生み出した現実。
これからの相場はそんなに簡単ではない気がする…。

【参加者募集】MarketForum大阪

来月10日(金)に大阪で開催される交流イベントです。

MarketForumについてはこのブログでは何度もご紹介しているので割愛しますが、参加者募集中です。

すでに100名を超えてきており、定員が徐々に近づいているようですので参加のお申し込みはお早めに。

自分も参加しますので、当日会場で色んな方にお会いできるのを楽しみにしております。

 

http://marketforum.jp/index.php/about/mfosaka2017_info/

【トレード】攻めと守り②

常にフルスイングで勝負していないと満足できない。

もしそれで儲かったら、『もっと勝負しておけばよかった』と損をした気になる。

その貪欲さは評価できる。

でも損をしたときのこと、その相場観が間違えていたときのことを想像しないと。

 

相場は表情を変える。

銘柄によっても値動きが違う。

自分の置かれている状況もその時々によって違う。

 

バブル的な勢いのある上昇相場やパニック的な急落相場。

少なくとも方向性が極端に強く、ボラティリティが大きい相場。

順張り的なリスクをとっても成功率は比較的高い。
そういった相場では値動きが大きくなり、同じ金額でポジションをとっても損益のブレは当然大きくなる。
そういった相場で逆張るのであれば、それは結構なリスクになる。

そういったときにはポジション量を抑えるなり、打診売り(買い)から入り、状況を見ながらポジションをコントロールするなどのリスクコントロールが求められる。

 

でも何も材料がなく、値動きの乏しいボックス相場ではチマチマやっていてもなかなか利益は増えていかない。
かといってそういった相場では出来高自体も減少しがちなので、極端に大きなポジションを取るとさばくのが困難になる。
大型株の値動きと小型株(特に直近IPOなど)の値動きもまた全然異なる。

同じ1億円でも損益のブレは全く違ってくるし、流動性も異なるから、それに伴うリスクも変わってくる。

そして自分自身に余裕があるときとないとき。
積極的に攻めていいときと、守りを固めてコツコツと利益を積み上げる必要があるとき。
特に損が出ていて苦しい時にコツコツとやるなんてのは修行しているようなもんだ。
我慢に我慢を重ねて少しずつ取り返しても、不用意なトレード一つでまた振り出しに戻るなんてこともザラ。
一歩ずつ階段上っているのに、あっという間に落ちる。
モグラたたきのモグラになっているような気分。
でもキレたら負け。

歯を食いしばって乗り越えていくしかない。

またお金の色を理解しておかなければいけない。
自分のお金であっても、最悪なくなっても生活に困らないようなお金なのか、絶対になくなっては困るようなお金なのか(個人的にはそういったお金では相場を張るべきではないと思うけど)、リスク許容度が変わってくる。
ディーラーやファンドマネージャーなどの他人様のお金を預かる身ならなおさらのこと。その会社や投資家のリスク許容度を理解しておかなければならない。ディーラーなんて会社によってその許容度は大きく違ってたりもする。

それに合わせてどこまで攻めていいのか、守っていかなければならないのかをバランスしていく必要がある。

自分の置かれている状況を客観的に分析し
自分自身の状況を客観的に分析し
相場環境や銘柄の値動き・特性を客観的に分析し
合理的にそれに合わせてリスク量をコントロールする。
その強弱こそが『攻め』と『守り』だ。

多くの人が儲かったときのことだけを想像し、全力で勝負してないと儲かったときにもったいないと思う。
自分だって『もっとやっときゃよかった』と思ったことは一度や二度ではない。
でも実際には負けることもある。
そして全力で勝負し続けて負けたときは大きなダメージを負う。

相場はやらなければやられることはない。
日計りなどの短期運用で勝率を上げていくためにはポジションを取らずに見ているときだって必要。
ポートフォリオマネジメントにおいても、リスクを抑制しておくべきときも必要。
『待つのも相場』
実際にはヤラレてもいないのに、『やっておけばよかった』『もっと勝負しておけばよかった』と損をして気分になってしまうのは心情としては理解できるけれど、それは合理的な考え方ではなかったりする。

やらなければ儲け損なうことはあってもヤラレではない。

合理的かつ客観的な分析に基づいてトレードに強弱をつける(リスクコントロール)。
それに『待ち』が出来るようになれば、少しずつ勝率も、損益のバランスも改善していくはずだ。

自分がディーラーだった頃

・勝率(個々のトレードおよび日々の損益)
・利益と損失のバランス(損小利大)。最大利益と最大損失、平均利益と平均損失がどちらも利益が大きいこと。
を常に意識し、自身のトレードを必ず毎日、毎月分析していた。

歯車が狂い始めたとき、自分を客観的に分析し直してみると、どこかにその要因が見えてくる。
『攻め』と『守り』と『待ち』
それを主観的(悔しい、焦り、思い込み、怒り…)ではなく客観的な分析に基づいてバランスできたとき、最終的に積みあがる収益は変わってくるはずだ。
毎月・毎年の損益は、結局のところ一つ一つのトレードの積み重ねでしかない。
その一つ一つのトレードを大切にできなければ、ブレばかり大きくなり、数字は残らない(シャープレシオ)。

【トレード】自分と向き合う

苦境に陥ってしまっているディーラーを連れてちょっとガス抜きにお茶してきた。
彼はちゃんと自分と向き合えているからきっと大丈夫。

 

俺の失敗談やら、体験談やらも交えながら色々と話した。

『部長はそういう失敗とは無縁だったんだと思っていました。』

と。

失敗散々やって、迷って苦しんで足掻いて…でも必死に向き合ってきたから現在があるんだよ。

最初から強いやつも、最初からすごいやつもそうはいない。

俺はどちらかといえば落ちこぼれで凡人で…(^^;

ただただ懸命で、ただただ必死であっただけ。

 

短期運用では特にメンタルが重要。

追い込まれている自分。

焦っている自分。

苛立っている自分。

熱くなっている自分。

そういった自分を客観視しながらしっかりと手綱を握らないといけない。

自分を見失ったまま戦い続ければいつかポッキリ折れてしまう。

真面目なやつほど自分を追い込む傾向が強い。

だからこそ時には休むことも必要だし、出来ていない自分を素直に認めてあげることも必要。

俺もそれは苦手だったけど。

 

だから場中に漫画読んだり、机に足を乗っけて座ってるなんて傍目でみたら酷い姿勢でいたこともある。

そういう姿勢でいるときには理由があった。

モニタにしがみつくようにしてマーケット見ていたら、自分にブレーキかけられなくなると思ったとき。

つい指が動いて売買をしてしまうと感じたとき。

マーケットからあえて目を離す(決まった水準でアラートが出るようにはしていた)。

すぐには手がキーボードに届かないようにする。

そうでもしないと自分を抑えられないと思っていたときだ。

 

『一日一日を大切に。一トレード一トレードを大切に。』

なんて標語みたいな言葉をプリントして目の前に貼っておいたり、子供たちの写真をデカデカとPCの壁紙にして、自分を見失いそうなときや心が折れそうなときにそれを見て勇気をもらったりしていたこともある。

 

責任感が強く、真面目で、力の抜き方が苦手な人間ほど陥りやすい罠。

肩の力を抜いて、8割程度の力でやればいいものを、ついつい10割以上の力で全力投球をしてしまう。

そして余裕を失い、追い込まれ、メンタルコントロールを失ってしまう。

俺なんて何十回も何百回も経験してきたよ(笑)

その度に焦る自分を抑え込んで、歯を食いしばって一歩ずつ乗り越えてきたからその先の収益につながった。

最初からすごいやつなんていない。

自分は自分でしかない。

まずは現在の自分を知り、それを受け入れ、認めてあげること。

そこが再スタートの場所だ。

そこから始めて、乗り越えていったとき、少しずつ強くなっていく。

そうやって経た時間があって、年輪を重ねるようにして経験を積み重ねていったからこそ得られる強さもある。

 

俺は元々、落ちこぼれだったし、小学生の頃は背も小さくて、メンタルも弱い、どちらかといえばいじめられっ子だったんだから(笑)

【トレード】攻めと守り

毎日毎日相場と向き合う。

ディーラーにとってはそれが仕事。

でもいい時もあれば、悪い時もある。

それは当たり前のこと。

 

戦い続け、勝ち続けるためには、常々『コントロール』が大事だと言ってきた。

メンタル(コントロール)、リスク(コントロール)など様々な面で求められる。

損益(PL)についてもコントロールは必要だ。

でもそれを結構出来ていない人が少なくない。

 

分かりやすいのは、どんなときでもフルスイングしちゃう人。

いい時でも、悪い時でもぶん回し続けて、簡単にロスカットまでいってしまう。

最悪の人は、損が出れば出るほどムキになってリスクを増やす。

ギャンブルで負けがこめばこむほど掛け金増やすパターンだ。

こういう人にはハッキリと『戦い続けなければいけない勝負の世界には向かないよ』と思う。

 

損が出る(=相場で負ける)。

それには必ず理由がある。

自分の相場観やストラテジーと、実際の相場が合ってないから負ける。

その理由が見えてもいないのに、損を取り返したいという自分の都合だけでリスクを取り続ける(増やし続ける)。

たまたま相場に救われることもあるかもしれない。

でもそれは実力ではなく、運頼みでしかない。

合っていないときは、損を早く取り返したいという自分の中にある焦りと向き合いリスクを抑制する。

そのうえで合っていない要因を客観的に分析し、少しずつ立て直していく。

うまくいっていないときほどリスクを抑えなければならない。

いわば『守り』が求められる。

 

儲かっているときはガンガンいけばいい。
いわば『攻め』だ。

ただし、自分の中に育っていく慢心に対して細心の注意を払い、落とし穴にハマらないように気をつける(それでもハマる)。ハマったら、いったん手を止めるなり、攻めの手をニュートラルに戻す。

 

『攻め』と『守り』。

言い方を変えれば『強弱をつける』。

これって実はとても大事なことだ。

何年・何十年と戦い続け、勝ち続けたいのであれば必要になる。

 

守りばかりでは成長も成功もしない。

攻めばかりではどこかで消えていくことになる。

 

その切り替えは…

・自分自身の損失に対するキャパシティを把握する(リカバリー可能な損失にとどめる)。

・ディーラーやファンドマネージャーなら、会社なり投資家なりの損失許容度を理解し、それに達することがないようにコントロールする。

・自分のストラテジーの長所・短所を理解し、それに現在のマーケットがマッチしているのかどうかを客観的に分析する。言い方を変えると、KO狙いでガンガン勝負していいマーケットなのか、ガードを固めながら判定勝ちでもいいと割り切るべきマーケットなのかを見極める。

例えば、順張りを得意とするならば大きなトレンドにある最中はガンガン攻めていくことも容易だ。逆に攻めきれなかったり、不用意なところで逆張りをすれば儲け損なうか、ヤラレにすらなってしまう。
一方で、その手の人はトレンドの転換点やもみ合い相場になると乗り切れなくなる。ヘタをすると高値買って安値売って、安値売って高値を踏む…往復ビンタすら食らいかねない。

だから日計りであっても、相場全体の流れや見通し、現在の位置を考え、チャート上のポイントや出来高・売買代金などの市場エネルギーを見て、経済統計やイベントなどのカレンダーを把握し(例えば重要イベントの前は相場は動きづらくなり、そんな中でフルスイングしても儲けづらい)、今日をどう戦うかを考える。

外部要因や、自分が置かれている環境、自分自身の状況など様々なものを客観的に分析しながら、強弱をつけ、攻めと守りを使い分けないといけない。
それがある程度出来ていないと、損益がブレる割には利益はたいして残らないプレーヤーにしかならない。
要するにリスクとリターンが見合っていないのだ。
運用の世界ではシャープレシオで見られるもの。
自分の運用の目的や資金の性質に対して、自分自身の損益の動きが適正であるかどうかも含めて考えられてこそのプロだ。

これから運用の世界を志す人は『勝つこと』『儲けること』『成功すること』ばかり追い求めるのではなく、そういったことも理解しておいて欲しい。
相場でヘタうつ人のほとんどは『いいこと』しか想像しないでリスクを取る人達だ。
『悪いこと(負けたときのこと)』を想像できている人は最低限の守りが出来るし、ちゃんと長いこと生き残る力を持っている。もちろん負けたときを想像して怖くて手が出ないでは話にならないけど…。

【政治雑感】トヨタの報道を読んで

通勤電車にて。


『トヨタ、米で1.1兆円投資 社長が表明 トランプ政権にらむ:日本経済新聞』


トランプ氏に言われたからではないそうだが…。このタイミングで表明するということは、トランプ氏のTwitterでの発言を意識したものではあるだろう。


なんかトランプ氏のやり方って小学校ぐらいの頃のいじめっ子に似てる気がする。まるでジャイアン。

意に沿わないことやる奴には脅しかけて、周囲はビクビク顔色伺いながら行動していく。

世界最大の経済力・軍事力を誇る国の大統領だから、その脅しも半端なく効く。

それを米国民が望んでしまうほど、様々な歪みが生活を圧迫し、脅かしていたのだろうな。それは雇用統計とかの数字のみでは計れないものなのかもしれない。そこに目を向けないと本質的な解決は出来ない。今年は欧州でも多くの選挙があり、ポピュリズムの台頭が予想されている。

これまで理想と現実とのバランスが適切に取れていなかったから、大衆の不満を支持に変えて彼らが大きくなっていく。

理想社会の実現に向かって努力することも大事。でも足下の現実にも目を向けて、段階を追うことも必要なのだろう。

でもジャイアンは実は仲間思いだったりもする。トランプ氏も米国民、支持者、理解者の面倒はトコトンみるのかもしれない。だからこその支持だったのかな。

だからといってトランプ氏のやり方が正しいとは全く思わないけど。

今年は政治・経済が大きく変わる年になる気がする。『自分達には関係ない』ではなく、一人ひとりが知る努力をし、考えることが大切なんだろう。

プロフィール

tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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