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〔相場雑感〕おはぎゃあ

おはぎゃあ…ですね(^^;)

日経平均先物も夏場の下落時の安値を割り込んできました。
来週が短期的には正念場になりそうです。

当然、政策期待とか日銀への期待も高まるのでしょうが、自分はそもそもそういったもの頼みである相場には首を傾げざるをえない。

年金の株買いも一段落し、今後は下げた分のリバランス程度。
日銀のETF買いも、今後は買い一辺倒ではいられない。
日銀のバズーカ頼みじゃダメなんです。
その効果はどんどん限られてくる。
頼みの綱が効かなくなったとき、市場はどこへ向かうのか。
もっと政治がやるべきことがあると思うのだけれど。







相場は上がりもすれば下がりもする。
高度成長期でもないのだからそれはしかたがない。
楽観にしがみつくのも、悲観に傾きすぎるのも間違い。
相場は今下がるべくして下がっている。
相場が全て正しいのだから。
その事実を認め、なぜそうなったかを考え、次の一手を考える。
日銀のETF買いしかり、年金の株買いしかり、永続的に続くわけではない需要によって押し上げられた分が剥げ落ちるのはしょうがない。
だからといって日経平均株価がアベノミクス前の一万円割れに戻る訳じゃない。
企業は懸命に頑張ってその価値を上げてきているのだから。
この下げはそういった企業の株を買うチャンスになるはず。

【ビジネス】ダークプールとは?

一時期はHFT。
最近はダークプール(インターナル・クロッシング)。
一部のメディアがスケープゴートにしたがっている。
昨日あまりにも間違えた理解を元に記事が出ていたので自分の知っている範囲のこと、考察を書く。

確かに米国で問題になり、訴訟なども起きた。
見えにくい部分やグレーな部分もある。

日本でも外資系証券の多くがダークプールを持ち、最近では銀行系証券でもシステムベンダーが提供するダークプールを活用し始めたところもある。
ゴールドマンサックスはSigmaX。
クレディスイスならCrossFinder。
モルガンスタンレーならMS Pool。
メリルリンチやUBSも。
さらに最近ではダークプール・アグリゲーターなんてものも出てきている。
そういったものの存在自体にはなんの問題もない。

取引所外取引にはもう一つPTSがある(米国ではATSと呼ばれるのが一般的)。
日本にはChi-XとSBI Japannextの二社のみ(一時はもっとあったのに減少してしまった)。
そして日本での取引所外取引のシェアは残念ながら未発達というべき水準にとどまっている。

本質的には…
それらは市場参加者に利便性を提供し、執行コストの低減(より優位な価格での執行(取引所よりも呼値が小さく手前の価格で約定出来る)、流動性の補完、場口銭がかからないか取引所より安い)を提供するものだ。

ただ市場が複雑化し、高速化してきたことでいくつもの問題が出てきた。
必ずしも顧客の利益につながらない場合が目立つようになった。
取引所より優位な価格で執行できない場合もまれにあるし、そこで約定したために「先回り」されるような場合も出てきた(レイテンシー・アービトラージであってフロント・ランニングではない)。それらはわずかな隙間を超高速な環境を利用して抜け目なく取るHFTなどがその一因とはいえるかもしれない。
だから最近ではクセの悪いHFTの注文は入れないようにしているなんて話もあるぐらいだ。

日本の場合、2010年3月の指針の一部改定以降はダークプールについては基本的にToSTNeTに回送される。少なくとも完全にダークではなく、価格や株数は可視化されている。実態も把握しやすい。

確かに保護されていない面も多いため、裏で何やられてるか分からないと感じることはあるだろう。
米国では訴訟まで起きている。
機関投資家などのフローを利用して利益を得ようとする輩がいたときにそれを発見し、処罰、排除出来るのかどうか?
将来的に問題が起きないとは断言できない。
でも怪しげなものと決めつけて、その存在意義まで否定するのは大間違いだ。
課題とすべきはそれらの運営が健全であり、特定の者ではなく多くの市場参加者にとって有用かつ誠実に運営されているかだ。

HFTもそうだが、よく理解も出来ていないのにプロであるメディアの人間が間違った伝えかたをしてレッテルを貼り、存在自体を否定しようとする。
否定するのならちゃんとした理解のうえで、その問題点や課題を議論すべきだと思う。
プロフィール

tetsu219

Author:tetsu219
元証券ディーラーです。
二十数年ディーラーやって、シンガポールにも一時期行ってヘッジファンドを立ち上げてみたりと色々やってきて、とある証券会社でディーリング部長になり、今はシンガポールでヘッジファンドの設立・経営をやっています。

基本仕事ネタです。
更新は気が向いたときだけ(^^;
でもこのブログを通じて運用を志す若い世代の人たちに何か伝えられること、その一助になればと思っています。

初期は限定記事にしていましたが、今は開き直って全部公開にしてますのでお気軽に(笑)

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