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【ビジネス】シンガポール

シンガポールに出張に来ています。

目的は4月からスタートしたシンガポールディーリング室のフォローアップと、これからのことについての意見交換、いくつもの関係会社さんとの打ち合わせ、これから転属する後輩達の為の諸手続など。そして夜はガッツリ様々な人との飲み。

今回から宿泊はホテルではなく、会社で借り上げているコンドミニアム。
約6年振りのシンガポールライフです。

朝早く起きてジムでひと汗かいて、MRTで通勤。混雑緩和で7時45分までに乗ると安くなるっていいね。
日本にいるのとはライフスタイルも少し変わってくる。

若い世代が夢を追える場所を創る。

そのために立ち上げたシンガポール拠点。
今回も早速いい出会いがありました。


コンドミニアムのプールで泳いだりジムに行ったり。



最寄りのスタバが24時間なのはありがたい♪

【ビジネス】履歴書

このところ「履歴書」を見る機会がとても多い。
今週にいたっては入社の相談が連日複数届いている。
たかが履歴書。
されど履歴書。
そこにはその人が歩いてきた道が記されている。
でもそれだけでは見えてこないものもある。

自分の履歴書はお世辞にも褒められたもんじゃない。
大学もあんまいいとこじゃないし、2浪1留と派手にやらかした(笑)
学生時代は自転車のレースやアルバイトや部活ばっかり記憶に残ってる。
留年決まったときに部活の後輩たちが喜んでくれて複雑な気持ちになったなぁ(^^;)

よくあんな成績と履歴書でドンケツとはいえ東証一部上場企業に内定もらえたと思う(笑)
さらになぜか新卒でいきなり株式部先物オプション課に配属された。同期は120人以上もいたのに。

「なんで俺なんだろう?」

ずっと不思議だった(その会社を退社するときにはじめて教えてもらったけど)。
文系でさらに落ちこぼれの俺が1990年代最先端と言われていたデリバティブ部門に配属されてオプション・ディーラーをやる羽目になった。
そこからは必死だった。まさに死ぬ思い(笑)

中学の参考書から買ってきて数学の勉強やり直すところからはじめた。
パソコンも触ったことがなかったけれど格安PCを秋葉原で分割払いで買ってきてかじりつくように触った。

一ヶ月でマクロぐらいなら書けるようになり、VBAからVB、C++、JAVAまではやった(2000年ぐらいには大手ISPサイトの株式ページにオレが作ったチャート分析アプリを採用してもらえるまでにはなった)。

でもそれは全てディーラーとして必要になると思ったから身につけたものだった。
入社数ヶ月も経たないうちにオプション・ディーラーとしてスタートし、阪神淡路大震災もリーマンショックも乗り越えてしっかりとリターンを伸ばしていた。

にも関わらず、社内的な政治力の差で上の都合だけでプログラムを書ける便利な駒として異動させられた。

2年耐えた。
意に沿わない仕事でも誠実にやろうと努力した。
でも上が出世のためにぶち上げた案件を下請けのようにやらされる毎日。挙句、もっといいものにしたいと思って提案しても「そんなもん適当にやっておけばいい。」と言われた時、ここには居られないと思った。
そのすぐ後に元のディーリングチームの上司が「ディーラーに戻してやりたいけれどここでは難しい。ある会社で若くてやる気のあるヤツ欲しがってるけどいく気あるか?」と声をかけてくれた。即断だった。

初めての転職。
ディーラーとしての移籍。
背水の陣だった。
絶対に結果を残す。
「これでダメだったら土方やろうが水商売やろうが家族だけは守るから」
と我侭を通させてもらった以上、やるしかなかった。
寝る間も惜しんで勉強し、マーケットと向き合った。

その後、様々なことがあったけれど、何年かして一丁前のディーラーになり、気づいてみれば最年少でありながらトップを争うところまで来ていた。
トップディーラーだの、エースだのチヤホヤされる。
自分が全く満足できないような収益でもだ。
ある月、自分が3千万ぐらいの利益があったにも関わらず、「今月厳しいからポジション閉じて欲しい」と部長に言われた。
部のためだからしょうがないと素直にポジションをクローズした。
でも翌朝、マイナス出している連中がみんなポジションを残しているのを知った。
「どういうことですか?」
「これは命令じゃなくてお願いだから…」
そのとき『ここにいてはいけない』と確信した。
自分よりすごいやつが他社には何人もいる。
そういう連中としのぎを削るような厳しい環境にいかなければオレのディーラーとしてのピークはこれで終わってしまう。
その日の夕方に自分が一番すごいと思っていた他社の年下のディーラーにメールした。
二度目の転職だった。

その後も色んなことがあって転職もした。
チャレンジであったり挫折であったりもした。
でも一つとしてクビにされた会社はない。
誠実に懸命に仕事をしてきたつもりだ。
でも履歴書には転職歴だけが書かれてその経緯や中身を伝えることは出来ない。

だからオレの履歴書も決してきれいなもんじゃない。
だから送ってくるみんなも履歴書が決してほめられたものじゃなくてもいい。
優秀な大学を出ているから採用されるわけでもない(少なくともそういう大学にいくための努力は出来た人なのだと評価はする)。
すごい会社にいたから採用するわけでもない。

そこにあるのは自分が歩いてきた道のはず。
そこに嘘やごまかしはやめて欲しい。
それは過去の自分を否定しているに他ならない。
人に胸を張って伝えることが出来ないような生き方をしてきたってことだ。『だから嘘をついてでも…』そんな風にしている時点で同じことを繰り返すよ。

レコードもそう。『自分のよかったときだけのレコードを持ってきて、都合の悪いものは隠す』『レコード自体を偽る』とかは話にならない。
最低限、誠実さと懸命さ、熱意を伝えられるように思いを込めて書いて欲しい。
そして若い人なら熱意と可能性を感じられるようにあって欲しい。『ディーラーをやりたい』という熱意や情熱があり、どこかに可能性を感じられるものがあれば若さは武器にもなる。
年を重ねた人なら実績と経験、どんな形で貢献できるかを示して欲しい。年を重ねながらただ『ディーラーをやりたい』だけでは難しい。『自分が何をやってきたのか。どういうことが出来るのか。だから貢献できるはず。』そこが伝わらない人は書類選考で通る可能性はほぼないだろう。

コネとか知り合いとかそういうのも勘弁して欲しい。
知り合いならなんとかしてあげたいと思うのが当たり前。
でもそんな「情」だけで一般の人と差をつけたり、可能性がないと思う人にリスクを取らせることはできない。
オレはこの会社にも、ここで働く従業員たちにも誠実に責任を果たさなければいけないのだから。

【ビジネス】中小証券ディーリングが厳しいって?

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO02611380R20C16A5DTA000/

「時代の変化」

それをどう受け止め、それに対してどう行動するか?

それが問われるのは会社であっても、部門であっても、個人であっても同じことだ。
「これまでこれでやってきたんだから…」
と変化を拒む。
自分達を取り巻くビジネス環境が変化していこうとしているのに、その変化を否定したり、そのせいでうまくいかなくなったとボヤいたりする。

時代は変わる。
テクノロジーは変化する。
ビジネス環境は変わっていくものだ。
それに適応する努力(企業なら研究開発や設備投資、人材育成)が出来ないならそのビジネスは傷口を広げる前に撤退した方がいい。

我々の世界では情報通信、ITの技術革新が大きな変化をもたらした。2010年の東証アローヘッド稼働により、それを活かしたトレーディング(HFT)が可能になり、急激に世界が変わった。
ミリ秒、マイクロ秒、ナノ秒…際限のない高速化。
目にも見えない速度で変化する取引状況。
そして呼値適正化により、価格変化を目で見て判断することはより困難になった。
それらは目視で板を見て一カイ二ヤリを繰り返していた中小証券ディーリングを直撃した。

でも分かっていたことだ。
欧米でHFTのマーケットシェアが最大だったのは2008年~2009年にかけて。最大では7割弱に達していた。東証・大証の遅すぎるシステムが彼らの参入障壁になっていたに過ぎない。欧米で起きていたことを理解出来ていれば、アローヘッドが何をもたらすかは容易に想像できたはず。
そのせいにするのはマネジメントの怠慢に他ならない。
それを理解し、その変化を活かす道を考える責任と権限を持っていたのは、その立場にいる人達だったのだから。

ほとんどの中小証券のディーリングは規制だらけだ。
「オーバーナイトが出来ない。」
「わずかな損で売買を止められてしまう(部長の判断でルールとは関係ないところで止められる)。」
「信用の売りが出来ない」
「オプションが出来ない(出来ても買いだけとか日計りだけとか)」
「先物が出来ない(まともに出来る環境がない)。」
「ロスカットルールが硬直的(個別に○○%やられたらロスカットなど。こんなルールがあったらロングショートなんて出来やしない)。」
「一定の時期毎(毎月だったり半期だったり)にポジションを全部クローズしなきゃいけない」
そんなマーケットや運用に理解のない管理者の手によって作られた非合理的な規制だらけだ。
そして彼らはお題目のように言う「○○証券さんはそうやってる」。
それじゃ小学生の子供が欲しいおもちゃをねだるときに「みんな持ってるよ」というのと同じ。何故それが必要なのかを説明することも出来ないのに他社のマネばかりする。結果、みんなで同じ方向に間違いを犯す。

一つだけ知っておいて欲しい。
あなた達が作ってきた非合理的な規制が現場で戦うディーラー達の手足を縛り、その可能性や能力を最大化出来なくし、彼らの可能性を奪っているかもしれないということを。

中小証券ディーラーの人が見れば上記の規制に思い当たるところはいくつかあるだろう。
俺が入社したときのウチの会社もいくつか思い当たる規制があったから。

でも変われた。

現在、ウチでは46名のディーラーが多種多様な運用をしている。そして部長になってからこの2年あまり、部の収益でハラハラしたことはほとんどない。みんなのおかげで部門収益はかなり安定してくれている。

そしてこれからは新しい時代に合った運用が出来るように変化を推し進める段階にきている。
まだノウハウも人材も経験も足りない。
それらの取り組みは稚拙といってもいいかもしれない。

でも人材育成、設備投資、研究開発…そんな取り組みをする段階にようやくたどり着いた。
そしてそれを牽引してくれるであろう人材もいる。
変えてみせるし、変わってみせる。
それが(中小証券にも)可能なことなのだと知って欲しい。

そしてそれすらも将来の目標に向けたいちプロセスに過ぎない。
やるべきことは沢山あるのだから。

【ビジネス】最終選考

今日は来年度新卒採用の最終選考。

ディーラー志望の若い人材達と向き合ってきました。
なんかみんなに可能性を感じちゃうんだよな(笑)

運用の世界を志す若い彼らはこの業界にとって宝物。
その可能性をより高く大きく伸ばしてやることが先輩としての自分の責任。

沢山のものを見て
幅広い知識を得て
広い世界を知って

より大きく成長していって欲しいと願う。
かつてそうやって採用した後輩たちの中で、今でも一線で活躍してくれているやつらもいる。
先輩として何よりも嬉しいこと。

これからチャレンジする彼らもぜひ夢を掴み、より大きな夢を追い続けて欲しい。
また楽しみがひとつ増えたな♪

来年4月が待ち遠しい…。

【ビジネス】新卒採用

さて来週は新卒採用(来年度入社)をここまで進んできたディーラー志望者との面接。

外資系や大手証券がドット・フランク法の影響で純粋な自己勘定(プロップ・トレーディング)からほぼ手を引いてしまった現在。
お金もなく経験もない若い人材に扉を開き、純粋にマーケットと対峙して運用という世界を志せるようにすること、人(運用者)を育てるということは我々のような中小証券が担うべき役割のひとつだと思う。

一人ひとりと話せる時間は少ないけれど、しっかりと向き合って彼らの可能性という種をしっかりと見極めたいと思う。

楽しみです(^.^)
プロフィール

tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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